「自称敏感肌」が急増中!敏感肌の種類と原因

「自称敏感肌」が急増中!敏感肌の種類と原因

スキンケアカウンセラー 松原 好克

自分の肌質を敏感肌と勘違いしている、自称敏感肌さんへ。敏感肌にも種類と原因があるのです。間違ったスキンケアや対処法で肌荒れが悪化することも…。

はじめに

こんにちは、スキンケアカウンセラーの松原好克と申します。

皆さん、敏感肌(別名「センシティブスキン」)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
実は、これほど曖昧であやふやな美容用語はありません。

このコラムでは、敏感肌についての正しい知識をお伝え致します。

 

敏感肌とは

体内外の何らかの要因がアクセルとなり、少しの刺激で、皮膚が赤くなる、痒くなる、湿疹が出るなどのトラブルを起こしやすい不安定な肌を、呼称で「敏感肌」と言います。

敏感肌の定義

皮膚科学的には、敏感肌に対する統一された定義はありません。

アトピーや頻繁にアレルギーを起こしやすい皮膚を真の敏感肌と位置づける専門家もおられますし、ちょっとした一時的な肌の変調も敏感肌である、という風潮もあります。

つまり、敏感肌は、世の中に出回っている情報を元に、ご自身の主観的裁量で判断されるため、その対処法に確立されたものはないということです。

敏感肌のタイプにはどんなものがある?

分かり易く、”天気予報の言い回し”で解説致します。

 

健康肌時々敏感肌

基本的には健康肌ですが、生理・妊娠による女性ホルモンの影響、水分保持力が低下して乾燥しやすくなる冬場など、身体機能の変化によって敏感に傾きます。

 

健康肌一時敏感肌

基本的には健康肌ですが、睡眠不足・疲労蓄積・ストレス増加など、不規則な生活習慣によって敏感に傾きます。

 

健康肌のち敏感肌

このタイプは、2種類に分けられます。

 

◆TYPE1

元々は健康肌であるが、ご自身の肌に合わない化粧品の使用、過度なクレンジングや洗顔など、負担が掛かるスキンケアにより、外的刺激から肌を守るバリア機能が低下して敏感に傾きます。

 

◆TYPE2
元々は健康肌であるが、脂漏性皮膚炎(※)の発症や慢性化した肌荒れなどが影響して敏感に傾きます。

近年は、このタイプが増えていると言われています。

 

(※) 脂漏性皮膚炎とは、小鼻周りの赤みから始まり、ひどくなると頬や額に広がって、その後、カサつきや痒みが現れる皮膚疾患で、原因は医学的にも明確になっていないようです。

 

乾燥肌のち敏感肌

元々、皮膚の水分を保つセラミドが少なく乾燥しやすいため、加齢と共に徐々にバイタリティーが低下して敏感に傾きます。

 

敏感肌

金属・ダニ・埃・花粉などにアレルギーを起こし易いアトピー持ちなど、生まれつき敏感な肌を指します。


ご自身がどのタイプの敏感肌か判断できない場合は、皮膚科クリニックでの診断を仰ぎましょう。

敏感肌の黒幕は皮脂?

とある調査によりますと、敏感肌の特徴の1つである「赤み」がある人は、皮脂の分泌量が平均値よりやや多いという発表があります。
欧米人に見られる赤ら顔、脂漏性皮膚炎やそれが引き起こす毛細血管拡張などによる赤みの一因が、皮脂の過剰分泌にあるのかもしれませんね。

さらには、肌の色が赤みや黒みを伴っている人は、血流量が多く、炎症が生じていることが示唆されているため、日々のスキンケアで刺激を与える動作(叩く・擦る)を控えることが大切であると述べています。

<参考文献>
飯田年似,麦倉 茂,世喜利彦,藤原一彦,柴田道男,松元有羽子,天野 聡(2013年).敏感肌特有の色に関連する肌悩みの実態
日本香粧品学会誌,Vol.37,No.4,pp.263-267

貧血は敏感肌になりやすい

あまり知られていませんが、貧血は肌が乾燥しやすく、常態化すると敏感肌へと進行することがあります。
特に、無理な食事制限によるダイエット、女性ホルモンが乱れ易い生理・妊娠・出産・授乳など、血液が不足しやすい時期は警戒が必要です。

レバー・あさり・しじみ・納豆・ほうれん草・ひじきなどの、鉄分が豊富な食品を意識して摂取しましょう。

ニキビは敏感肌ではない!

ニキビが出来やすい肌を敏感肌だと思い込んでいる人がおられますが、ニキビと敏感肌は全く別物です。

ニキビが悪化すると赤みや痒みを伴うことがあるので、敏感肌向けの化粧品を使う人がおられますが、症状の原因が敏感肌によるものではないため、逆に肌状態が悪化することもあります。

「プライベート敏感肌」が急増中のワケ

実際は敏感肌ではないのに、僅かな赤み・些細なカサつき・微々たる痒みなどが現れただけでも「私は敏感肌だ」と勘違いする「プライベート敏感肌」が増えています。

 

「自称敏感肌」とも呼ばれています。

 

あまりナーバスに考えないこと

人一倍スキンケアに気を遣っていても、肌の調子が乱れることは誰にでもあります。

限りなく敏感肌に近い人というのは、実はそれほど多くはないと思われるため、あまりナーバスにならないことが大切です。

 

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