大豆と黒豆の薬膳的効能を解説。豆の栄養パワーが凄いことはよく知られていますが、東洋医学的にみても効果はあるのでしょうか?結果、黒豆をお正月に食べるのは非常に理にかなっていることが判明!

大豆と黒豆の薬膳的効能

こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。

今回は、大豆と黒豆の薬膳的効能をご紹介します。

 

大豆も黒豆もマメ科ダイズ属で、黒豆もダイズの一種ですが、薬膳的な効果を見ますと、それぞれ異なる特徴を持っています。

 

 

五行説でみる、「色」と「臓腑」の関係について

東洋医学的な治療では、五行説(ごぎょうせつ)という哲学的な概念を用いることがあります。


これは、自然界に「木・火・土・金・水」の5つの物質があるように、臓器、季節、感情など色々なものを5つに分類して、それぞれが関連し合っているという考えです。

  • 五臓(肝・心・脾・肺・腎)
  • 五味(酸・苦・甘・辛・鹹)
  • 五志(怒・喜・思・悲・恐)
  • 五季(春・夏・土用・秋・冬)
  • 五色(青・赤・黄・白・黒)


同じ列にあるものは関係し合っていると考えます。

例えば、「肝の弱ったときは酸味のある薬がいい」、「思い悩むと脾(胃腸)が弱る」、「秋は肺を痛めやすい」などという感じです。


科学的根拠のあるものではありません。

長い経験の上で、そのような傾向にあることが多いというものです。

 

関連する色を持った食材で、その臓器が治療できると考える

この五行説では、色と臓腑の関連性も含まれます。
関連する色を持った食材で、その臓器が治療できるのではないかという考えです。

 

大豆・黒豆の場合は、こう説明できる

黄色は脾(胃腸)、黒色は腎に対応していますので、例えば、黄色い大豆は脾(胃腸)に、黒い黒豆は腎に対しての作用を持っていると説明することができます。

 

栄養学的にみた、大豆と黒豆の成分・効果

大豆と黒豆は、栄養学的にはコレステロール値の低下作用や、動脈硬化の予防の効果が期待されます。


またFe(鉄)、Ca(カルシウム)、P(リン)、が含まれるので、貧血や骨粗しょう症の予防にも良い食材です。
大豆イソフラボンには女性ホルモン様の働きがあることも知られています。

 

大豆の薬膳的な効果とは?
大豆は、黄色⇒脾(胃腸)

 

 

胃腸に効果あり

胃腸の機能を助けて、膨満感や胃もたれ感を和らげる効果があります。

また腸内環境も整えます。

 

成分的にも、これはオリゴ糖と食物繊維が含まれているためだと考えられます。

 

黒豆の薬膳的な効果とは?
黒豆は、黒色⇒腎

 

 

むくみ解消

利尿作用があり、むくみを解消します。

 

おせち料理に欠かせない黒豆は、一年マメ(まじめ)に働き、マメ(健康)に暮らせるようにとの願いを込められています。

しかし、縁起がいいというだけではなくて、お酒を飲んだり、食べ過ぎたりしたときの、むくみを解消するという点でも、お正月に黒豆を食べるのは良いことです。

 

アンチエイジング効果

また、東洋医学の「腎」は、成長~老化、生命活動の根源という意味合いもあり、黒い色にはアンチエイジングの効果を期待することがあります。

 

黒豆の黒い色は、アントシアニンという色素成分が含まれていることによります。
アントシアニンは、抗酸化物質として知られているポリフェノールの一種で、免疫力を高めたり、老化予防の効果が期待されていますが、特にアントシアニンは老化による視力低下を抑える効果があると言われています。

 

疲労や肌荒れにも

ビタミンB1やビタミンEも含まれるので、疲労や肌荒れにも良い食材です。

 

良い食べ方、悪い食べ方
煮汁も一緒に食べるのが◎

大豆の消化吸収を良くするには、軟らかくなるまで茹でてから食べるのが良いのですが、カリウムのように煮ると溶け出てしまう成分もありますので、煮汁も一緒に食した方が栄養的には効果があります。

 

一度に食べ過ぎるのはNG!

なお、一度にたくさん食べ過ぎてはいけません。

逆に胃腸の負担になったり、砂糖を入れて煮た黒豆では血糖値が上がったりするかもしれませんので、ご注意ください。

 

おわりに

年末年始は、つい食べ過ぎて、胃もたれやむくみを起こしやすい時期です。

大豆・黒豆を美味しく食べて、健康にも役に立ててみてください。

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