都内で一番高い土地は千代田区?高級住宅街(東京・名古屋・大阪)の土地価格理由を解説!

執筆者: 田井能久 職業:不動産鑑定士
はじめに

いわゆる高級住宅地と言われるところは、国内のそれぞれの都市にあります。


東京なら、麻布青山赤坂(その昔“トリプルA”なんて表現されていました)や田園調布などで、名古屋なら南山や八事、関西なら帝塚山や芦屋辺りが有名です。

 

帝塚山(てづかやま)は、大阪府大阪市阿倍野区南西部から同市住吉区北西部にかけての地域の名称。(wikipedia引用)

 

女性に「どこにお住まいですか?」とお訪ねしたとき、これらの地名が出ると、その美しさが2割増しみたいな、そんな効果もある地名であります。

 

 

高級住宅地がある地域の地価が高いわけではない

さて、これらの街は高級住宅地であるので、それぞれの地域の最も地価が高いところであると思いきや、実はそうでもありません。

あくまでも一般的な指標として、“地価公示”という、国が発表する土地のデータからみたものがあります。

それを見ると、例えば東京なら千代田区六番町が約300万円/㎡とトップで、2位は赤坂であるものの、その後は三番町や九段が来て、トップテンの約半分は千代田区が占めています。

 

 

田園調布は千代田区六番町の1/3の地価

港区内である麻布や青山や赤坂はやはりそれなりに高いのですが、大田区にある田園調布は、高いところでも千代田区六番町の1/3ぐらいの地価水準です。

 

場所によっては、地名は“田園調布”ではありますが、かなり地価水準が低いところもあります。

 

 

名古屋や大阪も同様の傾向

同様の傾向は名古屋や関西でも見られます。

名古屋であれば東区の泉、関西であれば大阪の天王寺などの地価が高くなっております。

 

それぞれの地元の方に聞いたら、なるほどと思われるような場所でしょうが、一般的に名声の高いところが、必ずしも地価が最も高いということではなさそうです。

 

 

住宅地としての価値を押し上げている要因

もちろん地価公示という一般的指標であり、それぞれの地域の最高価格地を、人によっては住宅地でなく商業地として捉える方もいます。

 

そのため、一概に言えませんが現在の全般的な傾向としては、より都心に近く利便性の高い場所が、住宅地としての価値を押し上げている要因と考えられます。

 

 

おわりに

都心部のいわゆる「お高い土地」は、都心に近く利便性が高い場所であるということ。

都心に通勤し、都心のマンション居住者がどんどん増えていく中で、今後は高級住宅地のイメージも変わっていくのでしょうか?

 

個人的には「天王寺のお嬢様」より「芦屋のお嬢様」に、お目にかかりたいものであります。

 
 コラムニスト情報
田井能久
性別:男性  |   現在地:愛知県名古屋市  |   職業:不動産鑑定士

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