[医療費控除の仕組みと計算方法]医療費控除の対象になるもの、対象外のもの一覧。確定申告で医療費はいくら還付される?

病気や事故で高額な医療費がかかった!確定申告の時期に医療費控除を行うことで、いくらか医療費が戻ってくる可能性があります。医療費控除の内容と計算方法を分かりやすく解説。

執筆者: LATTE COLUMN
医療費控除ができるかも?医療費控除を受けられるパターンまとめ
「今年は医療費、結構払ったなあ」


「医療費が10万円を超えると税金が返ってくる」というのはよく知られている話です。
ところで医療費控除についてどこまでご存知でしょうか?


実は医療費控除の対象になる医療費と、対象にならない医療費があるということ。
実は10万円を超えなくても医療費控除が使えるかもしれないということ。

ご存知でしたでしょうか?
今回は、知っているようで知らなかった医療費控除のアレやコレについて見ていきましょう。

 

 

控除できる医療費とできない医療費の違い

控除できる医療費とできない医療費の違いを判別するためには、まず医療費控除が何のために存在しているのかを考えなければなりません。

 

医療費控除の趣旨とは

「病気は誰だってするから、病気を治すためにお金を払ったせいで生活が苦しくならないように、税金を少なくしてあげよう」というものです。

つまり、「病気を治すために払った治療費であれば医療費控除の対象になる」ということです。

では、具体的にどんなものが対象になるのかならないのか見ていきましょう。
ちなみにベースは国税庁のタックスアンサーをもとにしています。

医療費控除の対象となる医療費

☑ 医師または歯科医の治療による治療費
☑ 治療のために必要な薬の購入費
☑ 病院、診療所、介護施設等の入院入居に関する費用
☑ 整体師による治療目的のマッサージ、針治療など
☑ 妊娠、出産に関する費用
☑ 介護保険制度の下で提供された自己負担の介護サービス

医療費控除の対象にならない医療費

☑ 健康診断の関する費用(ただし健康診断後に重病が見つかり、その後治療を行う場合には控除対象になります)
☑ 美容整形にかかる費用
☑ ビタミン剤など治療目的ではない錠剤などの購入費
☑ 治療目的ではないマッサージなど

 

改めてまとめると…
医療費控除の対象になる

病気を治すための支出、あるいは妊産婦や入院、介護にかかる支出

医療費控除の対象にならない

健康診断やビタミン剤など健康を維持することが目的となる支出

 

医療費が10万円を超えていない、だけど医療費控除が受けられる!

今年は結構な額の医療費を払ったけど、でも10万円を超えなかったから控除できない…


上記のように諦めてしまう前に、確認してほしいことがあります。

それは、「年収はいくらであるか」ということ。

 

医療費が10万円以下でも控除を受けられる理由

医療費控除の計算はこのように行われます。

 

(実際に支払った医療費の合計額-保険金額により補填される金額)-10万円=控除金額

 

例えば支払った医療費が11万円で、保険により補填された金額が0円の場合、(11万円-0円)-10万円=1万円ということで1万円が控除対象金額になります。

これが10万円を超えると医療費控除できるという仕組みの理由なのですが、実は総所得金額が200万円未満の場合、10万円の部分が総所得金額の5%に変わります。

つまり、例えば今年の医療費が8万円だったとしても(保険金による補填は0円です)、同じく所得が140万円だった場合、(8万円-0円)-(140×5%)=1万円で、1万円を控除できるということになります。

「所得の5%」

仮に医療費が10万円を超えていなくても、所得の5%を超えていれば医療費控除は受けられます。

この「所得の5%」という言葉をぜひ覚えておいてください。

 

おわりに

最後に蛇足ではありますが、この医療費控除について、このような勘違いをされている方が非常に多く見受けられます。

「確定申告すれば、10万円を超えた医療費が還ってくるんでしょ?」


確定申告による還付金というのは、あくまでも税金の払戻しです。
例え11万円の医療費を払っていても、差額の1万円が戻ってくるというものではありません。

 

請求先は税務署ではなく「健康保険の窓口」で

高額医療費の払戻しに関する請求は、税務署ではできません。
高額医療費の還付請求は、加入している健康保険の窓口にお問い合わせしてください。

税務署は税金関係の部署なので、医療費の返還は行っておりません。
申請先に関してはお間違いが無いよう注意しましょう。

 

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