初心者のピアノ上達には「暗譜(ソルフェージュ)練習」が必須!楽譜を理論的に理解するコツとは

執筆者: 小川 瞳 職業:ピアニスト
はじめに

こんにちは、ピアニストの小川瞳です。
今回は、多くの方が悩んでいると思われる、暗譜(あんぷ)についてお話しします。

 

ピアノは一般的に、本番では暗譜で弾く慣習があります。
暗譜とは、楽譜を覚えて、楽譜を見ずに弾くことです。

 

ソルフェージュ能力とも呼ばれ、音楽大学や養成機関ではこの暗譜能力を測るテストが行われることもあります。

 

ソルフェージュ(フランス語: solfège)とは西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練のことである。ソルフェージュは楽譜を中心とした音楽理論を実際の音に結びつける訓練を指す。これらの訓練を通じて得られる能力、特に読譜能力はソルフェージュ能力と呼ばれる。(wikipedia引用)

 

 

暗記との違い

ピアノ曲は長い曲だと30分ほどありますし、短い曲でも左右の手で色々な音楽を奏でなければいけないので、覚えるのは一苦労です。


しかも、ただ覚えれば良いわけではなく、本番で間違えないように演奏しなければなりません。

普通の暗記でしたら、迷ってから答えたり、間違えてしまっても書き直したりすることが可能です。
しかし音楽の場合は、一瞬でも分からなくなったらそこで音楽が破綻してしまいます。
だからこそしっかりと暗譜する必要があるのです。

 

また、ピアノ演奏の場合は打点、バランス、弾くタイミングなども暗譜に含まれます。

ただ丸暗記をすればいいというものではないのです。

指に意識を集中させることが大切

何度も何度も繰り返して練習していれば、自然に曲を記憶することが出来ると思います。

ただし、本番で弾くためには、自然に出来ただけの暗譜では不安です。

 

そこで、確実性を増すためには、指と脳と耳の感覚を鋭くする必要があると思います。

たくさん練習を重ねると、無意識の状態でも指が動くようになります。
でもその漠然とした覚え方だと、本番の緊張感の中では失敗しやすいのです。

 

常に指に意識を集中し、どの指でどの音を弾いているのか、きちんと把握すると良いです。

 

和声学を勉強する

音楽には和声進行という要素があります。
和声の並びには法則性があるので、和声学を勉強し、音楽の流れを理屈でも捉えると、暗譜の確実性が増します。


ただし、これは和声学を勉強する必要があるので、初心者の方にはあまりお勧め出来ないかもしれません。

細かい音楽も耳でしっかり聴き取る

耳で細かい音楽まで注意深く聴き取ることも、暗譜を定着させる上で大切なことだと思います。
メロディだけではなく、和音の細かな動きも、一つ一つ耳で捉えて、自分の中に音楽を吸収するような気持ちで練習してみて下さい。

ただでさえ緊張する本番で、楽譜を見ずに弾くのはとても大変なことだと思います。
しかしきちんと暗譜を出来た後は、家で練習している時も、いちいち譜めくりをする必要もなくなります

 

また、きちんと頭で記憶することで、音楽的に長いフレーズで曲を捉えることが出来るので、演奏力の向上にも繋がります。

 

 

おわりに

暗譜にあまり慣れていない方は、例えステージで演奏する予定のない曲でも、ある程度仕上がったら暗譜をする習慣を付けると良いでしょう。

また普段から、耳にした音楽をすぐ頭に入れて記憶するなど、日常生活にも取り入れてみると良いですよ。

 
 コラムニスト情報
小川 瞳
性別:女性  |   職業:ピアニスト

ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/

小川瞳作曲 笑顔のBGM
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