「セントジョーンズワート」という言葉を耳にしたことがありますか？
今回は、ちらっと聞いただけだと人名のように聞こえるこの「セントジョーンズワート」について、効能と使い方をご紹介します。

 

セントジョーンズワートは、人名ではなく、植物の名前を指します。

「セイヨウオトギリソウ」という名前の植物の別称なのです。

 

 

セントジョーンズワートの歴史は古く、昔から様々なかたちで利用されてきました。

古代ギリシアの頃には、すでにこれを使った医療薬が開発されていたと言われています。

 

このセントジョーンズワートは、サプリメントとして飲まれることもありますし、ハーブティーとして飲用されることもあります。

 

セントジョーンズワートは、火傷などの治療に効果的だと言われています。

 

また、虫に刺されたときの治療薬として用いられてきたこともあります。

 

現在、「セントジョーンズワート」で検索すると、「うつ病にきく」というような情報を見ることが多いと思われます。

確かに、セントジョーンズワートがうつ病に効果を示すという研究はあります。

この研究によれば、セントジョーンズワートの服用によって、うつ病の治療薬であるイミプラミンと同じ程度の効能を得られたそうです。

うつ病の指針である数値で計算した場合、セントジョーンズワートを服用していた層は、50パーセント以上も良くなったという人もいるほどです。

このようなことから、このハーブは気分の改善に効果を示すのではないかと言われています。

ところが、それと同時に、実は「セントジョーンズワートはうつ病に対して効果がない」とする研究もあります。

 

加えて、セントジョーンズワートは一部のうつ病の薬と一緒に飲んだ場合、逆にうつ病を悪化させる可能性があるとも言われています。

 

他に、他の薬を服用している場合は、その効果を弱めてしまうケースも確認されています。

また、妊娠中や授乳中は絶対に飲んではいけません。

 

このように、軽々にセントジョーンズワートを服用するのは、極めて危険だと言えます。

特に、現在うつ病を患っている人の場合は、必ず医師に相談しましょう。

 

メーカーにより効果は様々ですが、例えばカルディにもセントジョーンズワートティーがあったので、編集部が試しに飲用してみました。

 

普通のハーブティーらしい味で、香りにもクセもなく飲みやすい。

そのうち、うとうととした眠気が訪れ始めました。

睡眠不足は精神にも良くありませんので、そういう意味では良いのかもしれません。

 

また、ドラッグストアで売られているサプリメントも飲んでみましたが、落ち込んだ気分にはやや効果を感じ（プラシーボ効果かもしれませんが…）、イライラ時に飲んだ時は効果を感じられませんでした。

お守りを持っている気持ちとしては良いのかなと思います。

 

 

私たち人間は、昔から様々な植物の力を借りて体を整えてきました。

ですが、効果の高い薬に副作用があるように、これらの植物のなかにも副作用を持っているものはあります。

また、セントジョーンズワートの有用性は、研究によっても変わるのは確かです。

いずれにせよ、摂取する際は、きちんと用法と容量を守ることが大切ですね。