夏のNGスキンケア後編。美白化粧品・日焼け止めも使いすぎると悪影響?!肌を水や氷で冷やす美容法、効果はあるの?正しい肌のお手入れ方法をマスターしましょう。
皆さんこんにちは。スキンケアカウンセラーの松原好克です。
美しく歳を重ねるために必要な、正しい美容法をご紹介しています。
前回の全編に続き、後編でも「夏にNGのスキンケア」をお伝えします。
夏になると、紫外線やシミを気にするあまり、複数の美白化粧品を併用する人が増えますが、何でもかんでも闇雲に付ければ高い効果が得られるというわけではありません。
多くのコスメを試してこられた人はすでにお分かりだと思いますが、美白化粧品に限らず化粧品全般に言えるのは、肌の老化(シミ・シワ・たるみなど)を解消することはできず、あくまでも予防レベルだということ。
そこで、いかにシミを増やさないか、できてしまったシミをこれ以上大きくしないかを肝に銘じていただきたいのですが、美白化粧品の効果は個人差があるのです。
また、シミを防ぐ成分は浸透性に優れているものが多く、肌質によっては刺激を覚えることがあります。
つまり、たくさんの美白化粧品を付ければシミができないという理論は、効き方と肌への優しさを熟慮すると、決して正道とは言えません。
シミ予防を謳う美白化粧品の趣向は、メーカーによって千差万別です。
参考までに、厚生労働省が認可した有効成分は、「ビタミン誘導体・プラセンタエキス・アルプチン・リノール酸・トラネキサム酸・ナイアシンアミド・エグラ酸・ルシノール・カモミラET・エナジーシグナルAMP」などがあります。
私がお勧めしたいのは、比較的大衆に効果が現れやすい”ビタミンC誘導体”です。
ビタミンC誘導体は、性質によって様々なタイプが存在しますが、水に溶ける水溶性のものが大半を占めているので、夏場に重宝される化粧水に高配合されやすい傾向にあります。
加えて、シミだけでなく、エイジングケア全般に指向的なのも嬉しいですね。
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na・リン酸アスコルビルMg・アスコルビルリン酸Na・アスコルビン酸グルコシドなどと表記されているビタミンC誘導体が、トータルで1%以上入っている化粧水を選びましょう。
1%の目安としては、液を手に取ってみると、薄っすらと黄色がかっています。
2%以上になりますと、はっきり分かるくらい鮮明な黄色液になっています。
美肌を維持したいと願う女性にとって夏の日焼けは大敵ですが、毎日日焼け止めをコテコテに塗るのは、肌への負担を鑑みると考えものです。
日焼け止めに配合されている紫外線カット剤(紫外線反射剤・紫外線吸収剤)は、目に見えない光線を肌上で撃退するため、少なからず刺激となります。
夏に日焼けをしたくない気持ちはわかりますが、常用することで、吹き出物・発赤・肌荒れ・敏感肌などの発端になることが稀にあります。
肌に異常を感じない人でも、できれば必要最低限の使用に抑えたほうが賢明です。
最近の日焼け止めは、「SPF50+」「PA++++」の最高値を示した製品がほとんどです。
SPF1は素肌の状態を指し、SPF20であればその20倍日焼けを起こさないという見解になります。
日本人の肌は、約20分の紫外線を浴びると日焼けが始まると言われていますので、SPF20×20分=400分後まで日焼けを引き伸ばせるという理論です。
ですが、塗布量によって誤差が生じ、紫外線を浴びる季節・時間帯や肌質・汗量によりギャップがあります。
また、完全に紫外線の吸収を阻止しているわけではなく、あくまで皮膚が赤くなるまでの時間を表しているだけです。
大勢の人がこのカラクリに惑わされており、日焼け止めのSPFは、サンバーン(日焼け)が始まるまでの時間をどれだけ引き延ばせるかを示しているだけで、紫外線のブロック力そのものを提示しているわけではありません。
