漢方でアンチエイジング!若返り、長生きする秘訣は「腎」にあり。

「アンチエイジング(抗老化)の薬」と言われる漢方薬は、「腎」を補う薬と書いて「補腎薬(ほじんやく)」と呼ばれます。東洋医学からみた、若返り、長生きするコツとは?

執筆者: 田伏 将樹 職業:薬剤師(漢方薬・生薬認定薬剤師)
漢方でアンチエイジング!

こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。

人が、長生きしたい、老いたくないと思う気持ちは、今も昔も変わりませんね。

 

アンチエイジングの薬 = 補腎薬

 

漢方にも、「アンチエイジング(抗老化)の薬」と言われているものがあるのをご存知でしょうか?

 

いくつかあるのですが、一般の薬局でも売られているものでいえば、例えば「六味丸(ろくみがん)」や、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などです。


これらの漢方薬は、「腎」を補う薬と書いて「補腎薬(ほじんやく)」と呼ばれます。

 

「腎」とは
成長・発育・老化・生殖に関わるすべての機能をひっくるめた概念

漢方では、成長・発育・老化・生殖に関わるものは「腎」の働きとだと考えます。

 

西洋医学な「腎臓」の機能に加えて、成長ホルモン・性ホルモンなど、成長・発育・老化・生殖に関わるすべての機能をひっくるめた概念として、「腎」と表現します。

 

よって小児の発育不良、老化現象なども「腎」が重要になります。

 

成長や老化を、キャンプの焚火の炎に例えると

成長や老化を、キャンプの焚き火の炎に例えてみたいと思います。

最初に着火する薪は、両親からもらい受けたものです。
着火しても、まだ初めのうちは小さな炎かもしれません。

 

それが、親からのサポートを受けて、徐々に安定して燃え始めます。
その炎は勢いを増しますが、あるところでピークをすぎ、徐々に弱り始めます。

炎を消さず、燃え続けさせるためには、薪をくべ、空気を送り続ける必要があります。
追加できる燃料の量には限りがあるとして、すべての燃料が燃え尽きると、炎は消えてしまいます。


炎の大きさが、人の生き方だとすると、もし大きい炎で激しく燃え続けたら、燃え尽きるのが早くなります。
すごい偉業を達成したけども、早死にしてしまう人物がいますよね。

 

逆に、小さな炎で弱々しく燃え続けたら、燃える時間は長くなります。
ですが、人生に張り合いがないのかもしれません。

 

 

適度な大きさの炎を保ち、焚き火を長持ちさせるには

いずれにしても、焚き火の燃え方と同様に、生き方についても、ある程度の自己調整が可能です。
適度な大きさの炎を保ち、焚き火を長持ちさせる(=良い生き方をする)には、次の3点が必要ということになります。

 

  • 炎をよく見守る(=自分の健康状態を良く知る)
  • 良質の薪を適度な量でくべる(=栄養バランスの良い食事をする)
  • 澄んだ空気を送る(=精神面を安定させる)

 

さて、キャンプのプロにかかれば、焚き火の時、ほとんど手を加えなくても、絶えることなく炎を安定させることもできるそうです。


安定した長持ちする炎を作るためには、最初に集められた薪の種類や状態と、その薪がきちんと組まれているかどうかが重要です。

組まれた薪が崩れはじめてくるのが、30代なのか40代なのか50代なのか、つまりこの部分が「腎」に備わった生命力の差となります。

 

 

「腎」の衰えのペースを、穏やかにできるかどうかは、本人の心がけ次第

初めに両親からもらい受けた薪は、一人ひとり違いがあります。


遺伝的要素もあるので、本人の力ではどうしようもない部分もありますが、途中で加える薪(良い生活習慣)によってしっかりと「腎」の部分を補強しながら、「腎」の衰えのペースを、なるべく緩やかにしたいところです。

 

「補腎薬」は、年を取ってから使うもの?

「補腎薬」は、高齢者だけが使うものとは限りません。


いつもと同じように栄養も睡眠もとっているのに、なんとなく以前に比べて体の調子がもどらないと感じたら、「腎」を補うことも考えてみましょう。

 

おわりに

最初に挙げた「六味丸」や、「八味地黄丸」は症状に応じて使い分ける必要があります。

 

また胃腸が弱い人は、胃もたれを起こしたり、食欲不振を招いたりすることもあるので、購入時は専門家にご相談のうえ、服用してください。