野菜は1日350gが目安!手軽に野菜・果物を摂取するコツ

一人暮らしや外食続きだと、野菜不足が懸念されます。成人の1日野菜摂取量は約350g。どのくらい食べればいいのでしょうか。手軽に摂取するコツを解説。

執筆者: 我妻飛鳥 職業:農業・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ
野菜は1日350g摂取するのが目安!野菜生活していますか?

こんにちは、野菜ソムリエの我妻飛鳥です。

 

現代の私たちの食生活は、バラエティに富んだものになり、食べたい時に食べたいものをすぐ食べられる飽食の時代となりました。

ファミリーレストラン、ファーストフードなどが手軽に楽しめる一方で、自分の健康管理に気を使い、食生活にこだわる健康志向の方々が増えているように感じます。
特に野菜に対する関心が、近年とても高まっているのではないでしょうか。

 

 

食生活に野菜や果物を取り入れた、ベジ生活のすすめ

一般的にベジタリアンとは、主に肉や魚を食べない菜食主義者を指します。
しかしここで言うベジ生活とは、ベジタリアン生活のことではありません。
食生活に上手く野菜や果物を取り入れた生活のことを意味します。

 

基本的に、健康的な食生活とは、様々な栄養素をバランスよく摂取することが大切です。

手軽に食べられるファーストフードやお惣菜は大変便利なものですが、それだけになるとどうしても野菜や果物が不足しがちです。

 

普段の生活でちょっとだけ意識して、野菜や果物を食べるように心掛けることで、崩れがちな食生活を改善していくことが可能です。

 

野菜や果物だけ食べていてもダメ

「○○だけ食べていれば健康になれる」という話は存在しません。

様々な食材を上手に取り入れ、賢く食べる事で、より身体に効果的に働きます。


上手に食事を楽しみながら健康を維持していきたいものです。 

 

ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく取り入れよう

野菜や果物はビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含みます。

ビタミン・ミネラルとは体の機能を円滑にし、維持・調整するのに必要不可欠な栄養素です。

 

これらは、三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)と違ってカロリーを持っていません。

そのため、ビタミン・ミネラルが主成分の葉野菜などは基本的に低カロリー食材と言えます。

 

ファイトケミカルによる抗酸化作用、免疫力向上

また、最近では野菜や果物のファイトケミカルにも注目が集まっています。

ファイトケミカルとは、野菜や果物に含まれる機能性成分のポリフェノールや、お茶に含まれる苦味成分のカテキン、ビタミンEの100倍抗酸化作用があると言われるトマトの赤色色素「リコピン」などの微量栄養素のことです。

 

抗酸化作用や免疫力向上などに効果があるとされ、まだ未解明な物質も含めて、たくさんの身体に嬉しい健康効果が期待されています。

そのような栄養素を含む野菜や果物を食生活に取り入れることによって、生活習慣病予防や健康維持に繋がります。

 

また、野菜・果物には美肌や老化防止などに効果的なものが多く、女性には嬉しい美容効果が多いと言えるでしょう。

 

 

野菜は1日350g摂取するのが目安!それってどれくらい?

成人における1日あたりの野菜・果物の摂取目標量は、厚生労働省によると「野菜350g(緑黄色野菜120g・その他の淡色野菜230g)・果物200g(可食部150g)」とされています。

数値だけ見れば、だいたいトマト大2個にもやし2袋くらいがそれに相当しますが、毎日同じ野菜を食べるより、さまざまな野菜を食べることを想定しなければなりません。


まずは、自分の食生活は一日でどのくらい摂取出来ているか、把握するところから始めましょう。

 

  • 主な緑黄色野菜

アスパラガス、小松菜、ケール、しそ、オクラ、カボチャ、トマト、パプリカ、人参、ブロッコリー、ニラ、バジル、パセリ、モロヘイヤ、ほうれん草…

 

