3月19日に渋谷ヒカリエで行われた、「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京
(Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO = MBFWT)」でのバックステージに先日ネイルで入ってきました。

今期で6回目のIn-Process by Hall Oharaのランウェイ参加ですが

やはり何度バックステージを経験しても、その白熱した雰囲気は変わらずに強い刺激を与えてくれます。

 

※過去のIn-Process by Hall Oharaのネイルはコチラから

 

 

 

コレクションは年に2回開催されます。SS=春夏(Spring&Summer)とAW=秋冬(Autumn&Winter)に分かれ、それぞれ世界各国で半シーズン早いルックがランウェイを飾ります。やっと暖かくなってきたら秋冬のルック、徐々に寒くなってきたら春夏のルックが発表されるので、不思議な感覚ですが、ショーの後に展示会をし、バイヤーさんの注文を受けてから生産する時間が必要なんですね。今期は2014-15AWで、大きいところだとパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京と行われます。よく耳にするパリコレ、東コレと呼ばれているショーは、このファッションウィーク中に開催されるのです。

 

世界中から、先見のその先の先の目を持った選りすぐりのデザイナー達が自身のクリエイティビティの表現の場として、またブランディングの一環で、コレクション発表を行なうわけです。そこには有名雑誌の編集長やセレブリティ達、有名デパートやセレクトショップのバイヤーが最前列で鑑賞しています。最先端のトレンドが生まれてくるわけを納得。

 

 

私は、ネイリストとして仕事を始めてから13年の中で、雑誌やテレビの撮影、海外サロンで働いたり、ファッションイベントへの参加など、常に刺激を求めて日々あくせくと動いてきました。その中でも、とても大きなチャンスに恵まれて始まった東京ファッションウィークでのコレクション・バックステージ参加は、今までのどの経験とも違う特別な思いがあります。

 

初めてバックステージに入った時には、緊張と責任感に潰されそうになりながら、それでも1年の半分をかけて創られた世界の一部として果たすべきことをしようと必死でした。ランウェイからモデル達がバックステージに戻ってきた際の、言葉にできない達成感と安堵感は、何度経験しても素晴らしいものです。与えられている限られた時間の中で、バックステージではヘアアレンジとメイクが目まぐるしくモデルを取り囲み、その中で、私たちは足元の方で、隙を見てネイルに入ります。

 

 

通常のサロン業務とは全く違う勝手の中で、スタッフ全員が自分の持てる最大限の感性を生かし施術していく風景は、毎回とても感極まるものがあります。そんな経験が人生で6回もできるなんて、本当にこの世界に身を置いてよかったと、毎回ショーが終わるたびに心から思います。

 

 

何かを作り上げる、ということはそう簡単ではありません。自分の感性と経験と感覚を信じて、究極のクリエイティビティを持った人間が集まり、一つのものを創り出す。東京ファッションウィークには、自己のアンテナを誰よりも高く保ち、個性的で誇り高く、それでいてチャーミングな人達が集まっていると思います。トレンドを作る、なんて、言葉にしてしまったらなんだか簡単そうに聞こえることも、無から生み出される究極の最先端ファッションを生み出すデザイナーさんのプライドと自信は計り知れません。バックステージに入って気づいたこの熱い思い、みなさまにも伝われば嬉しいです。

 

 

 

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