詩でつづるトルコ旅行 - Latte

詩でつづるトルコ旅行

  • 旅行期間: 2015/05/08 ~ 2015/05/17
  • 作成日:2015/05/31 11:18
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 トロイ遺跡、エフェス遺跡、パムッカレ、カッパドキア、イスタンブール、ほかをバスで周遊観光した折に訪問各地の光景をもとに詩につづった旅行詩です。

 詩の型式は14行ソネット、ロンド、16行詩、リメリック、混合自由形式などいろいろです。
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遠くても近い国トルコ


トルコの人々は思っていた以上に温かく親切だった

フロム・ジャポン?英語とトルコ語の発音の混じった質問に

笑顔を浮かべジャポンと応えれば

トルコの人も途端に笑顔を浮かべ

間の距離は一挙に縮まる


それには深い訳がある

日本人はあまり知らないが

トルコの人はみんな知っている

子供の頃から教科書や話で聞いて知っている

恩義を感じて忘れない

報恩の大切さを


日本人のわれわれももっと知っておこうこの理由

祖先のなした献身的な救助劇を

事故は明治1890年9月に和歌山県串本沖で起きた

来日していたトルコの軍艦エルトゥールル号が

帰国の途中

暴風に遭遇し難破した

多数の犠牲者を出した海難事故だった

その時地元の人々は

犠牲をいとわず捨て身の救出に努めた

69名が命を救われた

オスマーン朝トルコ政府は

深く深く感謝して恩義を忘れていなかった

という話。

この話はのちのち

トルコの学校の教科書中でも取上げられて

国民のだれにも伝えられて来たということだ

人々はだれもが

この話を知っており

日本人に対して

幼少時から非常に強い恩義・報恩の念を抱いている


それにもう一つ

1904年日露戦争で

小国日本が当時の大国ロシアに戦勝した

アジアの小国の戦勝は

後に建国の父ケマル・パシャに

大きな励みと勇気を与えた

建国の父は普遍的な独立心と愛国心の大切さを訴えて

国民にそれらの意識を植え付けた

国民もまた「父」の願いと教えを

良く聞き入れた

トルコ国民は

報恩の念を今でもけして失っていない

 

