[スペイン旅行の防犯術]スリ、置き引き、ひったくり…日本人観光客狙いの盗難手口と対策方法

盗難の最も多い国としても有名な「スペイン」。ひったくりやスリ・置き引きなど、日本人観光客が被害になりやすい犯罪の手口とその対策とは。ホテルや教会、空港など、場所別に解説。

執筆者: colonnayumi 職業:ツアーコンダクター、料理家、インバウンド通訳ガイド
スペイン旅行中は気をつけて!観光客狙いの盗難手口あれこれ

日本人のみならず、世界中の人々を魅了する情熱の国スペイン。
スペインと聞いて思い浮かぶのは、、闘牛、フラメンコ、パエリヤ、ガウデイ、サグラダファミリアなど、数えきれないほどの見どころやグルメではないでしょうか。


そんな素敵な国スペインですが、残念ながら盗難の最も多い国としても上位にランクインしています。
今回は、その盗難手口や防御対策についてご紹介したいと思います。

 

それでは、盗難にあいやすい場所別に見ていきましょう。

 

 

空港や駅などの人混みの中
スリ、置き引きが多発!

スリ、置き引きが非常に多い場所です。

特に駅構内は、スリ・置き引きが頻繁に発生しています。

 

被害の事例
  • 両替している間に足元に置いたバッグがない。
  • 待ち時間の間に、椅子に座ってうっかり寝込んでしまった隙にバッグを盗まれた。

 

対策「バッグは体から離さない」

バッグは必ず手で前に抱えるか、足元で挟んでください。
絶対に体から離さないようにするのがポイントです。

 

パスポートや現金の入った財布、カードなどの貴重品類は、バッグの奥底へしまっておきましょう。

 

電車、 地下鉄、バスなど公共の乗り物の中
物乞いや演奏する人に注意!
被害の事例
  • 貧相な身なりで物乞いのフリをして、「お金をください」と手のひらを出して近づいてくる。

  可哀想だからとお財布を開けてお金を出そうすると、財布をひったくって逃げていく。

 

  • たまにミュージシャンも乗ってきて、演奏をしている。

  チップを要求するが、お財布を開けたらおしまい。すられるのがオチ。

 

対策「公衆の面前では、財布を出さない」

公衆の面前では、バッグ開けたり、お財布を出したりするのやめましょう。
常に小銭を幾らかポケット入れておくと便利です。

 

それにしても、物乞いには同情の余地なし。

無視しましょう。

 

Hotelのロビーや部屋
旅行者狙いの泥棒がいっぱい。部屋まで狙われている!
被害の事例
  • 宿泊客を装ってソファなどに座り、待機して獲物がいないか物色。

  観光客風の服装、紳士的なダンデイーなオジ様風、若い美女など、様々ですので、見かけに騙されないように!

 

  • グループチェックインを狙って待機。

  グループが到着すると、人混みに紛れて置いてあるバッグを持ち逃げ。

 

  • Hotelのスタッフやハウスキーピング(客室清掃)を装う。

  本物の制服に似たような格好をしてHotel内へ侵入し、盗みをはたらく。

 

  • チェックアウト時の朝の時間帯は、ハウスキーピングがドアを開けて清掃をしています(※)。

  そこを狙って、コソ泥が部屋の宿泊客を装って侵入してきます。
  ハウスキーピングは、お客様が戻ってきたのかと思い何も質問をしないので、コソ泥は堂々と部屋へ入り、金目の物がないか物色するそう。

 

※ドアを開けっぱなしにするのは、セキュリティの為らしく…ハウスキーピングが部屋内にドア閉めっきりで1人にならないようにという理由から。

 

対策「貴重品は置きっぱなしにしない」

決して、部屋内には貴重品は置きっ放しにしないでくださいね。

貴重品は部屋内にあるセイフテイボックスに入れるか、持って出かけましょう。

 

教会内部とその周辺
スリにとって、格好の仕事場

ジプシーと呼ばれるスラブ系の泥棒たちが教会内外にたむろしています。
彼等は、スリが職業です。

 

被害の事例
  • 手に新聞紙や段ボールを持って近づいて来て取り囲み、その隙に財布をすっていく。

  子供たちや赤ちゃんを抱いたジプシーが多い。

 

  • しつこくローズマリーを手渡してくる。

  うっかりもらうと法外なお金を請求し、財布を出してしまうとすってにげていく。

 

対策「ジプシーは相手にしない」

ジプシーはとにかく相手にしないことですね。
どんな人がジプシーなのかがわからないという方も多いと思いますが、スラブ系の浅黒い顔をしており、ロングスカートにスカーフを頭からかぶっているという出で立ちが多いです。

 

ですが、最近は普通の人とあまり区別がつかない格好をしています。

こちらも話しかけられたら、とにかく無視をすることです。

観光地
観光客狙いの犯罪多数!
被害の事例
  • シャッターを押してくれませんか?と話しかけてくる。

  若い美女や新婚さんを装ったカップルなどが、両手があいた隙に巧妙に財布をすっていく。

 

  • 勝手にムリやり手首にミサンガを編んでくる男。

  これも、違法な値段をふっかけてくる。

 

  • 警察官を装って、「パスポートを見せろ。」と話しかけてくる。

  しまいには、クレジットカード持っているかとか質問をしてきて、全て持ち逃げされる。

 

  • 路上でのバイクのひったくり。

 

  • 観光地の有名な広場には、たくさんパフォーマンスをしている人がいるが、その中で質の悪いのが、アニメのキャラクターや可愛い動物などの着ぐるみ着ている人達。

  一緒に写真を撮ろうと言って近寄ってきて、肩を組んでポーズをとったりするので、家族づれだと子供達は大喜び。すると、写真代だと言い、高額の料金を吹っかけてくる。

 

対策「見ず知らずの人は無視するに限る」

泥棒とまともな観光客の区別は難しいので、見ず知らずの人に声をかけられたらあまり相手にしない方がいいでしょう。
本物の警察官は、町で出会っても、何もしていなければ職務質問もパスポートを見せろと話しかけてくることもありません。

そのような場合は、疑ってかかった方がよさそうです。

また、着ぐるみの人達はかなりしつこいので、写真は撮らない方が懸命です。

いずれも、無視に限ります。

 

バイクのひったくり対策としては、相手が不利なるよう、バッグは車道側ではなく歩道側かける、又はバッグを衣服の中に入れるなど工夫をしましょう。

 

美術館や博物館
絵画や彫刻に見とれているうちに…

とにかく泥棒がいっぱいいます。

入場料を支払って観光客を装って獲物を探しています。

 

被害の事例
  • 絵画や彫刻に見とれているうちに、あっという間にバッグが開けられて中から財布が盗まれていたというケースが非常に多いです。

 

対策「鑑賞中も油断しない」

とにかく自分自身で気をつけるしかありません。

 

おわりに

泥棒達は、あの手この手で、あなたのお金を狙っています。
ここに挙げたのも、ほんの一部にしか過ぎません。


気をつけてさえいれば楽しい時間を過ごせますので、隙がないように常に周囲に気をつけましょう。
しかしながら、刃物やピストルを使ったりするといった凶悪犯ではありませんので、その辺りはご安心を。


気をつけてさえいれば問題ありませんので、自分の身は自分で守って楽しいスペインの想い出を作ってください。

 
 コラムニスト情報
colonnayumi
職業:ツアーコンダクター、料理家、インバウンド通訳ガイド

海外ツアーコンダクター、料理家、インバウンド通訳ガイド、日本旅行作家協会会員。