中国旅行時の注意点!中国の大気汚染の原因と状況

執筆者: ふるる

こんにちは。中国上海在住のふるると申します。

近年、中国へ旅行する際は、大気汚染にかなり注意されているという話を聞くようになりました。数年前からその汚染のひどさは、日本のニュースでも日々取り上げられてますよね。

 

今回は現地の大気汚染について、中国に住んでいる人たちからみてどういう状況なのか、旅行の際に注意していただきたいことともに紹介させていただきます。

 

(上海にて撮影)

 

中国の大気汚染の原因と現状

中国の大気汚染と言えば、やはりPM2.5(微小粒子状物質)汚染が気になるかと思います。

数年前から、前が見えない!息苦しい!と騒がれるほどひどくなってきました。

 

そもそもの原因は、中国国内に数多存在する工場で安価な粗悪石炭を燃やして出てきた有害物質。

 

石炭を燃やしただけで?と思うかもしれませんが、工場全体の動力としてはおろか、冬場の暖房器具に至るまでさまざまなものに使われます。一人一人の排出する量はが少なくても、中国の人口は日本のおよそ10倍の13億人超。その排出量は日本の比ではありません。

 

一番汚染がひどいのは北京周辺だと言われており、北京では、朝起きて窓を開けても目の前の建物が見えないこともあるようです。また、中国国内のネットでも「北京では煙草を買わなくても窓を開けるだけで煙草が吸える」と揶揄されるほどの空気が汚染されているようです。

 

 

写真は霧が掛かった幻想的な光景にもみえますが、原因は汚染物質です…。

 

観光地として人気の上海も北京ほどではないものの、北京、陕西、四川から風に乗って汚染物質が飛んでくるため、汚染は高めなので、時期によっては注意していただければと思います。

 

さらに上海は、山に囲まれた窪地のような形になっているため、一度溜まると強風が吹かないと汚染物質が外に出て行きにくいです。一昨年あたりも、そのためにずっと空気が悪い状態で何日も過ごすという状態がありました。

 

さらなる大気汚染への問題
自家用車の増加

最近、深刻になっているのは自家用車の増加にともなう、排気ガス排出量の増加です。

ここ数年の経済成長により、自家用車を持つ中国人は急激に増えました。

 

中国政府も自家用車を規制すべく新車の販売台数を規制したり、ナンバープレートの末尾番号によって都心部に入れる日を規制する、という対策も進めています。しかし異なるナンバープレートを購入して、規制をかいくぐろうとする人も少なくないようで、なかなか規制はうまくいっていないようです。

 

この状況を、「天有天堂、地有蘇杭」(天には天国があるように地上には蘇州・杭州という素晴らしい景色の土地がある)という中国のことわざをもじって「天有政策、地有対策」(天:政府には政策があるが、地:民衆には対策がある)といった言葉で表現することもあります。

 

旧正月の祝いごと

更に、一番ひどくなるのが春節。いわゆる旧正月のことで、中国では西暦の新年もにぎやかに祝いますが一番大事なのがこの旧暦のお正月。

 

毎年、1月後半から2月にかけて旧暦に従って1週間ほどお休みになるのですが(旧暦なので毎年変わります)、大晦日から正月にかけての夜と、正月から5日目の夜は、町中で各々が爆竹や花火を行います。この爆竹や花火の煙が、上空に残り、この時期には大気汚染がとてもひどくなります。

 

  

 

このような個人が行う花火や爆竹はに対して、政府は規制をしているもののやはり中国人にとって春節は大切なもの。特に5日目はお金の神様を祝う日で、大きな音を立てて神様に来てもらうための花火・爆竹ですからそうそうやめるわけにはいきませんよね。

 

写真は上海のものですが、上海では経済状況やマナーが少しずつ先進国に近づいてきているので、あまりこのような行事に対する熱が地方に比べれば薄いようです。

 

空気汚染度の指標

PM2.5の汚染がひどくなるのは国民が暖房を入れ始める10月終わりから、3~4月頃まで。

 

上海に住んでいる日本人が指標にしているのがリアルタイムPM2.5大気質指標(AQI:Air Quality Index)。アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が発表している空気汚染指数の事。日本でも紹介されているのではないでしょうか。

 

冬場は200が平均数値。100台だと「今日は大分空気がきれいだね」という会話になり300だと建物の上の方が見えず車の信号すらハッキリと見えません。歩いていると若干焦げ臭いにおいがする…など体にじかに影響が出てくるので外出を控える人が出てきます。

 

一番多かったのが一昨年の12月の初めに600超えという数値をたたきだし…この時は建物の中にいても天井の辺りが靄が掛かっているような見え方になりちょっと恐怖を覚えました。

 

大気汚染対策・予防
空気清浄機

数年前まで中国人自体あまりこだわりがない雰囲気でしたが、ここ数年の空気の悪さに家に空気清浄機を置く人が急激に増えました。春節などで日本へ旅行した中国人の帰りの荷物にも、お馴染みの炊飯器加えて、日本製の空気清浄器を大事そうに抱える姿もちらほら見かけます。

 

マスク

数年前までマスクをつけているのは日本人しかいなかったのですが、ここ数年でマスクをつける人が増加。冬場になるとコンビニやスーパーなどでも、PM2.5対応のマスクがお目見えします。

 

 

上海でよく見かけるのはこういうパターンでしょうか。ただし、冬中みんな付けているわけではなく、体への影響を心配する人たちが、AQI指数が300を超えたくらいでやっとつける感じです。

 

日本は70超えで外出を控えるように言われますが、今記事を書いている5月ですら、上海のAQI指数は150を超えてますので…。

 

おわりに

経済成長が著しい中国ですが、成長が著しいからこそ空気の汚染が激しくまだまだ内陸の方は成長しきってないので、国際世論で激しい批判は受けながらも中国国内の空気汚染問題はまだまだ続きそうです。

 

空気と言う根本的なものなので個人でできる対策としては限界がありますがマスクをする、空気が悪い時にはあまり出歩かない、というのを徹底することでしょうか。

 

旅行に来られる際は、比較的AQI指数の低い、5月〜11月頃がおすすめです。もちろんその他の時期だからといって魅力がなくなるわけではないですが、やはり気持ち観光出来るこの時期がおすすめです! 

 

 
 コラムニスト情報
ふるる
性別:女性  |  

2011年7月より上海で生活しています!
何年住んでも旅行者気分な目線でコラムを書いて行きたいと思います。

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