抗生物質で下痢や便秘になるのはなぜ?抗生物質を飲みつつ腸内環境を良くする6つの方法

ニキビ改善や抗菌対策で抗生物質を飲む場合、健康への悪影響を抑えるポイントを紹介。善玉菌が減ってバランスが崩れた腸内環境を整えることが重要です。

執筆者: InnerHarmonyNutr 職業:ホリスティック栄養士/エネルギーワーカー/翻訳業
抗生物質の健康への影響を最低限に抑える

抗生物質を気軽に飲むのはNGと分かっていても、やむを得ず抗生物質を服用する機会もあるでしょう。

 

今回は、抗生物質を服用した場合に、健康への影響を最低限に抑えるために各自ができることをご紹介します。

 

 

抗生物質は、善玉菌まで殺してしまう

私たちの腸内には、300~1,000種類もの善玉菌が住み着いていて、食べ物の消化、ビタミンの生成、侵入した病原体の撃退、神経伝達物質の生成など、さまざまな働きを行っています。

 

ですが、抗生物質を服用すると、こういった善玉菌まで無差別に殺されてしまい、健康に支障をきたすことになります。

抗生物質を服用することで、便秘や下痢といった症状が現れることがあるのはそのためです。

 

バランスが崩れた腸内環境をできるだけ早く整えよう!

では、バランスが崩れた腸内環境をできるだけ早く整えるためには、具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか?

 

発酵食品を食べる

発酵食品は腸内の善玉菌を増やし、健康な腸を維持する上で大きな効果を発揮します。

このため、納豆、味噌、漬け物、キムチ、ザワークラウトなどの発酵食品を、毎日積極的に取り入れてください。

 

 

プレバイオティクス食品を食べる

プレバイオティクスとは、腸内の善玉菌に栄養を与えて繁殖を促す一方で、悪玉菌の増殖を抑える働きがある難消化性食品です。

オリゴ糖や、食物繊維の一種であるイヌリンが含まれます。

 

プレバイオティクス食品の野菜には、アスパラガス、ゴボウ、ネギ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、大根、バナナ、ニンニクなどがあります。

 

 

骨スープを飲む

牛骨、豚骨、鶏ガラなどから作った骨スープには、さまざまなミネラルやコラーゲンのほか、腸壁を修復してくれるグルタミンなどのアミノ酸が豊富に含まれています。

 

ですから、これらの骨をベースにして野菜たっぷりのスープを作ってみてください。

砂糖など、甘いものを控える

カンジダ菌をはじめとする腸内の悪玉菌や病原体は、砂糖をエサにして繁殖していくため、抗生物質を服用した後の1か月間くらいは特に、砂糖を極力控えることをお勧めします。

 

ここでいう砂糖には、白砂糖だけでなく、甜菜糖、蜂蜜、メープルシロップ、玄米シロップなどの甘味料すべてのほか、甘いフルーツやフルーツジュースなども含まれます。

 

 

腸の環境を悪化させる食品や薬品を控える

腸の環境を悪化させる食品には、砂糖のほか、農薬、食品添加物、植物油(菜種油、大豆油、コーン油、ひまわり油など)が多く含まれた食品があります。

 

また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や経口避妊薬も腸内の環境を悪化させるため、注意が必要です。

 

プロバイオティクスのサプリメントを摂取する

抗生物質によって死んでしまった腸内の善玉菌をできるだけ早く増やして腸内環境を整えるには、プロバイオティクスのサプリメントが大変有効です。

 

抗生物質の服用が終了した後は、質の高いプロバイオティクスのサプリメント(できれば株数が5種類以上で合計菌数が10億以上のもの)の摂取を直ちに開始するとよいでしょう。

 

プロバイオティクスのサプリの中で抗生物質に特に効果があるのは、「サッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)」という酵母菌です。

 

これは細菌ではなく酵母であるため、抗生物質によって死滅せず、抗生物質と一緒に摂取できます。

この酵母菌は、特に抗生物質によって引き起こされる下痢、クロストリジウム・ディフィシル菌感染症、ピロリ菌の繁殖などを防止する働きがあります。

 

米国で最も定評のあるこの酵母菌の商標名は「Florastor®」といい、小児用の製品も発売されています。

 

 

おわりに

抗生物質をやむを得ず服用した場合には、以上のような方法を組み合わせて悪影響を最小限に抑え、腸内環境をできるだけ早く調整することをお勧めします。

 
 コラムニスト情報
InnerHarmonyNutr
性別:女性  |   職業:ホリスティック栄養士/エネルギーワーカー/翻訳業

本業の飜訳をするかたわら、ホリスティック栄養士/エネルギーワーカーとして、スピリチュアル性を重視しながら健康の改善と維持を目指すためのお手伝いをさせていただいています。特に、糖尿病の予防と改善、健康的な体重維持のサポートに力を入れています。2014年からはほぼ不食でも生きられるようになりましたが、ときには食を楽しむことを選択し、2つのブログではヘルシーなグルテンフリーのゆるべじレシピの紹介や、健康情報を発信しています。現在、『グルテンフリーガイド』のキンドル版をアマゾンで発売中です。

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