厳島神社はなぜ海の上にあるの?宮島観光スポット「厳島神社」の歴史と雑学
広島・宮島で絶対外せない「厳島神社」の魅力を紹介。その歴史や、海の上に建てられた理由、干潮と満潮で姿が変わる大鳥居の見どころについて解説します。
どちらも広島の観光地とは知っていても、全く別の場所と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
安芸国=広島県。
そして、嚴島=宮島。
瀬戸内海に浮かぶ同じ島をさしています。
正式名称は嚴島、宮島は通称。
観光などでは「安芸の宮島」と案内されることが多いようです。
広島県廿日市市の瀬戸内海に位置する「安芸の宮島」で知られる嚴島にある「嚴島神社」。
宮城県松島・京都府天橋立とともに日本三景のひとつに数えられる日本を代表する名勝地です。
1996(平成8)年に、前面の海と背後の弥山も含めにユネスコ世界遺産に登録されました。
嚴島神社は、推古天皇の時代(593年)に創建、その後平安時代(1168年)平清盛により造営され今の姿になりました。
寝殿造りを取り入れた社殿は、幾度もの災害に見舞われながらも、約850年以上もの間当時の様式を守り再建され、
ほぼ清盛の時代の姿のまま今に引き継がれています。
海の上の社殿でありながら、御本社は清盛以降一度も水没していないというのですから驚きです。
それは、古来より厳島(宮島)は島全体、島そのものがご神体として信仰の対象だったからです。
ご神体の上に建物を建てるのは畏れ多いと、内地を避け創建されたと伝えられています。
鳥居は、そもそも聖なる神の領域と、俗なる人間界を区別する結界の役割を果たすと同時に、神域への入り口を表します。
神様と人を結ぶ接点でもある大鳥居。
海に浮かぶ神秘的な姿は、平安の世から時を超え人々を魅了して止みません。
海に浮かぶ神社ならではのポイントがあります。
それは、潮の満ち引きにより見える姿が全く違ってくることです。
満潮時には海の中にある大鳥居の姿を見ることができますが、潮が引いている時間帯には大鳥居の真下まで歩いて渡ることができます。
鳥居に直接触れることもでき、遠くからでは確認できない見どころもあるのでお勧めです。
神様が宿る島、宮島(=厳島)。
古来、嚴島は「伊都岐島」と書き、「いつきしま」と呼ばれていました。
神に斎く(いつく=心身の汚れを清めて神に仕える)が語源です。
大鳥居の扁額には海側の正面は「嚴嶋神社」、社殿がある背面側には「伊都岐島神社」と書かれており、表記が違います。
大鳥居の屋根にも注目してみましょう。
東側は「太陽」、西側には「月」の模様が描かれています。
陰陽道では、北東が鬼門、東に太陽を描くことで鬼門封じをしたとされています。
干潮時に鳥居に近付くことができたなら、海側と社殿側の文字の違い、月と太陽、ぜひ確かめてみてください。
現在の大鳥居は、平清盛の時代から数え8代目。
明治8年に建立されました。
樹齢500~600年、周囲約10mの巨大なクスの自然木の主柱は圧巻の迫力!
木造の鳥居としては、国内最大級の規模を誇ります。
実はこの大鳥居、地中に埋め込まれ差し込んであるのではなく、自然の重みのみで立っています。
台風や暴風雨による高波にも負けず、140年もの間一度も倒れたことがないというのですから驚きです。
潮が引いた時、大鳥居の下まで歩いて行って記念写真を撮るのも楽しいですが、ポスターなどでよく見かける海に浮かんだような厳島神社や大鳥居の美しさも捨てがたいものがあります。
両方見ることができたら、一番の贅沢ですね。
弥山や宮島水族館、商店街やオシャレなカフェなど、宮島には厳島神社以外にも楽しめるスポットがあります。
思い切って宮島のホテルや旅館に宿泊して、満潮時と干潮時、どちらの風景も目にしてみてはいかがでしょうか。
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