“目ヂカラ”という言葉が、すっかり定着している現代。最近になって、タレ目メイクや猫目メイクなど、いろいろなアイメイクを楽しむようになりましたが、やはりパッチリ二重の大きな目というのは、女性たちの永遠の憧れ…。大きな目が良いとされるのは、いつ頃からなのだろうと思い、化粧や美人の歴史について調べてみました。


■浮世絵の美人画は、目は小さい!
いろいろな書籍を読みあさってみると、「江戸美人の化粧術」に江戸時代のアイメイクについて面白い記述を発見! 江戸時代の化粧書「都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)」の一説に「あまり大き過ぎたるは見苦し」と、女性の目について書かれているそう。確かに、浮世絵の美人画を並べてみると、目が細かったり、小さかったり見えます。

■江戸時代にもあったメイク本!
どうやら江戸時代では、大きすぎる目は見苦しいものだったようです。その証拠に、「都風俗化粧伝(みやこふうぞくけわいでん)」には、大きな目を細く見せるための視線の投げ方や、化粧の仕方まで挿絵つきで記載されています。毎月のように、美容雑誌が、目を大きく見せるためのメイク術を取り上げている現代では考えられないですね。

■アイラインの変わりに薄い紅!?
もちろん、小さい目を大きく見せる方法も指南されています。その方法は、まつ毛のあたりに薄い紅をさすというメイクテク。現代のアイラインのような役割だと思います。

江戸時代の人の感覚では、目は、大きすぎても、小さすぎても、ダメということのようです。大きい目が良い! とされる現代の方が、江戸時代よりもアイメイクはしやすいかもしれませんね。

(廣田美千代)

この記事を書いたコラムニスト

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