家族の看病で仕事を辞める社員続出!介護離職を防ぐ「介護支援取組助成金」制度とは

仕事と介護の両立は無理?社員の家族介護に取り組む企業を応援する「介護支援取組助成金」を紹介。介護で仕事を退職する「介護離職」を防げ!

執筆者: HRプラス社会保険労務士法人
介護支援取組助成金について

こんにちは。さとう社会保険労務士事務所の堀です。

 

今回取り上げるのは、「介護支援取組助成金」制度です。

以前に、平成28年度の両立支援等助成金案内のコラムをアップした際にも、本助成金があることはお伝えしましたが、この度は具体的な内容をご紹介します。

 

 

どんな助成金?

介護支援取組助成金は、労働者のために仕事と介護の両立に関する取組を行った事業主に対して支給されます。

 

職業生活と家庭生活の両立支援に対する事業主の取組を促し、もってその労働者の雇用の安定に資することを目的として、H28年度から新たに創設されました。

いくらもらえるの?
1事業主当たり「60万円」

支給額は、1事業主当たり「60万円」となります。

なお、上記の金額は、1事業主について1回に限りの支給となります。

 

注意!複数の事業所で取り組んでも、1回限りの支給

注意点としては、事業主単位で支給するものであり、事業所単位では支給されません。

雇用保険の適用事業所がいくつか成立していても、事業主単位のため、1回限りの支給になります。

助成を受けるための条件(支給要件)

事業主が助成を受けるためには、やることが多いですが、次の1~3まで、すべて行う必要があります。

1.仕事と介護の両立に関する取組を行っていること。

(1)労働者の仕事と介護の両立に関する実態把握

労働者の仕事と介護の両立に関する実態把握は、平成27年4月1日以後に、厚生労働省が指定する所定の調査票に基づいて、その雇用する雇用保険被保険者に対するアンケート調査により実施するものであること。

 

その際、調査対象は原則として、その雇用する雇用保険被保険者全員とする。

ただし、常時雇用する雇用保険被保険者の数が100人以上の事業主については、少なくとも100人以上の雇用保険被保険者を調査対象とすること。


また、当該アンケートについては、回収率が3割以上または回収数が100以上であること。
なお、アンケート実施後は、当該アンケート結果を集計し、「介護支援取組助成金 アンケート調査結果報告書」(【介】様式第2号)によりとりまとめること。

(2)介護に直面する前の労働者への支援
介護に直面する前の労働者への支援は、平成28年4月1日以後に、以下のいずれも実施しなければなりません。

 

  • a. 厚生労働省が指定する資料に基づく、人事労務担当者等による研修の実施

研修実施後は、当該研修結果について、「介護支援取組助成金 研修実施結果書」(【介】様式第3号)に記録すること。

  • b. 厚生労働省が指定する資料に基づいた周知


(3)介護に直面した労働者への支援
介護に直面した労働者への支援は、仕事と介護の両立に関する相談窓口の設置及び周知をいいます。

なお、周知については、平成28年4月1日以後に、上記2)のbにおける資料において実施する必要があります。

 

また、相談窓口については、必ずしも全ての事業所に設置されている必要はありませんが、全ての事業所の労働者が相談できる体制となっている必要があります。

2. 介護休業の制度および所定労働時間の短縮等の措置について、労働協約又は就業規則に規定していること。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(以下「育児・介護休業法」という。)第2条第2号に規定する介護休業の制度及び同法第23条第3項に規定する所定労働時間の短縮等の措置について、労働協約又は就業規則に規定していること。

 

3. 「両立支援のひろば」のサイトに、取り組みを登録していること。

仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進のためのシンボルマーク(愛称「トモニン」)の作成の趣旨に基づき、仕事と家庭の両立支援についての取組を紹介するサイトである「両立支援のひろば」に介護休業関係の両立支援の取組を登録していること。

 

支給申請のやり方
申請期限と提出先

上で記載しました、支給要件1の1)~3)における全ての取組を完了した日の翌日から2か月以内に、「両立支援等助成金(介護支援取組助成金)支給申請書」(【介】様式第1号)に次のすべての書類の写し及び支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)を添付の上、申請事業主の人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所(以下「本社等」という。)の管轄労働局長に提出します。

 

なお、支給申請は、支給対象労働者が生じた事業所にかかわらず、本社等が行うものとしております。

添付書類

● 労働協約又は就業規則及び関連する労使協定

育児・介護休業法第2条第2号に規定する介護休業の制度及び同法第23条第3項に規定する所定労働時間の短縮等の措置を規定していることが確認できる部分(なお、育児・介護休業法第2条第2号に規定する介護休業以外の介護休業の制度を規定している場合は当該部分も含む。)

● 仕事と介護の両立に関する取組内容を証明する書類及び取組を行った日付が分かる書類

  • (イ) 支給要件1の(1)における実態把握に使用したアンケート調査票及び「介護支援取組助成金 アンケート調査結果報告書」(【介】様式第2号)
  • (ロ) 支給要件1の(2)のaにおける研修に使用した資料及び「介護支援取組助成金 研修実施結果書」(【介】様式第3号)
  • (ハ) 支給要件1の(2)のb及び(3)における周知に使用した資料及び周知を行った日付が分かる書類

 

おわりに

介護は、社員のほぼ全員が定年までに直面する課題であると言えます。

介護離職が近年多くなっているため、厚労省も、本助成金を創設し、企業として、介護離職の問題を考えるように指導しているとも取れます。

 

実際に介護に直面した社員は、ひとりで抱え込まずに、人事部・専門家に相談することが重要です。

仕事と介護の両立は大変ですが、仕事を辞めて介護に専念するとさらに大変だからです。

介護について相談できる窓口が会社にあれば、社員も安心して働くことができるでしょう。

 

育児休業の分野においては、法定を上回る規程を整備されている企業も拝見しますが、介護については、法定通りの規程にしているところが多いと思います。

今一度、介護の問題を抱える社員の労務管理について考える機会となればと思います。

 
 コラムニスト情報
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