砂と星の大地 - Latte

砂と星の大地

  • 旅行期間: 2012/12/19 ~ 2012/12/22
  • 作成日:2015/08/31 09:41
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「人類最後の日」に見たのは、サハラの絶景だった。
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砂漠に行きたい。


その想いから、砂漠を求めいざ北アフリカ、モロッコへ。目指すはサハラ砂漠である。

マラケシュへ到着。ここでの楽しみと言えば夜のジェマ・エル・フナ広場だ。100以上の屋台が軒を連ね、歌舞伎町の飲み屋も顔負けの勢いで客引きをしている。日本人観光客が多いためか、日本語で客引きしている現地人も多い。




そんな中、ある客引きが私を日本人だと見るやいきなり「ダイスキダヨ、アイシテルヨ、ソンナノカンケーネェ、ミヤサコデス!!」とカマしてきた。日本語を喋ることに驚いたが、そんなことよりダダすべりである。誰がそれらの言葉を彼に教えたかは知らないが、教えた人物に代わって謝りたいぐらいであった。彼はこれまでもそうであっただろうが、これからも日本人が来るたびにすべり続けるのである。それを考えると不憫でならない。どうにか気付かせてあげたいが、あいにく私はアラビア語やフランス語が分からない。その役目は語学に長けた日本人観光客に任せることにしよう。


哀れな客引きの話はさておき、フナ広場で我々はモロッコ料理定番のシシカバブ(羊肉を串に刺して焼いたもの)を食べ、珍味(?)エスカルゴも試してみた。殻を爪楊枝でほじくり返す感覚は、サザエを食べる時のそれに似ている。特に美味しくもなく不味くもなかったが、酒の肴にはいいかもしれない。もっとも、人口の99%をムスリムが占めるモロッコで酒がそう簡単に飲めるはずはないのだが。




マラケシュでの一日が終わり、いざ砂漠へ。ワゴンに乗ってひたすら砂漠を目指す。

まず着いたのはザゴラ砂漠。正直言って、想像していたような砂がサラサラのあの砂漠ではない。土漠である。舗装された道路も走っている。ややがっかりしていた我々の気持ちを慰めてくれたのは、そう。ラクダだ。やはり砂漠といえばラクダなのである。あのゆるい表情、たまらない。ラクダの息はクサく、体も少しクサいが、砂漠の代名詞的な存在にお会いできて背中にまで乗せて頂けたので、私にとって多少のニオイなど許容範囲であった。






頭に布を巻いてラクダに乗り、途中でクスクスやタジンなど、モロッコの代表的な料理を食べて満喫したような気分になっていたのだが、やはり見たいのは「何もない砂漠」。それを見るために来たのである。


そしてようやく到着したのがメルズーガ砂漠。目の前に広がるのは、どこまでも続く砂の大地と空。ただそれだけである。感動した。あまりに感動して、その素晴らしい景色を写真に収めようと必死になったのがいけなかった。よくパックツアーの宣材写真などにありがちなベタな写真を撮ってしまっていたのである。お恥ずかしい限りだ。



夜は砂漠の真ん中でテントにて宿泊。とにかく寒い。昼間は30度を超える気温も、夜中は氷点下まで下がるのだ。毛布を何枚もかけて眠りに就いた。数時間後、相方の声に目を覚ましテントの外に出てみると、そこには数えきれないほどの星が瞬いていた。遠く、砂の大地が終わる地平線に続くのは文字通りの満天の星空。流れた星も砂の彼方へと落ちていく。砂と星だけの世界が広がっていたのである。それは異様なまでに美しく、私の想像をはるかに超えていた。


その日は2012年12月21日。マヤ文明で用いられた長期暦が終わるとされた日である。ごく個人的ではあるが、「人類最後の日」とも言われていたその日は私にとってはまさにそれに相応しい日になったのだった。最後の日と言われても不思議ではないような光景が目の前にあったからである。私は思った。「明日はきっと、新しい朝だ」と。



朝。ツアー最終日である。さぁラクダに乗って出発だ。

時刻は6時半。冬物の上着を着ていてもガタガタ震えるほど寒い。

気付いたら私は、全力でラクダの背中に抱きついていた。周りのツアー客に笑われようと多少服がクサくなろうと構わない。そんなことを言っていられないほど寒いのだ。なりふり構わず、果敢にラクダの温もりを求めにいった。


これが私の新しい朝なのだろうか。

そうなのかもしれない。


こうして私は、砂漠を後にした。


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