結婚指輪作りに携わる人々

こんにちは、リングプランナーの飯田馨です。


結婚指輪を選ぶ基準に「デザイン」を上位に挙げる人は多いと思います。

一生に一度のもの、毎日身につけるもの。

自分の好きなデザインを選びたいというお気持ちは、理解できます。

 

ところで、結婚指輪はどうやってできるのかご存知ですか?

今回は、指輪作りに携わる人々にスポットを当ててみたいと思います。

 

宝飾デザイナー・ジュエリーデザイナーという仕事

デザイナーは、宝石や貴金属を使い指輪をはじめ、ジュエリー全般のデザインを手がけます。

ファッション性だけでなく、身につける人の喜びや願いが込められた特別な存在であり、美しい輝きで人々を魅了するデザインが求められます。

 

そこには、宝石、貴金属(金、銀、プラチナ)に関する知識や技術も必要です。

貴金属や宝石の特徴を理解したうえで、流行を敏感に取り入れながら、買う人が「身につけてみたい」と思うようなデザインを考えます。

 

 

アクセサリーデザイナーの働き方

アクセサリーデザイナーは、会社で働く「企業内デザイナー」と、デザイン事務所に所属する、または個人の「フリーデザイナー」に分けられます。

 

企業内デザイナー

会社の要望通りのコストを考えて、あらゆる情報源を利用して、流行や消費者の好みの変化を調査・予測しながら、多くのデザイン画を描き、デザインすることを求められます。

 

フリーデザイナー

オリジナルの感性を生かした特色ある製品をデザインし、製作までを行います。


なお、様々なお客様のライフスタイルにあった最適な提案をするために、ジュエリーデザインのスキルだけでなく、顧客のイメージをデッサンするスキル、豊富な加工知識も必要となります。

もちろん、指輪の歴史やトレンドなど、ジュエリーについての総合的な知識を身につけていることも必須です。

 

さらに、コーディネート術のスキルがあれば、一層デザインの魅力を伝えることができます。

デザイナーは、人に輝きだけではなく、夢と美しさを伝える素晴らしい役割をしています。

 

ジュエリーを作る技術

基本的には、ジュエリーを作れるようになるには、道具・工具を知り、使い方をマスターしなければなりません。

 

さらに、鍛造(たんぞう)なら金属材料の性質を知り、加工できるようにならなければなりません。
鋳造(ちゅうぞう)なら、色々なワックスの特徴を知り、自由に扱えなければなりません。

宝石の特徴を知り、欠けさせたり、割ったりせずに、大切に扱えなければなりません。

 

まとめると、ジュエリーを作るには、次の7つの技術が必要となります。

 

1)金属を加工する技術を身に付ける
2)ワックスで形作る技術を身に付ける
3)宝石の名前、硬さ、脆さ、品質、値段、産地、などの知識を身に付ける
4)石留めの技術を身に付ける
5)鋳造の知識、技術を身に付ける
6)仕上げる技術を身に付ける
7)デザインができること

 

 

ジュエリー作りに携わる職人たち

上記の技術を全部マスターするには、何十年と長い年月が必要ですから、制作は分業が一般的です。

 

担当する職人

1)6)... 加工職人
2)... ワックス職人
3)... 宝石鑑定士
4)... 石留め職人
5)... 鋳造職人
7)... デザイナー

 

時間とジュエリーの関係性

ジュエリー職人が、お客様のどんなご要望にも対応できるようになるには、10年ほど経験を積む必要があると言われています。

無いものを生み出していくこと、その費やした「時間」を提供しているとも言えます。

 

 

なお、職人として大切な教えのひとつに「自分の作ったものには責任を持つ」というものがあります。

ジュエリーは、ひとときを楽しめれば良いというものではありません。
5年後でも10年後でも、元どおりに綺麗に直すという気持ちと、それができるだけの技術が必要です。

そのため、素材に良いものを使用することは、当然のことです。
貴金属や宝石で作ったジュエリーは、50年後でも100年後でも形として残ります。

 

おわりに

結婚指輪を選ぶ基準には「値段・相場」を挙げる人も多いですが、デザイナーやそれぞれの職人の費やした時間だけでも、指輪の価値を感じてもらえると思います。

 

相場とは、世間一般の考え方や評価であり、また、世間並みと認められる程度を意味します。

これらを理解して頂いたうえで、結婚指輪は、ご自身の価値感で選ぶことをお勧めします。

この記事を書いたコラムニスト

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