[ビジネスの弔事マナー] 取引先に不幸があった場合の対応は?お悔やみメールはOK?

会社の取引先など、ビジネス関係者に不幸があった場合の弔事マナーを解説。「お葬式での声掛け・あいさつは?」「メールで弔意を伝えてもいい?」「家族葬や密葬だったら…」といった疑問にお答えします。

執筆者: 中山寒稀 職業:お葬式、終活ガイド
不幸があった相手への声掛け(ビジネス編)

大人として最も常識を問われる場である冠婚葬祭。

特に取引先など、ビジネスに関係した相手であれば、なおさらどう対応すべきか悩んでしまいます。


ビジネス関係者に不幸があった場合のポイントは、「気を遣わせないこと」「失礼がないこと」、この2つだと考えましょう。

 

 

必要なのは「決まり文句」です

ビジネスの相手の場合、気が利いたことを言う必要はありません。

 

身近な方を亡くした相手の心は、非常に敏感になっています。

ですが、よほど親しい関係ではない限り、家庭の事情は分かりません。

気を聞かせて言ったつもりが、相手を傷つけたり、無神経に響いてしまうこともあるのです。

そのため、「決まり文句」で弔意を示すことが、最も無難になります。

 

「ご愁傷様です」は危険かも

ただし、決まり文句の代表である「ご愁傷様です」には、「嫌味な言葉」という印象を持つ方も少なくありません。

使う場面や言い方には、十分注意をしましょう。

また、先方にとっては、仕事に支障が出てしまうことが気になるところ。

次のような一言を添えると、安心できるものです。

 

  • 「何かあれば、遠慮なくおっしゃってくださいね」
  • 「ご無理をなさらないでください」

 

弔問のあいさつ

お通夜や葬儀告別式に弔問する際は、一般的な弔問のマナーと変わりません。
受付を済ませたら、通夜、葬儀告別式が始まるのを目立たない場所で待ちましょう。

 

よほど親しい間柄ではない限り、ビジネスの相手を捜し、挨拶をする必要はありません。
なぜなら、社葬でない限り、お葬式は相手にとってプライベートな場であり、遺族はいそがしいものです。
弔問に伺ったことを知ってほしい場合であっても、受付で記入する芳名帳を見れば、誰が弔問に来たかはわかるため、あえて声をかける必要はないのです。

もし、先方から声をかけて来たら、次のような挨拶をします。

 

「このたびは、ご愁傷様でございます。突然のことで驚いております。何か、出来ることがあれば、遠慮なくおっしゃってください」

 

メールで弔意を伝えてもいい?

状況にもよりますが、基本的には避けたほうがいいでしょう。
どうしても、メールは手軽な印象があるため、弔意を伝える手段としては、不向きだといえます。


ビジネスの相手に弔意を伝えたいのであれば、お通夜、葬儀告別式に弔問に伺うか、供花、弔電などを送るべきです。

 

訃報がメールで届いた場合は?

ただし、訃報がメールで届いた場合は、メールの送り主に限り、弔意をメールで伝えることは問題ありません。

むしろ、メールを開封して訃報を知ったことを知らせるために、送ったほうがいいでしょう。

 

もちろん、メールを返信するだけで済ませずに、改めて、弔問、供花、弔電などで弔意を伝えることは必要です。

家族葬や密葬だったら…

ご不幸があったことを知っていたものの、家族葬や密葬などで、訃報の詳細を教えてもらえなかった場合は、何もする必要はありません。

 

相手が仕事を再開してから、機会があれば「大変でしたね」「ご無理をなさらないでください」など、相手をいたわる言葉をかけましょう。

おわりに

ビジネスの関係者の場合、相手との距離感と礼儀をわきまえた上で、無難に対応することが必要だと心得ましょう。

 
 コラムニスト情報
中山寒稀
性別:女性  |   現在地:埼玉県  |   職業:お葬式、終活ガイド

ライター、ドクターズクラーク、ファイナンシャルプランナー(CFP)の中山寒稀(なかやまふゆき)です。
主に健康、終活について書いております。

製薬会社退職後、保険代理店を経験し、ライターに転身。

著書:『人が死ぬということ
   …必ず起こる!弔いの「想定外」悲喜劇』(主婦の友インフォス情報社)
ブログ:ひだまりすずめ 中山寒稀のブログ
    http://fuyuci7.exblog.jp/