こんにちは。デザイナー&スタイリストの前田美奈子です。
近年ますますおしゃれに欠かせないアイテムとなってきた、帽子。
今回は特に最近大流行している「中折れ帽」の被り方についてです。
かつては男性用の帽子であった中折れ帽。中折れハット、ソフト帽と呼ぶこともあります。
クラウン(頭頂部分)が縦に折り込まれているのが特徴です。
主にウールフェルトやラビットファー、夏場はパナマや麦わら、ラフィアといった素材で広く販売されています。
昨今は性別問わず、コーディネート全体を引き締めるアイテムとして、広く被られるようになりました。
ぱっと頭に載せるだけでスタイリングが決まるので、なにげない服を少しきちんと見せたい時、またこなれた雰囲気を出したい時にとても便利なファッションアイテムです。
帽子全般に言えることですが、帽子を被る時には全身のバランスを見ることが大切です。
特に中折れ帽はクラウンが通常の丸型よりも高さがあるので、被る時にはバランスを第一に考えます。
方法はシンプルに。帽子から繋がる、縦長のラインを意識することです。
例を見てみましょう。
中折れハットに長いコート。
首にかけたファーを長く垂らし、さらにスリムなパンツで縦長のラインを上手に出しています。
帽子はコーディネートの中の1色と色を合わせ、全体を上手にまとめています。
グレーの中折れハットをかぶる彼女は帽子以外を黒でまとめました。
襟元のショールからパンツまで黒一色の縦長ラインを出しています。
重くなりがちなコーディネートを、帽子のライトグレーがアクセントとなり、視線が上に自然と引き上がり軽やかにみせています。
ジャンプスーツと中折れ帽のコンビネーションは、抜群です。
一枚着るだけで縦長のラインを演出できます。
肩に羽織った白いセーターも視線を上に持ち上げ、さらに足長効果を高くしています。
素材感のユニークな帽子を上手にかぶりこなし、バランス上手なコーディネートです。
特にクラウンが高くつばが広いタイプの中折れハットは、バランスを誤ると難しいアイテム。
スキニージーンズと何気ないタンクトップ、ごつめのスニーカーで全身を黒の細いラインにまとめ、すっきりと被りこなしています。
女性がはじめて中折れ帽を被る時には、違う自分に出会ったような胸のときめきを覚えるはず。
しかし、実は被る前から苦手、と感じる方も多いアイテムでもあります。
帽子の存在が自然と視線を上にあげてくれるので、全身の縦長のラインを意識すれば、上手にバランスをとることができます。
マキシ丈のワンピースやロングスカート、流行のきざしのあるワイドパンツも縦長のラインを出しやすいので、相性がよいです。
帽子を選ぶ時に、ベージュや生成り等明るい色は顔周りを明るく見せます。
グレーや黒といった落ち着いた色は影も濃く落ち、顔周り引き締める効果があるので、それも意識してみてください。
被り慣れてしまえば、中折れ帽ほどファッションにこなれた雰囲気を加えてくれる便利なアイテムはありません。
バランスよく被りこなして、おしゃれの幅を広げましょう。
|
|
関連コラム
|
|