オーストリアでは何語が話されてるの?ウィーン旅行で使えるフレーズ集
ドイツのドイツ語と異なる特徴を持つウィーン人のドイツ語。ローカルルールを覚えて、ウィーン旅行に行ったら現地人と話してみましょう!
首都である音楽の都ウィーンのほうが有名なオーストリアですが、何語が話されているかご存じですか?
もちろんカンガルーのいる”オーストラリア”とは、別物ですよ。
”サウンド・オブ・ミュージックの国”と聞くと、「アルプスの小国」のイメージが浮かびますね。
そう、ドイツやスイスの近くですので、オーストリアの公用語はドイツ語です。
また、英語を第二外国語として話せる人の割合は、ヨーロッパでは北欧の次に高く、英語さえ話せれば全く問題なく生活、滞在ができます。
オーストリアのドイツ語はドイツのドイツ語とはかなり異なり、ウィーン弁などは方言の法則性を知らないと、ドイツ語を話せる人でも理解するのには苦労します。
一般的には、北ドイツのドイツ語に比べ、オーストリアのドイツ語は柔らかく、高低があって音楽的と言われています。日本語で言うと関西弁の音調に似ている印象です。
実際にドイツのドイツ語とオーストリアのドイツ語の単語や挨拶等の日常フレーズは、標準語と関西弁の差よりずっと大きく、発音を聞いただけでその人がオーストリア人かスイス人かドイツ人かはすぐに分かります。
挨拶ですら、日本のドイツ語講座で習うフレーズとは全く違うことがありますので、ぜひオーストリアのローカルルールに慣れてくださいね。
まずは、「ください」と「ありがとう」から。
ドイツのドイツ語と同じく、「ください」は”Bitte:ビッテ”、「ありがとう」は”Danke:ダンケ”です。
それぞれ”schoen:シェーン”を付けてると丁寧になりますので、”ビッテ・シェーン”、”ダンケ・シェーン”と言うと、「お願いします」「ありがとうございます」といったニュアンスになります。
また、「どういたしまして」も同じ”Bitte”ですので、「ありがとうございます」「どういたしまして」の会話も、”ダンケ・シェーン”、”ビッテ・シェーン”、となります。
レストランで食事をして、お勘定を頼む時は”ツァーレン・ビッテ”といいます。
これはオーストリア特有の挨拶の言葉です。お店に入った時や、ホテルのフロント等、どこでも使える便利なフレーズです。
ドイツのドイツ語では、「こんにちは」は”Guten Tag:グーテンターク”と習いますが、オーストリアでは一部を除いて多くの人が”Gruess Gott:グリュス・ゴット”を使います。
”グリュス・ゴット”は「神に挨拶を」といった意味なのですが、カトリックの国オーストリアではこちらが好んで使われます。
また、初対面ではしっかり相手の目を見て握手しながら言うと、非常にオーストリア的で喜ばれます。
”Servus”で「やあ!」という、これまたオーストリア独特の挨拶もありますが、これは親しい相手に使いますので、オーストリア人の友達がいないかぎり、旅行ではあまり使う機会はなさそうです。
少し長いですが、「さようなら」というよりは、「また次会う時まで」という意味で”Auf Wiedersehn:アウフ・ヴィーダーゼーン”が使われます。
ドイツのドイツ語では、、”Tschuss:チュース”を「さようなら」として誰に対してもよく使いますが、オーストリアでは、”Tschuss”は親しい者同士の間柄でのみ使用します。
お店の売り子さんなどには、少し長いですが、しっかり”アウフ・ヴィーダーセーン”と言いましょう。
舌を噛みそうですが、現地人が言っても”チュルディグン”のように聞こえます。
もう少しちゃんとした「ごめんなさい」は”Es tut mir Leid:エス・トゥット・ミア・ライト”と言います。
「乾杯!」はビールやワインが美味しいオーストリアでは必須の言葉ですね。
この言葉さえ知っていれば、アルコールを通してワインバーやビアホールでいろんな人と仲良くなれちゃいます。ある意味、挨拶より重要な言葉です。
オーストリア人と乾杯する時は、
・相手の目を見る
・グラスを持つ手がクロスしないように
といくつかローカルルールがあります。
これをやらないと、7年間祟られるそうですから、ぜひ現地の人に教えてもらって、オーストリア式の正しい乾杯術を身につけてみてください。
ちなみに、「ビール」は”Bier:ビア”、「ワイン」は”Wein:ヴァイン”、「コーヒー」は”Kaffee:カフェー”(フェーにアクセント)、「お茶」は”Tee:テー”です。
どれも日本語に似ていて覚えやすいですね。
オーストリア人は概ね、旅行者には親切で、英語もどこでも通じます。
旅をしていて言語で困ることはあまりないでしょう。
しかし、ウィーン人は、ハプスブルク帝国の首都としての矜持を今でも持っていて、古風なところがあります。また、小国ながら「ドイツとは違うんだ」という意識もあります。
そんな国民性を思い出して、あえてオーストリアのドイツ語でグリュス・ゴットと挨拶してみたら、きっとニヤッと笑って喜んでくれると思いますよ。
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国際機関勤務を経て、現在は二児の子育ての傍ら、ウィーン大学博士課程に在籍中。ライター業、翻訳レビュー、ネットショップ、写真撮影など、活動は多岐にわたる。ウィーン在住10年以上。
ブログ「舞台はウィーン!」http://wienok.blog119.fc2.comにて、ウィーンのミュージカル情報を発信中。
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