インド冒険記~その1~ - Latte

インド冒険記~その1~

  • 旅行期間: 2014/11/10 ~ 2014/11/30
  • 作成日:2015/05/19 21:10
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冒険することを恐れ、退屈な旅を送っていました。
そんな日々に逆らうように、導かれた出会い。
突然インドの片田舎に泊まることになりました。

出会ったばかりの知らないインド人に紹介されて、ガヤという田舎へホームステイした
当時世界一周中のぼくのスリル溢れる冒険記です。

その1からその4まであります。

事の発端は、ぼくが右に曲がるか左に曲がるか、迷っていたときに、直感で右を選択してしまったことでした。

あの時、もし左を選んでいれば、この経験をすることなくこの街を去っていたことでしょう。






ある晴れの日の昼下がり、インドのコルカタという都市をぼくは歩いてました。

この日の前日にホステルで知り合った日本人の方は、もう朝早く出発してしまったので、ぼくは一緒にを散策をする相手もなく、何か刺激を求めて当てもなくぶらぶらしていました。


あれはバスターミナルのあたり。





人混みの中、鉛のある50代位の少し目のくすんだおじさんが日本語で話しかけてきました。


「どこからきたの?オーサカ?トーキョー?」


この出だしから彼と近くの木の上に座って会話しました。


たくさんのアジアの国を旅して、インドまで来た僕でしたが、今回初めて

それなりの日本語で話しかけられました。

いつもは無視するんですが、ここで無視しては何も起きないと思って、話をすることにしました。





そのおじさんは、日本語をいとこから教えてもらったそうです。



そのいとこは日本人の女性と結婚したそうで、すぐ近くに店を開いてるから来ないかと言われました。


恒例の客引きなのですが、あまり悪い印象の人でもなかったので、ぼくはついていってみることにしました。




5分ほど歩いた先の小さな薄暗いビルの一角に、そのお店がありました。


2階建ての狭い店内の中には、インドのアクセサリーや置物が立ち並んでいました。

値札をみると、数千円から数万円のものまであります。


インドの物価のことを考えると、どうやらここは観光客向けの高級土産物店のようです。


店長さんがぼくを迎えました。





「こんにちは。いまコルカタでなにしてるの? 色んな所回った?」


そう尋ねてきた店長さんは、50代くらいのすこぶる目力のあるおじさんです。





こう言えば皆さんお分かりになるでしょうが、(そう信じたいですが)ピッコロ大魔王の初期に顔が似ています。


細長い顔と堀の深い目は、彼の力強さと知性を感じさせます。









そのうち、彼の甥も2階から現れました。

まだ若い10代の甥っ子は、店にきた外国人と英語を話す練習をしたいがために、ここでアルバイトをしているらしいです。


その甥っ子と話してみると、すぐに頭のいいことが分かりました。

お店に来た外国人と会話しているだけなのに、ぼくよりも英語が上手です。


インドに来ると、とても驚かされますが、自己流で語学を習得している人が本当に多いです。学校で6年間英語を勉強しても、ろくに使えるようにならなかった

自分と比較して、本当に明晰な頭脳を持っているなと感嘆しました。



店長さんと話していると、彼は元旅人であることが分かりました。

まだ学生のころに海外をバックパッカーとして旅をしたらしいです。


そんな店長さんは、昔の自分が旅をした経験からぼくにアドバイスをしてくれました。


日本語で。




「都市を回ったって全然面白くないヨ

日本とそんな変わらないでしョ。せっかくインド来たんだから、もっと田舎へ言った方がいいヨ。

田舎は自然が綺麗でエアーポリューションもないし、人は優しいし。」





なるほど。

確かに。





有名な都市を回って、宿に普通に泊まっててもあまり自分のためにはならない。





それは一理あると思いました。




ぼくもヒッチハイクをした経験から、宿の予約をせずに先の分からぬまま、旅をしたほうが自分磨きにもなるし楽しいということは知っていました。





どうやら、ぼくはいつのまにか型にはまった旅をしていたらしいです。


心の奥で、冒険することを怖れていたようです。





彼は言いました。

「ぼくの友達がちょうど田舎に帰るみたいだから、よかったら紹介するヨ。


彼の家に泊まってみたらどう?