SPF20以上・PA+以上の紫外線ブロック力は、ほとんど変わりがないと思って良いでしょう。
実際に、同等の気候・時間帯を2日選び、それぞれSPF50+・PA++++の日焼け止めとSPF20・PA+の日焼け止めを同量塗布して、1時間~2時間ほど日光浴をしてみてください。
日焼け具合にそれほど差が生じないことがお分かりいただけると思います。
屋内活動が中心で、スーパーへの買い物・庭掃除・花の水やりなど外出が短時間の場合は、SPF20・PA+程度のファンデーションを4時間置きくらいに軽く塗り直せば、十分対応できます。
つまり、SPF20・PA+のものでもコマメに塗り直すことで、SPF50+ PA++++のものと同等の効果が得られるというわけです。
リキッドタイプより、パウダータイプがおすすめ
ポイントは、パウダーファンデーションタイプを選ぶということです。
パウダーファンデーションは、防腐剤や界面活性剤などの添加物が少ないだけでなく、リキッドファンデーションに比べて紫外線の反射力に優れており、且つ、落とすのも容易なため肌に優しいのです。
ただし、野外イベント・海水浴・農作業など外にいる時間が長い日や外仕事に携わっている人は、塗り直しの機会が少ないため、SPFとPAの値が高い日焼け止めを使用するべきでしょう。
なお、SPFとPAの値が高いものは、当然紫外線カット剤が多く含まれており肌への負担も大きくなるので、長時間外にいる時だけの使用に留めることをお勧めします。
夏になると、冷水・氷水・冷却タオルなどで顔を冷やす美容法が流行ります。
「冷たいものを与えるとキュッとなる」という感覚(立毛筋の収縮)があり、顔の引き締め・毛穴の狭小・皮脂の抑制などその目的は多岐に及びますが、皮膚のメカニズムと照らし合わせてみると首を傾げたくなります。
たるみの根本原因は、真皮層のコラーゲンやエラスチンの減少・変性と表情筋の衰えです。
毛穴の開きは、成長と共に自然に変化するので遺伝的なタイプが多いのですが、老化によるタイプは、顔のたるみに引っ張られて縦長(楕円状)になるという特徴があります。
皮脂の分泌は、身体のホルモン機能に左右されるため、故意に減らすことは困難です。
このようなエビデンス(科学的根拠)から、冷やすという単純なことで肌の変化を求めるのは酷でしょう。
百歩譲って、たとえ効果があったと実感しても、それは一時的なもので、根本的な解決にはなりません。
それどころか、冷やすという行為を日常的に繰り返すことにより、以下のような悩みを幇助する可能性があります。
- 血流が鈍るため、クマやくすみに拍車が掛かる。
- ターンオーバー(肌の新陳代謝)が阻害されるため、キメや滑らかさに亀裂が生じる。
- 急激な温度変化が加わるため、毛細血管が開いて赤ら顔を発症することがある。
冷やすことは、日焼け後の火照りを鎮めるには適切ですが、それ以外のメリットは少ないでしょう。
全身を浸かる水風呂も、昔から健康に良いと言われていますが、同様にあまりお勧めできません。
最新のスキンケア理論の重要項目に、刺激を抑えることと人体温(36℃~37℃)を保つことが挙げられます。
つまり、肌にプレッシャーを与える行為は、マイナス要因になりうるというわけです。
夏でも、日焼け後の対処以外で冷やすことはできるだけ避け、クレンジング・洗顔の際のすすぎ湯や入浴時の湯船の温度は、36℃~37℃の人体温程度の熱さに設定することが好ましいです。
夏場は軽装になるため、体型を気にする女性が増えますが、簡単に言えば、ダイエット理性が向上するということです。
その流れで美肌への関心も高くなる傾向にあり、通常の食事を美容飲料に置き換える人が後を絶ちません。
ですが、身体全体の健康を考えると、決して理想的とは言えないでしょう。
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