飛行機の出発はタイムテーブル順ではない!?空港の知られざる雑学・マメ知識 (2/2)

執筆者: 奥之園 誠 職業:航空アナリスト


同時刻の出発便は、出発準備が整った方が優先されるのです。
出発には管制官の承認が必要と書きましたが、同時刻出発でも出発準備には機材の大きさなどで差が出ることになります。

 

当然、大型機になれば旅客の搭乗にも時間を要するので、ついつい遅れがちになりますね。


また航空無線ですが、管制官とパイロットは1対1の会話をするので、管制官は同時に複数のパイロットと会話はできません。

このため、出発条件が全く同じでも、先に無線会話できた方が出発が早いという事になります。

航空機は遅延15分までは、通常出発とみなされる

電車で15分遅延。

利用者の不満が爆発しそうですが、航空機の場合タイムテーブル上の出発時間(これを定刻と言います)に対し、超過分15分までは遅延とはみなされません。

 

遅延の記録としてカウントされるのは、定刻から15分超過してからとなります。

実際の出発時間の定義とは?

では、航空機の出発時間の定義とは何でしょうか?
今までのお話から、タイムテーブル上の時間では無い事はお分かりだと思います。

 

では、実際の出発時間の定義はどうなっているのでしょうか?


答えは、航空機の前輪(ノーズギアといいます)がタイヤの車輪止めを外した時間が、出発時間として記録されます。

同様に到着機については、ゲートに到着した時間ではなく、ゲートに到着して前輪に車輪止めが入った時間が運行上の到着時刻としての記録となります。

 

出発時間の瞬間、ノーズギア止めを外すグランドスタッフ

 

さいごに

同時刻の出発便、大規模な空港ではよくあるケースですが、いかに迅速に出発に向けて準備ができるかという事が重要になりますね。

 

航空会社ではこの出発時間をなるべく定刻にしたいとの思いがあり、旅客に対して定時出発に向けての協力のアナウンスを流しています。

これは利用者側の協力があって、正常な運航が行えるという事がお分かり頂けると思います。

 
 コラムニスト情報
奥之園 誠
性別:男性  |   職業:航空アナリスト

航空ブロガー、航空検定1級。

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