子供の変な癖は「チック症(トゥレット症候群)」かも?症状・原因・対処法
まばたきが多い、首を振る、奇声を発するといった、子どものチック症について、原因と対処法をご紹介。チック障害(トゥレット症候群)の早期発見・早期治療に繋がるよう、予備知識を得ておきましょう。
こんにちは、 メンタルケア心理士の桜井 涼です。
「チック」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。
ですが、その詳しい内容まで知っている人は、少ないかもしれません。
親が、症状や対処法などを知っておくことで、子どもの状態を早期に理解できることに繋がればと思います。
幼児期から小学生に多く見られる症状で、次のような動きを頻繁にします。
体に症状が出る「動作性チック」と、声に出る「音声チック」の2種類があります。
- まばたき
- 首を振る
- 頬のぴくつき
- 飛び跳ねる
- 片足を引きずる
- 顔をしかめる
- 口をあける
- 「フンフン」と鼻をならす
- 「あ」「う」など突然声が出る
- せきばらい
- 奇声を発する
- 相手の言った語尾を繰り返す
- 自分の言った言葉を繰り返す
- 汚言(バカ・くそばばあなど)を繰り返す
ここで挙げたことはほんの一例です。
こういった動きなどは、頻繁に起こりますから、家庭で見かけることが多いと思います。
ただ、「ふざけているのか?」と捉えられやすいものでもあります。
医学上、脳が未発達の状態で見られることから、神経の病気とされています。
また、近年になって重症のチックを発症する家系があることが分かってきました。
ですが、それだけではないように感じます。
対人関係・親子問題などにおける心理的な葛藤が生じたとき、その心の反応として体に表れている場合もあります。
遺伝子上の問題がない限り、心の状態に原因がみられることがあります。
子どもの心は、強く親の愛情を欲します。
ですので、両親が不仲であったり、親が過干渉であったりといった、家庭内に何か問題があると、子どもが感じ取って発症してしまう場合もあると考えられます。
こういったチック症などの場合、親や先生から注意や、叱られるなどのことが続くと、精神的なストレスで、より症状が悪化してしまうことがあります。
精神的なストレスとなっているものがなくなれば、症状は改善に向かいます。
そのためには、親が子どもに叱るのではなく、「話を聞く」ことが必要です。
つまり、子どもの存在を認めることが大切です。
チック症は、子どもが意識的にやろうと思って出ている症状ではありません。
チック症状を、むやみに止めさせようと考えず、そのままを受け入れてあげてください。
もし、叱ったり注意したりしすぎると、精神的にストレスが溜まり、不安感や気分の落ち込みなどといった二次障害を発生させることがあります。
「何かおかしい」と感じたら、早めにスクールカウンセラー・自治体の相談窓口(子育て支援課など)へ相談するか、病院で診察を受けることをお勧めします。
診断を受けることで、一番良いのは、親が安心することと、子どもにどう接すればいいのかが分かることです。
この2点があれば、二次障害を発生させることもなくなりますし、子どもが生活しやすくなります。
チック症は、心の叫びが体に出てしまっていることが多い病気です。
心と体は、切り離して考えられるものではありません。
子どもを抱きしめて愛情を示し、保護することを大切にしましょう。
チック症状が出たからといって、子どもの本質が変わるわけではありませんし、それに大きくなるにつれて治まってくることが多いです。
まずは、知識として持っておいていただければと思います。
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