スズメバチ7種、狂暴ランキング!襲われないための予防策と刺されてしまったときの対処法も
スズメバチに刺されないための対策、種類や生態・習性を紹介。温和な種であれば、巣を駆除しなくても大丈夫かも?林間学校や宿泊体験学習・ハイキング等、自然豊かな山に行く前に一読をお勧めします。
こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士の金子大輔です。
秋になると、毎年スズメバチに刺される事故がニュースになります。
日本では、熊よりもマムシよりも、スズメバチに襲われて死亡する人が多いのです。
今回は、日本で最も襲われる人が多い野生動物「スズメバチ」の狂暴ランキングと、刺されないための対策や、刺されてしまったときの対処などをご紹介します。
スズメバチは、アシナガバチの仲間です。
日本には、外来種や詳細が不明な種も含め、約16種が生息します。
スズメバチの女王蜂は、春になると冬眠から覚め、単独で巣を作り始めます。
やがて働き蜂が生まれて労働に加わると、巣はどんどん大きくなっていきます。
そして秋には最盛期を迎えて大家族となるのです。
巣のメンバー数は多いときには数千に達し、巣の大きさも直径1メートルにまで大きくなる場合もあります。
秋が深まると働き蜂は死んでしまい、新女王のみが越冬して新たな家庭を築く、ということが繰り返されていきます。
スズメバチというと、いつも怒り狂っているイメージがありますが、怒りっぽい種もいれば、温和な種もいます。
では、比較的メジャーな7種を、気が荒い順に並べてみましょう。
Wikipediaより引用「乗っ取ったキイロスズメバチの巣で営巣するチャイロスズメバチ」
- 4位 モンスズメバチ
- 5位 クロスズメバチ
- 6位 コガタスズメバチ
- 7位 ヒメスズメバチ
刺される被害が多いのは2位のキイロスズメバチです。
オオスズメバチは「ラスボス」のような存在で、キイロスズメバチの巣を襲って全滅させるほどの荒くれ者なのですが、自然の豊かな地域に多く、キイロスズメバチほど人間の生活空間とバッティングしないのです。
キイロスズメバチの巣!
一方で、温和なヒメスズメバチなどでは、駆除業者でさえも「駆除しなくてよいのではないか」というアドバイスをする場合もあるとか…。
現に、知人の郵便受けのすぐ上にコガタスズメバチが営巣したことがありますが、冬まで放置しても何も起こりませんでした。
※「コガタ」とは言っても、オオスズメバチよりは小さいというくらいのニュアンス。飛んでくると、スズメバチらしい迫力は十分です。
では、スズメバチに刺されないために、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか。
鍵となるのが、スズメバチは巣を守ることに命をかけている生き物だということ。
巣を脅かす存在でないことが伝われば、攻撃されない
ですから、「巣を脅かす存在」だとハチに認識されないことに尽きます。
具体的にはハチの出す「これ以上巣に近づくな」というサインに気づけるかどうかが運命の分かれ道と言えるでしょう。
反対に、巣から離れて単独行動しているときは、オオスズメバチであっても滅多に攻撃してきません。
では、もし巣に近づいてしまうと、スズメバチはどんなサインを出してくるのでしょうか?
数頭のハチが巣から飛び出し、顎で「カチカチ……」という音を出して威嚇してくるケースがメジャーです。
これをやられても、なるべく姿勢を低くし、かつ刺激しないように速やかにその場を離れればまず大丈夫でしょう。
気が荒い個体だと、体当たりしてきたり、取り囲むように飛ぶこともあります。
慣れないと相当怖いものですが、以下のような行動は絶対に取ってはいけません。
- 大声を上げる
- 手や物で払う
- 急な動作、派手なリアクション
これらをやってしまうと、いよいよ毒針を使った攻撃に入る可能性が高くなります。
「怖い」と思ったときほど、NGな行動をとってしまいがちなので、十分気を付けたいところです。
これもダメ!ハチを無駄に刺激する服装・ニオイ
なお、黒という色もハチを興奮させることがわかっています。
野外ではなるべく黒い服を避けましょう。
それから香水も極めて危険です。
ハチは嗅覚でもコミュニケーションを取るのですが、香水の匂いをぷんぷんさせているのは、ヒト社会で言えば罵詈雑言を吐きながら中指を立てるような行為に該当します。
巣から離れていても、威嚇なしで襲ってくるケースがあります。
何度も刺されないように、まずは逃げます。
そして、傷口を水で洗い流してつねるようにして毒を出し、虫刺され用の軟膏を塗ったうえで、医師の診断を受けるとよいでしょう。
さらに、嘔吐、発熱、蕁麻疹などの全身症状が現れたときは、ためらわずに救急車を呼ぶこと。
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地域によっては「スズメバチが営巣するとお金持ちになる」と言い伝えられ、民家に営巣すると大切に見守る風習も残っています。
怖いイメージばかりが持たれがちなスズメバチ。
生態を知れば、過剰に恐れることはありません。
熊や毒ヘビなどに対しても同様のことが言えましょう。
「人間が、動物や虫の棲み家にお邪魔しているのだ」という謙虚な姿勢が、トラブルを避ける秘訣なのかもしれませんね。
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生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。
著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』
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