動画つき!初心者におすすめの「有名な古典落語」4演目

初心者にもおすすめの、有名な古典落語を4演目ご紹介。落語ファンなりたてでも面白い定番噺を、動画つきで紹介しています。

執筆者: 嶋村 知香 職業:ピアノ調律師・暮らしガイド
初心者でも楽しめる有名な落語

笑点で大喜利は見るけれど、落語は最後まで見たことも、聞いたこともない。

前々からちょっと興味はあるんだけれど、何から手をつけたらいいか分からない。

 

今回は、そんな方のために「初心者にも楽しめる有名な落語」をご紹介します。

 

寿限無(じゅげむ)

日本で一番長い名前をつけられた子どものお話。

早口言葉でも有名です。

 

簡単なあらすじ
「寿限無、寿限無 五劫(ごこう)の擦り切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助」

 

この長い名前が引き起こす、笑い話とは?

 

 

まんじゅうこわい

教科書にも載る有名なお話。

あなたが怖い(好きな)ものはなんですか?

 

 

あらすじ

長屋の若いもんが集まって、怖いものは何かという話をしています。
アリ・ナメクジ・蜘蛛(※上方落語では狐・怪談噺)だの言い合っている中に、一人「まんじゅう」が怖いと言うやつがいる。

「饅頭」という言葉を聞いただけでも気分が悪いと、真っ青になって家に帰ってしまった。


面白半分まんじゅう攻めにしてやろう、と嫌がらせを開始。

男の寝る部屋へ山ほどの饅頭を放り込むが、なぜか無反応。


もしやショック死でもしたかと覗いてみると、そこで男がしていたことは?

 

 

目黒のサンマ

お殿様が、今まで口にしたことがない庶民の魚「サンマ」を食べるお話。

 

あらすじ

目黒で鷹狩りを楽しむお殿様。

お腹がすいたが、お供のものが弁当を忘れ、食べるものが何もない。


そこへ脂の乗ったサンマを焼くいい匂い。

殿がこれを所望され、お供が大慌て。


「下衆庶民が食すサンマという下賤な魚、殿がお召しになるようなものではございません」

 

反対を押しきって、炭火で丸ごと焼いたサンマを初めて食べた殿様、その旨いことといったら!
その後、殿様は夢に出てくるほどサンマの虜。

 

しかし、サンマは庶民の食べ物。

殿さまは、なかなか食べられない。


やっとの機会、熱いと火傷召されると冷まし、脂が体に良くないと脂も抜き、小骨が喉に刺さるといけないと骨を抜き、骨を抜いたら形が崩れて椀に入れ、家臣たちのいらぬお世話で、もはや原形をとどめないサンマを見た殿様。
さて、殿さまは?

 

 

時そば(時うどん)

蕎麦屋で勘定をちょろまかして成功する男と、失敗する男の話。

十六文の蕎麦を十五文しか払わなかった、その技とは?

 

第17回2013年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を、第38回講談社漫画賞一般部門を受賞した、雲田はるこによる本格落語漫画「昭和元禄落語心中」でも使用された落語ネタです。

 

聴きどころは蕎麦屋の「誤魔化し」!

会計の時、蕎麦屋の手に小銭を一枚一枚。

「ひとつ、ふたつ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ…今何刻だい?」

「九つで」

 

「十、十一、十二、十三、十四、十五、十六」という具合で一文ごまかした。


この様子を陰で見て感心していた男、自分もやってやろうと、翌日同じ蕎麦屋へ。
同じ手口で「~~六つ、七つ、八つ・・・今何刻だい?」

「へぇ四つで。」

 

「五つ、六つ、七つ…」

 

 

上方落語の場合

上方では、蕎麦ではなく、うどんです。

また、男は、最初から二人で登場します。


値段は同じで、八つの時に「今何時?」と聞くのも同じです。

面白いですね。

おわりに

江戸時代から続く、古典落語の定番ネタをご紹介しました。

今はYouTubeなどの動画サイトで気軽に見られますので、どうぞ一度一席お楽しみくださいませ。

 
 コラムニスト情報
嶋村 知香
性別:女性  |   職業:ピアノ調律師・暮らしガイド

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