感動する、良いピアノ演奏のポイントとは?コンクールでの点数批判から考える弾き方のコツ

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
はじめに

こんにちは。ピアニストの小川瞳です。
今回は前回に引き続き、ピアノの演奏に点数を付ける場合のことをお話します。 

 

 

クラシック音楽におけるリズム感とは

まずリズム感について。
リズム感が、実は一番クラシック音楽と他ジャンルの音楽に違いがあるように、私は思っています。

クラシック音楽は基本的に生です。
生音楽で、スピーカーなども使わず、その場で弾いている音のみで音楽を奏でています。

しかしポップスなどは、カラオケのようにバックに伴奏を流していて、その上で歌を歌ったり、楽器を弾いたりしているケースが多いのです。
そうなると生演奏の際も、クリックと呼ばれるメトロノームの役割をする音を、常に聴きながら、歌ったり弾いたりする必要があるのです。
そうしないと、バックの音楽とずれてしまうからです。 

 

メトロノーム通りに弾くと味気ない音楽になる

というわけでクラシック以外のジャンルの音楽は、かなりメトロノーム通りにテンポが保たれています。
しかしクラシックは、リズムの取り方、間の取り方でも表現をするという音楽なのです。

同じ四分休符があったとしても、一回目と二回目だったら、二回目の方が少し長くお休みをするといった変化のつけ方が必要とされているのです。

 

リズムに変化をつける大切さ

メトロノーム通りに弾いているだけでは、味気なくて音楽ではない、休符をどう扱うか、それを考えるのも演奏家の仕事という姿勢なのです。
そこでリズム感を良くするためには、正しいリズムを守れば良いというわけにもいかなくなり、リズム感というのも難しい要素となるのです。

音の強弱や、間の取り方の微妙な変化によって、リズム感というものを際立たせる工夫がなされます。
しかしポップスのように、メトロノームに合わせて演奏しながらリズム感を出すのも、難しいものです。
音楽はテンポが一定となると、停滞して感じることが多いからです。 

 

ピアノの音色について

ピアノの音色は、実は十人十色です。
パッと聴いた感じだと、鍵盤を叩けば誰でも同じような音が出ますから、あまり違いは感じられないと思います。

しかし、指の強さ、筋肉の使い方、手首や腕、肩の脱力など、色々な工夫をしてピアニストは音色を作っていきます。
ですから、無造作にピアノを演奏してもなかなか良い音にはならないため、音色の良し悪しも審査要素の一つとなるのです。

 

おわりに

音楽は芸術であり数学ではないのだから、コンクールのように点数をつけるのはおかしいといったコンクール批判は常に存在します。

しかし、ピアノのコンクールは全国各地で非常に多く開催されています。
その開催理由は、ピアノ学習の意欲を高めるため、音楽業界の活性化のためなど、色々挙げられていますが、やはりピアノと本気で向き合う人々が、他者からの評価を求めているからではないかと私は思います。

ピアノという楽器は基本的に一人で演奏するものなので、自分の世界だけで練習していても、自己満足に陥ってしまいやすいという問題があります。
だから、自分の演奏を審査して貰える、コンクールという場を活用することは、私はとても有意義だと思います。 

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8