日本茶=煎茶?日本茶の種類・産地・味の特徴8種(入門編) (1/2)

緑茶、煎茶、玉露、ほうじ茶…日本茶の種類や味の特徴とは?和菓子以外におすすめの、お茶に合う美味しいお菓子と食べ物も紹介。

執筆者: 柳澤ゆり子 職業:日本茶サロン主宰/日本茶アドバイザー/煎茶道師範
日本茶の基本(入門編)

こんにちは、「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」主宰・日本茶アドバイザーの柳澤櫻園です。

 

田んぼには水が引かれ、カエルの声が日々賑やかになり、山々の緑が目に鮮やかな季節となりました。

この時期には、待ちに待った新茶が出回って参ります。

 


今回は、知っているようで意外と知らない日本茶の基本の「き」をご紹介します。

基本を知って、新茶の季節を楽しみましょう。

「八十八夜」と「新茶」の関係

八十八夜を過ぎ、新茶が出回る季節となりました。

 

八十八夜とは?

「夏も近づく八十八夜~♪」という、日本の唱歌「茶摘み」の歌い出しでも有名な八十八夜とは、立春から数えて八十八日目で、田植えの始まる時期でもあります。

 

この5月頭(GW)頃に、日本では全国的に茶摘みシーズンが始まります。

 

この時期に摘まれた新茶は、美味しくて栄養もたっぷり!

この時期に茶摘みされたやわらかな茶葉で作られるのが「新茶」もしくは「一番茶」と呼ばれるもので、冬の間にたっぷり蓄えた栄養素のおかげで色も香りも良く、味も大変甘く美味しいものとなります。

 

新茶を飲むと「長生きする」「健康に過ごせる」と言われるのは、この様に秋から春にかけて貯金されていたビタミンC等の栄養がたっぷり含まれているからなのです。

 

 

旬の香りを運ぶ「新茶前線」の北上にも注目!
新茶前線は、「種子島」や「屋久島」からスタート

南北に長い日本列島においては、桜前線と同じ様に、新茶の芽吹く前線が北上して行く「新茶前線」があります。

南の島、種子島や屋久島を皮切りに、新茶を摘みとる茶摘みシーズンも南から徐々に北上して参ります。

 

その年によりますが、例年なら種子島では3月中旬~下旬には一番茶の茶摘みが始まります。

ですから、4月に入るとお茶屋さんにも並び始めますので、一足お先に新茶を楽しむ事ができます。

 

一般的に新茶が出回るのは「5月」

とはいえ、一般的に新茶が出回るのは5月に入ってからです。

今年は、新茶の季節を意識して、色々な産地の新茶を飲んでみてはいかがでしょうか。

 

 

日本茶の主な産地

日本全国ほとんどの土地で茶の栽培は行われていますが、茶の樹は寒さに弱い為、北東北が北限なのだとか。

皆さんが普段飲まれている緑茶は、どちらの産地のものですか?

 

ブレンドされて販売される茶も多いのですが、その中でも有名な産地をいくつかご紹介しますね。

宇治

お茶と言えば宇治を思い浮かべる方も多いはず。

お茶の栽培が最も最初に始まった場所で、高級玉露で有名です。

 

静岡

生産量日本一で、煎茶を中心に玉露も生産されています。

 

伊勢

静岡・鹿児島につぐ生産量で、かぶせ茶では日本一です。

 

八女

玉露・煎茶共に味が濃く、甘味が強いのが特徴と言われています。

 

鹿児島(種子島含む)

静岡に次ぐ二番目の生産量で、渋味の強い地味深さが特徴と言われています。

 

 

日本茶の主な種類

「日本茶=煎茶」と思う方も多いと思いますが、実は製法の違いによって抹茶・玉露・焙じ茶などといった、様々な名前がつけられているのです。

 

その様々な名前のついたお茶の総称が「日本茶」であり、「日本茶」とは「日本で作られた茶」の事になりますので、厳密には、中国の茶葉で作られた緑茶は日本茶ではない、という考え方です。

 

 

厳密には「日本茶=煎茶」ではないけれど…

また、お茶の中には、紅茶に代表される発酵茶、烏龍茶に代表される中発酵茶、緑茶にあたる不発酵茶、とがあります。

ですが、日本で作られているお茶の大部分が緑茶であり、茶葉を摘み取った後に発酵を止める目的で加熱する(蒸す)不発酵茶です。

よって、緑茶の代表が煎茶ですから、「日本茶=煎茶」という考え方は、間違ってはいないという事になりますね。


あまり細かいお話をすると楽しくないので、入門編の今回はここまでにしておき、主なものをまとめてご紹介します。

抹茶

茶道で使われる茶。

茶摘み前の二週間以上の間、葦簾(よしず)などで日陰を作って栽培した茶樹の新芽のみを使用して作られる「碾茶(てんちゃ)」を石臼で粉末にしたものです。

 

玉露

茶摘み前の二週間以上日光を遮る事で、渋味が少なく甘い茶ができます。

又、青のりの様な独特の香り成分が醸成されるのが特徴です。

 

かぶせ茶

茶摘み前の一週間程度遮光した茶葉で作られます。

玉露と煎茶の中間的な存在です。

 

普通蒸し煎茶

現在日本で飲まれる緑茶の大部分はこちらです。

 

深蒸し煎茶

普通蒸し煎茶より蒸し時間を長くとる事で細かな茶片が増える為、水色が緑色になるのが特徴で、関東地区で人気があります。

 

ほうじ茶

番茶(二番茶以降の茶葉や茎など)等を炒って作られます。

 

紅茶

日本国内でも国産茶葉を使った紅茶が、生産量は少ないながら作られています

 

その他

玄米茶、茎茶、芽茶など

 
 コラムニスト情報
柳澤ゆり子
職業:日本茶サロン主宰/日本茶アドバイザー/煎茶道師範

自宅サロンにて「季節の和菓子と楽しむ日本茶サロン」及び「風呂敷塾」主宰。
身近な日本茶や和菓子・風呂敷から、四季のある日本で暮らす幸せを再認識して頂けたら♡と思い「美味しく楽しく美しく♪」をモットーに活動中。

煎茶道師範としても(まだまだ駆け出しではありますが)お稽古をさせて頂いております。ふろしき研究会所属。

ブログ:柳澤櫻園の『和の茶論(サロン)』かまくら http://wanosalon7.exblog.jp

 

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