キスには、ストレス緩和や免疫力の増加、カロリーを消費できるなどのメリットがあることを、以前お話ししました。
しかし、効果があるのはキスだけではありません。

キスと同じく、愛情表現の一つである「ハグ」にも健康効果があるのです。

アメリカのカーネギーメロン大学で、シェルド・コーエン教授らによって行われた研究に、非常に面白いものがあります。

この研究では、「ソーシャルサポート（周りの人から受けられる、コミュニケーションを伴ったサポート）を受けたときと受けていないときでは、『感染症へのかかりやすさ』にどんな違いがあるか」ということを調査しました。

そして、その「ソーシャルサポート」の一つの表し方として、「ハグ」が提示されました。

この結果として、「ハグなどに代表されるソーシャルサポートを受けていた人は、そうではない人に比べて、感染リスクが少ない」ということが分かったのです。

また、たとえ感染したとしてもその症状が軽くなるという研究結果も出ました。

これは非常に面白い研究結果として注目を集めています。

もともと「感染リスク」は、ストレスによって上昇すると考えられています。

特に、人間関係によるストレスは、感染リスクを高めるとされていました。

ハグという「親愛の情を示す行動」によって感染リスクが下がったことを考えると、ハグはストレス解消にも良い影響を与えていると考えることができます。

非常に重いストレスを抱えている人であっても、ハグによってそれが軽減されることも分かっています。

また、「自覚」も大切です。
「自分は周りからの支援を受けている」と認識している人は、たとえ感染してしまっても、あまり悪化することはありませんでした。

「ハグが健康に良い」と言われても、「1日にどれくらいのハグをすればよいのかわからない」という人もいるかもしれません。

目安としては、「1日1回」という数字が挙げられています。

1日1回のハグであっても、十分に親愛の情を伝えることはできるし、「私はあなたをささえている」「私は人に支えられている」という実感を得ることができるそうです。

キスもハグも、行うことにはデメリットがありません。
ちょっと照れくさく感じる人もいるかもしれませんが、お互いの健康のためにも、意識して生活習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。