はじめに

スキンケアカウンセラー・コスメ薬事法管理者の松原好克と申します。

 

前回に続き、化粧品でよく見るNGな広告表現において、関心の高いキーワードを取り上げて、本物と偽者の見極め方を解説させていただきます。

 

出来ることならなかったことに!「シミ」について

シミは効果効能の範囲で、「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」が言えますが、一般化粧品ではUVアイテムに限られています。

また、薬用化粧品であっても、必ず「日やけによる」という縛り語句をつけなくてはいけません。

 

以下のような広告表現がある化粧品は注意しましょう。

  • シミが消える
  • シミが目立たなくなる(メイクアップ料なら可)
  • 頑固なシミに など

 

なお、美白やホワイトニングというワードは、薬用化粧品のみ使えますが、「メラニンの生成を抑え、日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」という注記が必要です。

 

シミ対策化粧品の選び方

シミ対策化粧品を選ぶ際は、以下のような観点を重視しましょう。

  • 「日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。」とはっきり謳ってあるもの
  • 「日やけによるシミを増やさない。」などという予防表現が適宜であるもの
  • 「医薬部外品(薬用化粧品)」と記載があるものが堅い


また、シワ対策化粧品と同様、美容成分を吟味して選ぶのも良いでしょう。


厚生労働省から、医薬部外品の有効成分として認可されている代表的なものを挙げてみました。


ビタミンC誘導体、アルブチン、プラセンタエキス、トラネキサム酸、カモミラET、ナイアシンアミド、ルシノール、エナジーシグナルAMPなどがお勧めです。


※これらの成分が入った化粧品も、医薬品医療機器等法(旧薬事法)の範囲内で広告表現されているものでないといけません。

オールシーズン気になる「保湿」について

保湿化粧品に関しては、肌の機能を強く表現したものは偽者です。


例えば、「肌の保湿力がアップする」「バリア機能を回復させる」など。
本物の保湿化粧品は、「肌の水分を補ってしっとり保湿する」「良好な潤い感」など、弱い表現を的確に生かした謳い文句になっています。

 

保湿化粧品の選び方

なお、保湿化粧品を選ぶ際は、成分にこだわったものが良いでしょう。
「保湿力に優れたグリセリンを配合!」など、成分そのものの説明は、皮膚の機能とは関係ないため問題ないのです。


保湿成分としては、セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンなどがお勧めです。


※これらの成分が入った化粧品も、医薬品医療機器等法(旧薬事法)の範囲内で広告表現されているものでないといけません。

 

 

よく見ると気になってくる…「毛穴」について

最近は、毛穴の悩みを狙った化粧品が多くなりました。
肌のメカニズム上、開いてしまった毛穴を小さくすることはできませんが、予防は可能です。

 

見極めポイント

単に、「毛穴が目立たなくなる」「毛穴が引き締まる」と言っているものは偽者です。


「汚れを取り除くことで毛穴が目立たなくなる」と謳っているものや、一般化粧品の効果効能にある「肌をひきしめる。」を用いて、「肌をひきしめることで毛穴が目立たなくなる」と謳っている化粧品が本物です。

毛穴の黒ずみに関しては、こちらも一般化粧品の効果効能にある「(汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする。」を絡めたものなら大丈夫でしょう。

お肌全体を印象付ける「くすみ」について

「くすみが消える」だけを強調しているものは偽者ですが、「肌の汚れや古い角質を落とすことで透明感が出る」などと表現されているものは、法律に準じた本物です。


アイテムとしては、ピーリング化粧品がお勧めです。

その他の注意したい広告表現まとめ

表現内容にもよりますが、以下のようなワードが記載されている化粧品は要注意です。

  • 肌が若返る、肌の若返り、肌の若さを取り戻す、肌の若さを保つ
  • 肌の老化防止
  • 肌のアンチエイジング(エイジングケアは可)
  • 肌の抗酸化(肌の酸化を防ぐも不可)
  • 肌のフリーラジカルを除去
  • 肌の細胞を活性化

※角質層までしか浸透しない化粧品成分が、死んだ細胞の集まりである角質細胞を活性化させることはない

  • 肌の奥に浸透する(角質層までの浸透表現は可)
  • 100%天然化粧品(天然成分配合というロジックは可)
  • 安心・安全な化粧品
  • 刺激が無い(「低刺激性」「刺激が少ない」はキャッチフレーズに使わなければ可)

 

適正広告基準に抵触した事項について

以下のような内容が、紹介文に記載されている化粧品は要注意です。

  • 前代未聞の特殊製法や画期的な成分開発を謳っているもの
  • アレルギーテスト済み(「全ての方にアレルギーが起こらないとは限りません」という注記があれば可)
  • 臨床データや実験例の掲載(効果効能や安全性について誤解を招く恐れがあるため原則として行わないとされている)
  • Befor(使用前)/After(使用後)の写真掲載(効果効能や安全性の保証に繋がる恐れがあるため違反となる)

※メイクアップ料はその限りではない

  • 体験談(使用感を説明する程度は可)

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