お酒は低カロリーなのになぜ太る?アルコールで太る原因と、悪酔いを防止する摂取量
こんにちは、管理栄養士・ダイエットコーディネーターの水谷俊江です。
お酒のエネルギーは「エンプティーカロリー」と言われています。
医療従事者の中でも「栄養がないからエンプティー」「カロリーがないからエンプティー」と意見が分かれています。
さて、本当はどちらでしょう。
ワイン1本、ビール中瓶2本空けてしまったら、計算上はそれだけで1000kcal。
1000kcalといえばサーロインのステーキコースといったところでしょうか。
しかし実際カロリー(以下エネルギーとして表現)として体に残るのは、200kcalくらいです。
わずか鮭のおにぎり1個分。
どうしてそんなことが起こるのでしょうか。
五訂増補日本食品標準成分表より算出
食べ物・飲み物のエネルギーは、1gにつき糖質(炭水化物)4kcal、タンパク質4kcal、脂質9kcal、アルコール7.1kcalで計算されます。
それが表の表示エネルギー。
しかし、アルコールは体に入ると水と炭酸ガスになるまで全て分解されるので、余分なエネルギーとして体に残り、皮下脂肪になるということはないのです。
「醸造酒」は穀物や果物などに麹や酵母を加え、アルコール発酵させたもの。
日本酒、ビール、ワインなどがあります。
「蒸留酒」は、醸造酒を加熱して蒸気になったアルコール分だけを集めたものです。
蒸留直後はアルコールの刺激が強く、熟成が必要です。
熟成のために「樽」や「甕(カメ)」などを使います。
ウイスキー、焼酎、紹興酒、泡盛、シャンパン、ブランディー、テキーラなどです。
「醸造酒」は大麦や米、ブドウなどの成分が残っています。
糖質(炭水化物)とタンパク質のエネルギーです。
「蒸留酒」はアルコール分だけが濃縮されているので、原料に含まれる栄養素はほとんど残っていません。そのため、ゼロカロリーなのです。
口から入ったアルコールは、胃で20~30%、小腸で70~80%吸収され、アルコールは門脈から肝臓に運ばれます。
肝臓はアルコールを酵素の力で分解します(日本人では酵素を持っていない人もいます)。
肝臓がアルコールを解毒するスピードは決まっていて、60~70kgの日本人の場合、アルコール20g(ビール中瓶1本)を解毒するのに3時間掛かります。
このアルコール20gが、日本人のアルコールの適量と言われています。
肝臓は糖質や脂質のエネルギーが余ったら肝臓で保管、エネルギーが足りなくなったら保管していたエネルギーを分解して体に送り出す仕事もしています。
しかしアルコールが肝臓に入ってくると、全てのアルコールの解毒分解作業が終わるまでは、肝臓は他の作業が出来ません。
例えば焼酎を300ml飲んだとします。
肝臓がアルコールを解毒分解するのに9時間掛かりますから、あくる日には二日酔い、その上、後回しにされた脂肪や糖質の分解が出来ず、肝臓の周りに張り付いて脂肪肝となってしまうのです。
お酒は食欲を増進させます。
塩辛いおつまみや、こってり揚げ物も平らげてしまう。
お酒と、お食事を十分食べたのに、酔いが醒める頃にはお茶漬け食べたい。
締めにラーメン。
「酒に別腸有り、締めのラーメンは別腹」という生活習慣は、それこそビール腹まっしぐら。
働きっぱなしの肝臓にはお休みをさせてあげることも大切です。
週2日(連続2日の48時間)休肝日を作ることも忘れずに。
お酒は低カロリーというメリットを生かせるように、適量を意識して、飲み会シーズンを楽しく過ごしていきましょう。
|
|
管理栄養士としてクリニックでのダイエットや腸活アドバイスなど2000人以上の相談業務に携わってまいりました。
アーユルヴェーダセラピスト、風水鑑定士の資格もあり、このコラムでは西洋医学の栄養学だけでなくインド、中国の叡智を取り入れた新しい健康アドバイスをご紹介します。
|
|