その証拠は

泊まったホテルのロビーには

エルトゥールル号事件が解説されていた

船の模型と共に

また

トルコだった

近年の大震災発生直後東北被災地救援派遣に

真っ先に応じた国の一つは

そしてもう一つ

ほとんどの日本人はこのことを知らないが

1985年のイラン・イラク戦争勃発直前のこと

戦火を避けるために集まっていた在留邦人の救出要請に

日本政府は

イラン・テヘラン空港への日本からの救援機派遣を断念した

対照的に

トルコ政府は戦闘開始直前のタイム・リミットの迫るなか

トルコ航空機をテヘランに飛ばし

200名以上の在留日本人を危機一髪

テヘラン空港から救出してくれた


120年も前の恩義をいまなお忘れない国

報恩の念に厚い国


トルコ人はこちらが日本人と分かると

本当に親切で温かい

イスタンブールだけのことではなかった

アイワルクでも

カッパドキアでも

どこでも

人々のあたりは温かくやわらかだった

とはいっても

笑顔やジェスチャーだけの交流だけでは物足りない

商売取引の挨拶言葉だけでも物足りない

まだまだお互いに

言葉を介した相互の理解は足りていない

もっともっと理解に努めよう

親善友好を深めよう

恩義を忘れず

人情厚いこころを大切にする

トルコ国民の信頼を

損なうことはすまい

ここまで築いてきた日本人の良いイメージを

大切にし

こころ豊かに交流しよう

たとえひと時の旅であったとしても




トルコ旅行1 トロイ遺跡にて


そよ風が台地を吹き抜けていた

五千年近くも眠り続けていた日干し煉瓦の城址跡

そよ風は積石の隙間も吹き抜けていた

二千年も堅固に積まれ続けてきた石積の城址跡


その頃は人の築いた街を羨んだ蜂たちがいま

煉瓦に穴を掘り進め占拠して棲家に

人々は掘り返された古代の街跡をただ眺め去来する今日もまた


トロイのパリスに惚れたスパルタ王妃ヘレンが弱かったのか

王妃を虜にしたパリスの美貌の罪なのか

男と女をめぐる争いは誰にも正義のない戦い

それが人の世界の人の世たる由縁

王妃を巡る争奪戦は10年も続いたと

決着をつけたのは捧げ物を装い残し置かれた木馬像

中に潜み隠れたギリシャ軍

ラオコーンの忠告を無視し

木馬を城内に曳き入れ油断のトロイ軍

勝利の宴に酔いしれたトロイの兵士

頃合を見て隠れていたギリシャ兵士たちが飛び出して火を放ち

海に待つ味方も呼応連携しついにトロイを滅ぼした

ギリシャの詩人ホメーロスはその戦さ模様を

叙事詩に書き上げた

叙事詩を信じたドイツ人が現われた

二千六百年以上も経たのちのこと

資金作りを周到にして

見事に神話の世界を次々と発掘し

遺跡の姿を見せた執念の人シュリーマン


年々歳々こんもりとした枝葉広げる城址に広がる樫の樹木

こんもりとした風になびく緑豊かな萱の雑草

小粒な実が無数につく濃い緑の葉繁るオリーブの樹木

あちこちの跡に広がる日々訪れる人声の軽い喧騒


今は遠くにある海も昔はすぐ真近に白波が

風と共に堆積の砂一粒一粒を運び五千年の刻一刻を刻み

世界中からこの遺跡を訪れる人の波寄せてはまた退いて行く今日もまた






トルコ旅行2 エフェソスの遺跡群


女神ティケの彫られた神殿を献じられたハドリアヌス

エフェソス遺跡を代表する建物図書館の名で残るクルスス

三角の装飾門を備えた湧き出る泉を献じられたトラヤヌス

輪郭鮮やかに刻まれた二本の石柱に浮かぶヘラクレス


訪ね歩く観光客の頭上には眩い陽光と青きさやかな空の海

赤茶け崩れかけた煉瓦の堆積物が二千年ぶりの風を吸っている

足元に広がる二千年寝ていた石畳は無数の客の靴底を擦っている


野外代円形劇場に立つわたしの耳には

二千年前の民衆のどよめきと歓声が聴こえ

すり鉢型の劇場の底辺にいるわたしの眼には

演壇に立ちパフォーマンスを演じる美女の姿が見え


劇場に通じるクレテス通りとマーブル通りを道行く

片掛けの襞多い長布を羽織った帝国ローマ時代の人々の

雑踏の中お喋りと笑いに夢中の喧騒が聞こえ見えてくる


爽やかな風とともに現われ

寂寥の風と共に去り行く

古代ローマの人々と生活

幻覚と現実のメリーゴーランド

エフェソスの遺跡群







トルコ旅行3 パムッカレの石灰棚と遺跡温泉 


空から青い溜め池がそのまま降ってきた

棚田に日差しの無数が跳ね返り

眩い白と透明なブルーのグラデーションに染まるパムッカレ 


青い空には白い真綿雲がのんびり浮かんで流れ

段丘には素肌をさやかに舐め行く透明な風の群れ

段丘には凸凹の白い地表が一面につながれ

石灰棚には空の色映す人肌暖める温水池と黄色い声上げる人の群れ


大地の底から温水を贈り深い温泉プールを恵んできた

溜まった温泉池に水着姿の老若男女入り浸り

温い湯温にのんびり体を癒すヒエラポリス温泉古跡


透明なグリーンの水底より無数の気泡がぷくぷく浮かび

ところにより幾重にも沈み重なる崩れた遺跡の石の塊

のんびりと浸かる間にじわりじわりと肌に玉の汗浮かび

緑栄える芝生のデッキチェアに横たわりお喋りに興じる社交の人溜まり






トルコ旅行4 カッパドキア


太古の昔「何でも創れる」と豪語のカッパドキアの大地の神

多彩を誇り同じものはひとつとして創らないと岩に穴あけ砂を食み

 けれどもそれを見た美の神はからかった

 同じものを創れない不器用者の作品群と ―

大地の神はくやしがり「不整の美知らぬぉカッパぉドキヤ」と臍を噛み






トルコ旅行5 イスタンブール

   

昔日より国際都市を象徴する世界に冠たるイスタンブール

ヨーロッパ各国からアメリカからロシアから中東から中国からそして日本から

クリスト教徒もイスラム教徒も東方教会信徒もヒンズー教徒も仏教徒も

今日もまた世界中からの人々に溢れるイスタンブール


名前の変遷ビザンティウム コンスタンチノープル イスタンブール

ロンドンからはヨーロッパの東の果て 

東京からはアジアの西の果て

時代を越えて世界の交易都市として君臨した街イスタンブール

 

ビザンチン様式とイスラム様式の融合建築文化のフュージョン

大聖堂 ジャーミイ 博物館と歴史をそのまま投影し今に聳えるアヤソフィア

内壁に聖母子壁画がそのまま残り蔓草模様の装飾同居する美術のフュージョン

訪れる人々の髪も肌も黒白赤金銀多彩な人々集まるアヤソフィア


対面に位置する6塔ミナーレ聳えるスルタン・アフメット・ジャーミィ

天井 柱に 壁と無数のブルーに見えないブルーのイズミックタイルばかり

ステンドグラスはまるでノートルダム教会のそれらと見まごうばかり

訪れる人々はみなイスラム装束に変身求められ聖地に身を浸すジャーミィ


かつては世界を君臨したオスマーン朝の居城のトプカプ宮殿

長蛇の待ち人の列続く宝物館には世界中からの宝石陶器に宝飾品

世界に君臨したスルタンの権勢の証拠品

マルマラ海を眼下にボスポラス海峡をも見下ろす景観の地占めるカリフの宮殿


バスもフェリーも頻繁に発着し地元の人々と熱気に溢れかえるエミノーニュ界隈  

軒を並べる海鮮料理のレストランに食料品の宝庫エジプシャンバザール

旧市街と新市街とを繋ぐ歩行者溢れ釣り人戯れる不思議な空間ガラタ橋界隈

丘の中腹には新市街のランドマークタワーのガラタ塔

 

ローマ時代から現代まで人の絶えることなく行き交った街

西の端東の端北の端からまた南の端の国からも集まった人々の集う街

歴史の縦糸地理の横糸で編まれた世界の中心の街

グローバル社会の中心に再びと再興を目指し歩む街イスタンブール







                 <了>


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