子どもの歯ブラシ事故に注意!事故事例に学ぶ原因と防止策

実際に起こった歯ブラシ事故の事例、原因と防止策を紹介。歯磨き中に歯ブラシをくわえたまま転んでノドを突くといった、子どもの歯ブラシによる事故が後を絶ちません。危険を予測し、事故を未然に防ぎましょう。

執筆者: 桜井 涼 職業:メンタルケア心理士、コラムニスト
子どもの歯ブラシによる事故を防ぐには?

こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。


6月4日は、虫歯予防デーですね。
小さいうちから歯磨きを習慣づけ、虫歯のない子にしようと一生懸命にがんばっているママたちを多く見てきました。

著者もその一人ですが、それ以外にも気をつけたことがあります。

それは、歯ブラシ関連の事故です。

 

 

ちょっとしたケガでも、口の中であれば痛みの感じ方はかなりです。

食べ物や飲み物が患部に当たっただけでも非常に痛みますので、歯ブラシ事故には十分注意していただきたいと思います。

特に幼児期前期に起こりやすい「くわえ歯ブラシ事故」の実例

くわえ歯ブラシの事故が起こりやすいのは、1歳6ヶ月~2歳までの間であると、2017年8月号の歯科衛生だより(発行:公益社団法人 日本歯科衛生士会)にて報告されています。

その割合は、0~6歳までの年齢の中で約3割を占めていることもわかっています。

 

※参考情報:歯科衛生だより2017年8月号(発行:公益社団法人 日本歯科衛生士会 https://www.jdha.or.jp/pdf/hatookuchi_2017080101_2.pdf

 

実例1:くわえ歯ブラシで転倒

友人の息子のKくん(当時2歳)は、安全器具付きの歯ブラシで歯磨きをしていました。

そのとき、玄関チャイムが鳴りました。

お母さんが玄関に行って応対をしていると、後ろからKくんの鳴き声が!

慌てて戻ってみると、Kくんは転んでおり、口の周りは血だらけでした。

安全器具付きの歯ブラシを使っていましたが、上唇と歯茎の間に当たったようで切れて出血していました。

実例2:歩行器に乗せての歯磨き

著者の娘(当時1歳7ヶ月)は、歩行器が大のお気に入りで、何をするにも乗っていました。

歯磨きのときも例外ではなく、歩行器から降りようとしませんでした。

 

ある日、小さいブラシを私が持ち、娘の歯を磨こうとしたときです。

歩行器に乗っていた娘が、ふっと足をばたつかせて立とうとしたのです。

それにより、歯と歯茎にブラシが当たってしまい、薄い皮がむけた感じで少し出血してしまいました。

 

 

 

上の2例は、身近で起こった事故ですが、消費者庁が公開している事例には、もっと怖いものもあります。

 

歯ブラシをくわえたまま走り転倒。喉に刺さって嘔吐し、鼻と口から出血。

洗面台の椅子から、歯ブラシをくわえたまま落下。歯ブラシヘッドが折れて口腔内に刺さり、救急要請。


ヒヤリハットの事例だけでなく、このように救急要請をしなければならないほどの事例が数多く寄せられています。

 

※参考情報:乳幼児の歯ブラシによる事故に注意!(消費者庁・独立行政法人国民生活センター)http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/130328kouhyou_1.pdf

歯ブラシ事故の原因は?

低年齢の子どもに多い歯ブラシ事故の原因は、次のとおりです。

 

  • 安全対策がなされていない歯ブラシを与えている
  • 歯磨き中に目を離すことがある(歯ブラシを渡しっぱなし)
  • 不安定な場所での歯磨き(移動も含む)


年齢が低いと、どうしても歯磨きをしながら歩いたり走ったりということがあるかと思います。

著者のようにハイハイしながらだと危ないと考え、歩行器などの座るものを使って歯磨きをする場合もあるでしょう。

ですが、不安定さがあるため、ケガをさせてしまう恐れもあります。

こういった危険性を最初のうちに把握することで、大きな事故に繋がることを回避できるのではないでしょうか。

歯ブラシによる事故は、注意すれば防げる!

各家庭において、環境や危険箇所だと考えるところは違ってきます。

でも、基本的な考え方『安全に歯磨き』は変わりません。そこを軸にします。基本の軸となるのは、事故の原因になる部分です。
危険から守ってあげるためにできるのは、危険をどうやって安全に近くなるようにできるかです。
事故を誘発する要因となる物や行動を、安全なものに換えられないか目を向けてみましょう。

 

歯ブラシ事故を防ぐためにできること
  • 安全対策がされている歯ブラシを与える
  • 歯磨き中に絶対に目を離さない
  • 歯ブラシを渡しっぱなしにしない
  • 歯磨きのときは歌を歌い聞かせて、素早く終わらせる
  • 歯磨きテーマの絵本や番組を活用する(歯磨き時間に流すなど)

 

 

危険を予測し、安全に換えよう

子どもに動かないように叱ってばかりでは歯磨きが楽しくないものになりますし、叱らなければならない親も疲れます。
事故は、一瞬の間に起こります。

気をつけていたつもりでも、起こってしまうこともあるのです。

だからこそ、危険を安全に変換するような考え方が必要です。

 

「あのときこうしていれば…」と後悔しないために

歯ブラシに関するヒヤリハットや実際に起きてしまった事故は、未然に防げるものもたくさんあります。

 

子どもが歯磨きをするときは、親にとっては、忙しい時間帯かもしれません。

ですが、子どもに歯ブラシだけを渡して目を離している間に、事例のような事故が起きないとも限りません。

ぜひ注意していただきたいと思います。

 
 コラムニスト情報
桜井 涼
性別:女性  |   職業:メンタルケア心理士、コラムニスト

元学習塾講師。妊娠出産のハプニングを乗り越え、現在は2児の母。
その頃より子どもの心の動きや医療に関係することに興味を持つ。

2009年より文筆家として活動。
子どもの心に関するコラム、子どもの心が正常に育つために夫婦へのアドバイス、子どもの病気関係を取材しコラムを執筆中。
心の闇を抱える子どもへの取材や心理学を学び、2016年「メンタルケア心理士」資格を取得。

ブログ『フリーライター桜井涼のたなごころ』
http://ameblo.jp/miehime0617/