スープやお味噌汁に入れると美味しい!北海道函館の伝統食材「ガゴメ昆布」は、海藻の一種。ネバネバ成分フコイダンが身体を強くするサポートをしてくれます。
がごめ昆布という名前を聞いたことはありますでしょうか?
がごめ昆布は、北海道函館近海のごく一部の海域に生息する、食用海藻のことです。
表面にある凸凹模様が「籠目(かごめ)」のようであったためカゴメと呼ばれていましたが、いつしか発音が訛り「ガゴメ」になったことが、名前の由来とされています。
今回は、このがごめ昆布に秘められた健康効果について探っていきましょう。
海藻というと、海の中で沢山生息し、沢山収穫できるイメージがありますね。
しかしがごめ昆布は、他の海藻より水温や水深などの育成条件がデリケートであるため、生産量が少なく、北海道で作られる昆布全体の数パーセントしか採れません。
昆布にもいくつか種類があり、一般的なのは「真昆布」や「利尻昆布」などのだし昆布です。
がごめ昆布は他の昆布よりネバリが非常に強く、水にさらしてしばらくしてから引き上げるとネバリが帯状に1m以上伸び、しかも持ち上げても切れないレベル。
この強いネバリの正体は健康成分「フコイダン」です。
フコイダンとは、昆布に含まれるネバネバ成分のこと。
海藻の葉にある粘膜管から分泌され、葉や茎が海中で痛んだときに、そこから細菌が進入しないように防御してくれる役割があります。
がごめ昆布はこのフコイダンを他の昆布より多く含んでおり、その健康効果が高い注目を浴びています。
フコイダンには腸管免疫を活性化させる作用があります。
食物や微生物と常に接している腸管は、体の約6~7割の免疫細胞が集まっているとされています。
ガゴメ昆布フコイダンを食べると、免疫細胞「ナチュラルキラー(NK)細胞」が活性化し、全身の免疫系が向上するという実験結果が、タカラバイオの細胞実験にて示唆されています。
免疫細胞「ナチュラルキラー(NK)細胞」とは、人間の免疫システムをつかさどる重要な免疫細胞のこと。
身体にウイルスや病原体が侵入したり、異常な細胞が発生した際、一番先に攻撃を始めてくれるのがこのNK細胞です。
NK細胞を活性化させることは、身体の免疫力を高めて健康を保つのに大変有効です。
また、タカラバイオが実施したヒト実験※においても、NK細胞活性化の効果が実証されています。
60~86歳の高年齢者に、ガゴメ昆布フコイダンを1日当たり50mgと乳酸菌を配合した食品を8週間摂取させたところ、NK活性(免疫力)の上昇が見られました。
加齢と共に下がりがちな免疫力を高めるのはもちろんのこと、アレルギー指標である血中IgE抗体の濃度も減少し、アレルギー改善作用についても期待ができるという結果も出ました。
※出典:タカラバイオ株式会社『ガゴメ昆布「フコイダン」の高年齢者の免疫機能に対する有効性①』
また、フコイダンには高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞にも繋がる「血栓」を防止する働きも確認されています。
血液を凝固しにくくして血栓を防止するほか、血液中のコレステロールや脂肪を排出する働きもあります。
海の深い箇所で育つがごめ昆布は、あまり注目を浴びておらず、とろろ昆布などの材料に少し使われる程度の扱いでした。
しかし1990年代後半になり、がごめ昆布の豊富なフコイダン所有量が注目を浴びはじめ、いまはむしろ品薄になるほど人気が沸騰中。
スープやお菓子などのほか、化粧品やシャンプーなど美容アイテムにも使われるようになりました。
フコダインは肌の水分蒸発を防ぎ、保水能力に非常に優れていることが分かっています。
昆布料理研究家の岩佐 優さんは、冷え性に効果がある「昆布浴」もおすすめと語っています。
がごめ昆布をネットに入れてバスタブに入れるだけ。
海藻臭さはほとんど感じず、お湯に入るとホカホカでツルツル感があります。
有名な「鳴尾浜温泉熊野の郷」でも、利尻昆布風呂が登場しました。
利尻昆布には、昆布のヌルヌル成分の中にあるアルギン酸の効果で毛穴の汚れを落とし、肌の表面に膜を作るので、保湿効果があるとされています。
アイルランドにも「海藻浴」という、様々な海藻を玉ねぎが入った茶色のネットのような物に入れたお風呂用の商品がありますし、機会があれば昆布風呂にトライしてみるといいかもしれません。
食べても美味しい、肌から摂取しても嬉しいがごめ昆布のフコイダン成分。
明日からお味噌汁のわかめをがごめ昆布に変えたくなっちゃいますね。
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