大型ハリケーン・サイクロンに備えたい!「GONZALO」の被害から学ぶ、自然災害対策
2014年9月、セント・マーチン島にハリケーン「GONZALO」が直撃しました。
恐ろしい体験でしたが、同時に大自然の脅威を知る事が出来た、貴重な経験でもありました。
その経験と対策についてご紹介します。
カリブ諸島は、ハリケーンの通り道です。
この地域を通過するハリケーンの発生地は、少し意外かもしれませんが、アフリカ大陸の北西部、大西洋沖です。
そこから西に向かい、カリブ諸島を北上し、フロリダ半島方面に向かいます。
ハリケーンとは、風速約119km(時速)以上のものをいいます。
それより弱いものは、トロピカルストームなどと呼ばれます。
ハリケーンの強さを想像する為には、窓ガラスの付いていない車、あるいはバイクに乗り、時速119km以上で走った時に正面から受ける風を思い浮かべていただくと良いかと思います。
大型ハリケーンになると、時速200kmを越える強さです。
ハリケーンの領域に入ってから対策出来る事は、ほとんどありません。
従って、それ以前での対応が必要です。
細かい対処法は色々とありますが、重要なものは以下の通りとなります。
しまえないもの以外、全て屋内に入れましょう。
外に置いたままのモノは紛失・破損の覚悟が必要です。
例えば、金属でしっかり固定してあるテレビのサテライトアンテナも地面に落ち、破壊されます。
シャッターは完全に閉め切らないと隙間から風が入り込み、破損の原因になります。
当然ですが、強風時には絶対に外に出ないようにしましょう。
何が飛んでくるか分かりません。
もし風圧でガラスが割れた場合に、ガラスが粉々になるのを防ぐ為です。
実際に凄い風圧が窓ガラスにかかっていたので、ガラスが割れるか、あるいは窓のフレームごと外れてしまうか心配しました。
ビニールなど水を通さない素材をかませ、ドアを閉める事によって浸水を抑える事ができます。
人間が生き延びるにあたり、一番重要な飲み水を確保しましょう。
2週間分くらいあれば安心です。
料理用の水も必要なので、多めにストックしておくのに超したことはありません。
ハリケーン中は水が使えたとしても、翌日から断水することがあります。
今回はハリケーン翌日、丸一日断水しました。
ハリケーンに巻き込まれると、恐らく停電します。
ロウソクや炭、ガスコンロやBBQセット、それから缶詰などの非常食を用意しましょう。
また、固定電話やインターネットが遮断されても、外部と連絡が取れるよう携帯電話の電源はフルにしておきましょう。
電源がある時には、ハリケーンの最新情勢をチェックしましょう。
急に勢力が強まったり、進路が変わったりする場合があります。
今まで、年に数回トロピカルストームが接近してきたことはありました。
しかしそれとハリケーンは明らかに別次元だということが分かりました。
今回のGONZALOは、島の直前で急に勢力が増し(トロピカルストームからハリケーンへ格上)、そして見事に直撃しました。
こういう事もあり得ますので、少し大げさと思うくらいの対策でちょうど良いでしょう。
|
|
カリブ海セント・マーチン島在住のガイド&ラム酒の輸出者。
Gwad-Link(グアドリンク)代表。
新刊【セント・マーチン島 グルメガイド 2016 (Kindle版) 】
http://gwad-link.com
|
|