イタリアに来たら絶対食べてほしい!ピサやフィレンツェの郷土菓子10選

ピサやフィレンツェ、シエナなどのトスカーナ州の代表的な郷土菓子をご紹介。イタリア旅行に来たらぜひその土地ならではのスイーツを食べてみてくださいね!

執筆者: とすかーな

トスカーナ州は海と山に囲まれた、美しい景観に加え、食材にも恵まれた地域です。

材料を色々と加えず、素材を生かした素朴なお菓子が有名です。

その地でしか食べれないものもあるので、イタリアに旅行に来たらぜひ探してみてくださいね!

 

パンフォルテ

 

直訳すると「強いパン」または「硬いパン」。保存のきくお菓子です。

 

フィレンツェの南にあるシエナの郷土菓子。

トスカーナ州全土で年中買えますが、主にクリスマス時期にたくさん売られます。

 

パンフォルテは、ハチミツ、砂糖、アーモンドやヘーゼルナッツ、フルーツの砂糖漬け、香辛料をくわえて丸く固めて焼いたお菓子です。一口でも濃厚な味わいです。

リッチャレッリ

 

こちらも、シエナが発祥のお菓子です。

アーモンドの粉を使った、卵白や砂糖が入った柔らかいお菓子です。チョコレート味もあります。

 

パスクア(イースター)の時期になると平和の象徴、ハトの形をしたものも登場します。

 

カヴァルッチ

 

シエナの郷土菓子。

馬(Cavallo)の蹄の形に似ていることで、この名前になったと一説では言われています。

 

クルミ、アーモンドなどのナッツ、アニスが入ったオレンジの香りのするお菓子です。

ビスコッティ・ディ・プラート (カントゥッチ)

 

カントゥッチとも呼ばれるビスコッティ・ディ・プラートは、フィレンツェの北西プラートの町で生まれました。


アーモンド入りの2度焼きする固焼きビスケットで、ヴィンサントと呼ばれる飴色の甘いデザートワインに浸してたべます。


今では、アーモンドだけでなく、チョコ、イチヂク、レーズン、ピスタチオ入りなど様々な種類があります。

 

トルタ・マントバーナ

 

同じくプラート発祥のケーキ。

レモンの皮や松の実の入った、シンプルで素朴なケーキです。

カスタニャッチョ

 

栗の産地で有名なトスカーナ州で生まれた栗の焼き菓子。

 

ルッカ近くのガルファニャーナの栗の粉、オルチャ渓谷やムジェッロ地方で取れる栗は大変有名です。

イタリアでは秋になると焼き栗に、日本ではボジョレー・ヌーヴォーでおなじみの、その年の新しいワイン、ノヴェッロとともに頂きます。


カスタニャッチョは新鮮な栗の粉に、松の実とローズマリー、上質なオリーブオイルを加えて焼いたもので、栗の自然の甘みを感じる秋のお菓子です。

 

ズッコット

 

フィレンツェが発祥の、ドーム型のセミフレッド(アイスとクリームの中間)のズッコット。

メディチ家の宴会用に作ったのが始まりと言われています。

 

オリジナルレシピは、内側にリコッタチーズと柑橘系のフルーツの皮やカカオをまぜたものを、外側はスポンジにアルケミスの赤いリキュールを染ませたもの。

 

現在は、チョコレート味やアイスバージョンなどドーム型のものを、ズッコットと呼ぶことが多いです。

 

コ・ビスケリ

 

海沿いの町ピサの郷土菓子のコ・ビスケリ。

レーズン、クルミなどのナッツ類、チョコレートとアルデンテの米、香辛料が入っています。

 

濃厚でしっかりした味ですがパンフォルテほどの重みはないので食べやすい。

 

ピサニーネ・ディ・サンラニエリ

 

ピサの町の聖人、聖ラニエリの名前がついた焼き菓子。

 

斜塔の近く、サン・ロッソーレ地区はオーガニック松の実の産地で、ピサの特産品である松の実を使ったサクッとした焼き菓子。

 

キンツィカ

ピサニーネに見た目のよく似た、2まわり小さいこんもり丸いお菓子のキンツィカ。

こちらは上に松の実がのっているのは同じですが、生地にアーモンドの粉が入っています。

 

スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ (2月)

名前の通り、フィレンツェで、2月のカーニバル・シーズンに登場します。

シンプルなスポンジ生地に、オレンジ風味、ケーキの上にはフィレンツェの紋章百合の花が砂糖で書かれています。

スキアッチャータ・ディ・パスクワ (3-4月)

 

移動式祝日のイースターの時期に販売される、ピサの伝統菓子。

貴族に献上するためではなく、地元の地域で作られていたのが広まったもので、素朴で甘すぎず、優しい味がします。

 

材料は、卵、バター、オリーブオイル、ハチミツ、砂糖、オレンジ、レモン、アニス酒、塩、リキュール。

イースターの時期、パン屋やお菓子屋さんの他にスーパーでも販売されます。

スキアッチャータ・コン・ウーヴァ (9-11月)

同じくフィレンツェのケーキで、秋に販売されます。

 

パン生地に秋に収穫される生の黒ブドウの粒をのせて焼き上げています。ブドウの汁を生地が吸ってしっとり。

ワインの産地トスカーナ州ならではのケーキです。種入り・種なしとあり、種ありは、種ごと一緒に食べます。

 

トルタ・ディ・モルティ (11月)

 

ピサの発祥の、ケーキに近いパン。

日本のお盆のような祝日「死者の日」のある、11月にお目見えします。

 

この名前のお菓子は、イタリア各地にそれぞれのレシピがありますが、ピサではカカオベースの生地に、アーモンドや干しブドウ、ハチミツ、シナモン、ヴィンサントを隠し味にいれたものです。

おわりに

イタリアも、各地域に郷土菓子があり、イタリア全土で、広く食べられるようになったもの、今でもその土地のみで食べられるものなど、地域性がお菓子にも強く出ています。


訪れる時期にもよるでしょうが、その時、その場所でしか食べられない郷土菓子を味わってみてください。

 
 コラムニスト情報
とすかーな
性別:女性  |   現在地:イタリア ピサ  |  

イタリア・ピサ在住。日本で勤務の頃から、イタリアに関わること15年余り。
現在は、フィレンツェの革メーカー、フランチェスコ・リオネッティ社で営業&販売員をしています。
また、イタリアの添乗員資格を取得し「トスカーナ・トリップ」を主宰。トスカーナ州の美味しい&おもしろいもの、穴場をご案内しています。 
希少牛・トリュフ・さくらんぼ・魚介の産地、温泉・海など水の町でもあるピサの穴場情報や、元コックの姑の料理などイタリアの日常をブログに書いています。
ブログ「それでもイタリアなワケ New! in トスカーナ」ː http://ameblo.jp/soredemoitalianawake/
HP「トスカーナ・トリップ」ː http://www.toscana-trip.com/