こういう風に人の紹介でどこか知らない所行くのが旅だヨ。」



店長さんの言葉はとても説得力があります。

いちいちぼくの深層心理を突いてきます。

ぼくの、冒険してみたいという心を見透かされていたんでしょうか。

それとも、これが長年のセールストークの技術なのでしょうか。


ぼくの心は、彼の言葉のメロディに乗せられて、だんだん弾んできました。





ぼくは実は、その翌日にガンジス川で有名なバラナシ行のチケットを予約していました。


そこで突然の田舎へのお誘い。




正直迷いました。



ですが、確かに自分の旅がつまらない旅になってきたのは事実。




ぼくはこの冗長な旅から脱出するため、「頼みます」と言いました。






彼はその友人に電話をしてくれました。


....なかなか繋がりません。

待てども待てどもなかなか繋がりません。







ですので、其の間ぼくはチャイをご馳走になったり

美味しいインドのお弁当を買ってきてもらったり、甥っ子と喋ったりと楽しい時を過ごしました。





そしてなんだか気分もよくなったし、ちょうど今度台湾で会う友人にお土産を一つ欲しかったので、お店にあるものを見せてもらいました。





そこから気に入った赤色のマフラーを4000円ほどで購入しました。




ぼくはぶらぶらと道端で散歩をしていただけなのですが、結局、購入に至ってしまいました。



この店は商売上手だなと思いました。


店長さんはぼくに買うことをあまり勧めたりはせず、ぼくをもてなしたり、楽しい話をしたりしただけです。





だけど、それでこちらの気分が良くなるものですから、結局購入してみようかという気になるのです。




買ったこちらも相手も上気分になれるというわけです。






そんなこんなしているうちに先ほどの電話が繋がりました。




なんと、今日出発するらしいです。


今日の夜。



ぼくは急いでホテルに戻り、チェックアウトをしに行くことに。


その際、付添い人として、甥っ子とその友達がついてきてくれました。



甥っ子はこの辺の地理に弱いため、友達がついてきてくれたのです。




その友達はいわゆる色男で、遊び人でした。


髪型や髭が綺麗に整えられていてされていてピアスをしていました。


それでいて、ぼくと同い年のようです。



ぼくに「彼女いるの?」

と尋ねてきました。


「いない。きみは?」


「5人いる。This is seeeecret.」




とぼくの耳元で色気たっぷりに囁きました。




いくらインドの人口が多くて、彼が色男だからといって、5人はないだろう。




さらに「ぼくの彼女を一人あげるよ」


とか「ぼくはチャイが好きだ。

女の子よりテイスティだからね。」


など、数々の遊び人らしい台詞を吐きました。




しかし、そんな彼をぼくは嫌いではない。

そういう輩は意外といい人物だとぼくは知っています。






トュクトュクでぼくの宿に着きました。

急いでパッキングをし、宿の主人にチェックアウトの手続きをしてもらいました。


宿の主人は少し訝しそうな表情でこう言いました。


「いったいどこに行くんですか?」





ぼくは

「現地人の田舎の家にいくことになりました。」

と答えました。


すると、

「でた!」



「えっ、でたって前にもあったんですか?」



「結構それ流行ってるんだよ。

日本人を田舎のほうにつれていって、無料で泊めてあげるんだよ。

だけど、なんか移動費とかを多めにとられる詐欺被害。


だけど、そんな大した金額は取られなくて、3000円とかその辺らしいから危険ではないよ。

田舎に泊まれるわけだし、宿泊費と思えばいいんじゃないかな。



だけど、それは間違いなく詐欺だとは自覚しといてね。」



なんということでしょう。

いつも話が長いので、聞き流している主人の話ですが、今回ばかりは最後まで聞いてしまいました。





ぼくはなかなか信じられません。

なぜならば土産物店の店長は話した感触では、悪い人とは感じられないからです。



ぼくの心に迷いが生じました。






しかし、ぼくはその田舎に行くことにしました。

この見えない不安が旅を良いものにするとぼくは知っているからです。



意を決して、チェックアウトを済ませました。



外に出ると、甥っ子と友達の二人が、「遅かったじゃないか。もう二人で帰ってしまおうかと相談してたところだよ。引き止められたのかい?」

と尋ねてきました。


ぼくは笑って、「そう。引き止められたんだよ。待たせて悪かったね。

行こう。」と言いました。



そして先ほどの土産物店に戻り、店長さんが紹介してくれた、田舎へ帰る友達に対面しました。




背の高い寡黙そうな50代の男性でした。


あまり詐欺をしそうには見えません。




果たして、この一件は本当に詐欺なのでしょうか。


半信半疑のまま、ぼくらは駅へ向かいました。



次回へ続く。








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