【世界でも珍しい気象現象】日本海側で多発する”冬の雷”。落雷エネルギーは、夏の雷のなんと100倍以上!
雷といえば世界的にみても夏に発生するのが一般的ですが、日本海側では冬に多く観測されます。「夏の雷と冬の雷の違いは?」「日本一雷が多い都市はどこ?」「雷が多い年は豊作って本当?」雷の不思議を、気象予報士がわかりやすく紹介。
こんにちは。生き物好き&占い好きな気象予報士の金子大輔です。
クリスマスも近づき、いよいよ冬本番!
冬は、狭い日本の中でも、まるで遠い国のように各地で気候がまったく異なるのも特徴です。
たとえば、群馬県では、空が晴れているのに雪が降ってくるのはお馴染みの現象で、「はあて」とか「吹越し(ふっこし)」「風花(かざはな)」といった呼び方をしますが、同じ関東でも東京では、まず経験することがない現象です。

東京をはじめとした太平洋側の地域では、雷といえば夏をイメージすることでしょう。
ですが、日本海側の地域の人は、冬をイメージするかもしれません。
雪国と呼ばれる地域では、冬にしばしば雷が発生します。
特に、北陸や山陰、東北の一部は「雷銀座」と呼ぶにふさわしく、冬季は毎日のように雷注意報が出ています。

(気象庁HPより)
夏の雷は、遠くから徐々に近づいてくるパターンが多いです。
一方、冬の雷は、いきなり頭上にドカン!と落ちてくる感じのものが多いのも特徴的です。
しかも、雷一発のエネルギーが非常に大きく、夏の落雷の100倍以上に達します。
ものすごく心臓に悪いです。
こうした雷は、「一発雷」とか「雪起こし」と呼ばれ、雪起こしが鳴ると、しばしば雪が激しく降ります。
雷は、積乱雲(入道雲)によって起こります。
雷が鳴るということは、雨雲や雪雲がそれなりに発達した証拠ですから、当然、かなりの降水(雪)をもたらすというわけです。
ここで、高田(新潟県上越市)と鹿児島の平均降水量のグラフを並べてみましょう。

12月、1月の高田の降水量と、6月の鹿児島の降水量にご注目ください。
大差がないことがわかります。
6月の鹿児島といえば、毎年のように豪雨による大きな災害がニュースになるほど雨が降ります。
それに匹敵する降水量が雪として降ることを考えると、そのすさまじさを想像できるのではないでしょうか。
世界レベルでも、こんな場所は他に類を見ません。
今度は、宇都宮と金沢の雷日数(雷を観測した日)を比べてみましょう。
下の図の日数は、雷日数の平年値(1981~2010年までの30年平均値)を表しています。

(気象庁HPより)
宇都宮が24.8日、金沢が42.4日ですね。
宇都宮を含む北関東はかなり雷の多い地域で、夏の午後には毎日のように雷注意報が発令され、群馬県には雷にちなんだ「ゴロピカリ」という米の品種があるほど。
そんな雷の名所を上回る発雷数を誇るのが、雪国なのです。
日本で最も雷が多い都市は金沢ですが、金沢では「弁当忘れても傘は忘れるな」という言葉もあります。
天気がものすごく変わりやすいことを示唆しているのでしょう。
空気中の気体の80%が窒素、残り20%が酸素です。
他に、アルゴン・二酸化炭素・ヘリウムなどを微量に含んでいます。
窒素も酸素も、単体で安定しているので、通常はお互いに反応しません。
ですが、雷放電で高い電圧がかかると、窒素が他の気体と反応し、窒素化合物となって、地中に固定されることがあります。
植物は、これらの窒素化合物を肥料として利用することができるのです。
これが、「雷が多い年は豊作」という言い伝えの所以でしょう。
災害のリスクもありますが、生態系にとってはなくてはならない存在で、かつ冬の雪国の風物詩でもあるのが雷なのです。
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生き物が大好きな気象予報士&教員&物書き&占い師。生き物はゴキブリも含めすべて好きで、生き物と天気については話し出したら止まりません。ディズニーランド好き、絶叫系好き、激辛好き。
著書
『こんなに凄かった! 伝説の「あの日」の天気』
『気象予報士・予報官になるには』
『気象予報士 (シリーズ“わたしの仕事”)』
『世界一まじめなおしっこ研究所』
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