お腹を温める食材、にんにく!冷えによる胃痛や初期風邪に…ニンニクの薬膳的効能4つ
にんにくの薬膳的効能を紹介。「滋養強壮」だけじゃなく、お腹が冷えた場合には特に効果的!他にもあるニンニクの優れた効能と、摂取する場合の注意点を学びましょう。非常にパワーがある食材なので、気をつけないとむしろ症状が悪化するケースも…。
こんにちは、国際中医薬膳師の茂呂麻子です。
みなさん、「にんにく」と聞くと、どんな効能を想像しますか?
きっと滋養強壮的な効能を想像する方が多いように思います。
ですが、実は薬膳的にはそれだけでなく、別の効能にも優れているとしてよく使われています。
まず一つは、みなさんもご存知の「身体を温める」効能です。
薬膳では、食材には「身体を温める」や「冷やす」といった性質があり、寒・涼・温・熱に加えて「平性」という5つの性質に分かれていると考えられています。
にんにくは、生のままだと「熱性」、火を通すと「温性」になり、身体を温める効能があります。
身体全体を温めてくれるだけでなく、特にお腹(胃)を温める効能に優れています。
ですので、冷たいものの食べすぎや飲みすぎで、冷えのため胃痛がするときなどには非常に有効です。
そんな時ににんにく入りのお料理を作ると、それはその胃痛の方向けの薬膳料理となり得ます。
また、にんにくは風邪の初期にも良いとされています。
ゾクゾクと悪寒を伴う風邪の初期ににんにくを少し入れた料理を出してみてください。
さらに意外な効能としては、咳止めの効能があるとされています。
このため悪寒があり、咳が出る風邪の初期の方にはニンニクが非常に合うことが分かります。
次のような効能にも優れています。
- 下痢を止めて、寄生虫を退治する
- 五臓の機能を活性化してくれる
以上のことから、養生のため、特に寒い時に少しずつ摂取したい食材であることが分ります。
身体を温める効能に非常に優れているにんにく。
だからこそ、摂り方には注意が必要です。
以下の条件に当てはまる場合は、にんにくの摂取を控えた方が無難です。
ゾクっと悪寒が強い風邪の初期には非常に良いのですが、熱が完全に上がって「これから熱を下げたい」という風邪や扁桃腺炎などの炎症があるときには、摂取するのを控えましょう。
また、更年期障害でほてりがひどい方にも向いてる食材とは言えません。
にんにくの生産地では、胃癌の発生率が低いという報告があり、胃癌の予防効果があるのではないかと言われています。
実際、生のにんにくを一日5gほど食べると、ガン誘発物質の合成を阻害するという報告もあります。
ただし、生のにんにくは刺激が強く、身体を強力に温める熱性の性質を持ちます。
効能がしっかりある食材だからこそ、摂り方には注意が必要です。
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こんにちは、国際中医薬膳師の茂呂です。
北京中医薬大学日本校にて本格的に薬膳の勉強をしてまいりました。
横浜を中心にスカイプを使って全国の方を対象に薬膳スクール「美カラダ」を主宰しております。
体は食べたものでできています。
冷えや生理痛、頭痛やだるさなどの体の悩みを改善する食材のご紹介や中医学を中心とした体の診方などの情報を書いていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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