いつもは自由に好きなファッションをしていても、そうはいかないのが告別式や通夜といった際の喪の装い。マナーをきちんと守った装いで参列したいものですが、正式なマナーをよく知らない、自信がないという人も多いのでは? 失礼のないように、喪の装いについての基礎知識を知っておきましょう。


ブランド名:ソワール ペルル バイ アキラ ナカ

首都圏・関西圏を中心に展開する業界最大手の(株)公益社によると、最近の葬送の傾向としては、直葬や一日葬、家族葬など小規模化の傾向が見られる一方、親しい知人や親族と数日間じっくりお別れする葬儀などもあり、多様化しているのだとか。それにともなって喪の装いにも変化が見られるようです。

一般的な通夜、告別式、七回忌までは、正統派の着こなしがやはり安心だとか。弔問であれば、膝丈中心のワンピース+ジャケットスタイルの準喪服が定番で、色は黒。日本全国どこでも通用し、安心感、信頼度が高いスタイルと言えます。

ただ、最近増えている「お別れの会」などでは、ワンピーススタイルもOKだそう。もちろん「喪」ですから、無難なデザインを選び、肌の露出は極力控えて。胸元、二の腕、膝頭が隠れているデザインであれば安心ですね。また、透けすぎない、光沢感の抑えられた素材を選ぶほうがベターだとか。

このようなスタイルは、アクセサリーコーディネート次第では、ハレの日にも通用する装いになるので、一着持っているといいかもしれません。

喪服を購入するときは、喪服だからと云ってコンサバティブで落ち着きすぎるデザインを必ずしも選ぶ必要はないそう。20、30代なりのかわいらしさ若々しさのある商品が喪服売り場には存在するそうなので、普段使いの黒い服よりワンランク上の落ち着いたおしゃれ着を選ぶ感覚で売り場に足を運んでみては? ただし、お悔やみには自己主張しすぎるファッションは不必要という点だけはご注意を。

その点では指先の派手なネイルにも注意が必要です。本来であればネイルオフするのが正式だそうですが、時間がなくて難しい場合は、レースや薄手素材の黒い喪専用の手袋をしましょう。靴やバッグについても、専用のものを用意しておくほうが安心です。

他にも、忘れがちなのがふくさとお数珠です。不祝儀を受付でお渡しする際に、バッグからそのままではマナー違反にあたるので、必ずふくさから出すことを忘れずに。通夜告別式が佛式の場合は、お数珠も必要です。また気温が高いシーズンは黒い扇子、ハンカチも重宝するそう。

社会人になると人間関係も広がるので、家族や親族以外の葬儀に参列する機会も増えるかもしれませんね。そういった会社や友人関係の葬儀の場合は、葬儀を取り仕切る宗教、故人との関係や故人の属しているコミュニティでどのような装いがふさわしいかが異なってきます。弔問前日までに会場やご家族に問い合わせするほうが安心だとか。

喪の装いはいつ必要になるかわかりません。突然のときに慌てないためにも、常識ある女子としてふさわしいものを用意しておきたいですね。

協力:東京ソワール ファッションディレクター 伊藤佳代子

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