  • 主な淡色野菜

タマネギ、きゃべつ、ダイコン、かぶ、レタス、さつまいも、カリフラワー…緑黄色野菜以外の野菜


野菜350gと聞くと「そんなに摂取するのは無理」と思ってしまうかもしれません。

しかし平成22年の国民健康栄養調査では、成人1人あたりの平均摂取量は281.7gです。

目標量に達してはいませんが、ちょっとした心掛けでそれに近い量を摂取出来るのではないでしょうか。

 

ベジ生活を始めよう!野菜や果物を摂取するコツ
外食が多い人は、外食に野菜多めを取り入れる

外食する時は、野菜が多めのメニューを頼んでみて下さい。

ラーメンでも野菜多め、麵少なめといったように、工夫することも可能です。

コンビニ食でも、サラダかお浸しをプラスしてみましょう。

 

肉や魚は加工されていないものほど良質で、脂肪になりにくいです。

肉の場合はウインナー・ハム・ハンバーグよりも、ステーキ・焼き肉。

魚介類ならお刺身やお寿司が一番お勧めです。

 

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おやつは果物やドライフルーツを

間食は果物をチョイスしたり、ドライフルーツに変えてみたりなど、少し意識するだけで摂取量を大きく増やすことが出来ます。

 

糖質の少ない果物としては、ラズベリーやあんず、いちごなどが手軽に購入できそうです。

 

「夕食の時間が遅くなる」、「小腹が減った」そんな時に最適なおやつは、ナッツ類です。


ナッツ類には、抗酸化作用やアンチエイジングに役立つビタミンEや、カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラル、血流を良くしたり、脳の活性化に役立つオメガ3系と呼ばれる油が豊富に含まれています。

また、たんぱく質、食物繊維も豊富なため、腹持ちもとてもよいのです。

 

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朝食をドリンクやスムージーにしてみる

時間に余裕があるのなら、スムージーを作って飲むのもお勧めです。

最近では、市販の物でも野菜ジュースやスムージーなど野菜や果物を使った物が販売されています。

 

野菜やスムージー専門店も見かけますよね。

野菜や果物への関心の高さが窺えます。

 

市販の野菜ジュースは加熱殺菌されているので、生野菜を食べるのとはやはり摂取できる栄養素も異なります。
「一日分の野菜」と記述があるものもありますが、多くの場合は一日分の野菜(約350g)を使用して作ったものということで、一日分の栄養素が摂取出来るということではないようです。

 

厚生労働省が推奨している、1日あたりの摂取量350gの野菜を使用した野菜ジュースであっても、食物繊維を取り除いたり、加熱処理したりする製造工程で野菜の栄養素は多少損なわれてしまいます。
特にビタミンCは熱に壊れやすい性質のため、市販品には野菜由来のビタミンCはほとんど残っておらず、添加物としてビタミンCが加えられている場合が多いと考えられます。

 

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お味噌汁で発酵食品の健康効果もプラス

お味噌汁で野菜摂取を増やせるほか、味噌は発酵食品ですのでビタミンミネラルの摂取に役立ちます。

 

発酵は、菌によって行われます。
それらが発酵する時に、ビタミン、ミネラルといった美容と健康に大切な栄養素を作り出してくれて、食品にストックしてくれるのです。

例えば、大豆より発酵した納豆が、きゅうりもぬか漬けのほうが、栄養価が高くなります。

 

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野菜・果物生活は続けていくことが大切

ベジ生活で大事なことは、何よりも続けていくことです。

無理してたくさん摂取しても、その場で終わってしまえば意味がありません。

 

無理せず、普段の生活に様々な野菜や果物を取り入れていきましょう。

この野菜だけ、この果物だけではなく、色々な野菜や果物をローテーションで摂取できるのが理想的です。


忙しい毎日ですが、そのようなものを上手に取り入れ、未来の健康な身体作りに生かしていきましょう。

 
 コラムニスト情報
我妻飛鳥
職業:農業・日本野菜ソムリエ協会認定 野菜ソムリエプロ

株式会社EDEN
山形県置賜にてすいか栽培を中心とした農業をしています。
農業と食卓の未来をより豊かにしていきたい。
ぬくもり伝える、笑顔広がる。そんな農業に取り組んでいます

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