化粧水の知られざる真実と堅い選び方

皆さん、こんにちは。
スキンケアカウンセラーの松原好克です。

カウンセリングをさせていただく女性に、「毎日のスキンケアの中で最も大切なアイテムは何ですか?」と訊ねると、約6割~7割の人が「化粧水」と答えます。

つまり、毎日のスキンケアに、化粧水は欠かせない存在となっているのです。

今回のコラムでは、化粧水の知られざる真実と堅い選び方をお伝えします。

 

 

化粧水とは

別名「ローション(英)」と呼ばれており、洗顔後の清潔な肌に最初に塗布する、水状のスキンケア化粧品です。

化粧水には、保湿を目的にした「エモリエント化粧水」、さっぱり感や引き締め感を促す「収斂(しゅうれん)化粧水」、この2つが主流になっています。

 

最近では、シミ対策に特化した「美白化粧水」も増えています。

化粧水でお肌に水分補給は出来る?

化粧水の用途で最も盛んに行われているのが、「肌に水分を補給する」です。
ここで多くの女性が勘違いしているのが、水分を与えることで、肌の水分も増えるという間違った見識です。

皮膚の水分保持の仕組み

皮膚の水分は、体の奥で作られた後、角質層の下の表皮細胞と呼ばれる部分から湧き出し、角質層の細胞間脂質(主にセラミド)へ運ばれて保持されます。


その細胞間脂質(主にセラミド)の水分保持に対する貢献度は、約80%となっており、潤いのある肌は正に細胞間脂質(主にセラミド)の環境によって決まる、と言っても過言ではありません。


水分に満たされた細胞間脂質(主にセラミド)をイメージで表すと、スポンジに水を含ませたような感じです。

細胞間脂質(主にセラミド)は、バリア機能も担う

皮膚の角質層には、外部からの侵入物を防ぐバリア機能が備わっており、そのバリア機能の中心を掌っているのも、細胞間脂質(主にセラミド)です。

 

その名の通り脂で出来ているため、水をはじく性質です。
入浴や洗顔などで、体の中に水が入っていかないのは、そのおかげですね。

 

 

化粧水の水分が、肌の水分になるわけではない

これらの細胞間脂質(主にセラミド)の特徴を考えると、外から大量に化粧水を塗布しても肌の水分と結合することはなく、表面に留まっているだけです。

 

つまり、「肌の水分」と「化粧水の水分」は全く別物なのです。

肌に与えた水分のほとんどは蒸発している!

そして、人間には体温があるため、水分そのものは、時間と共に蒸発してしまいます。
つまり、根本的な保湿ケアにはならず、肌の潤い感をアップさせることはできません。

 

時間と共に蒸発したことを、浸透したと勘違いしている人がほとんどです。

 

保湿の重要なポイントは…

保湿は文字通り湿気を保つという意味で、体の奥から肌に届けられた水分を「どれだけ逃がさないようにするか」がポイントになります。


そのためには、細胞間脂質(主にセラミド)と関係が深い保湿成分(セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチンなど)を、どれだけ補うことができるかがキーになります。

化粧水に配合される保湿成分は微量

化粧水は約90%~95%が水で構成されているため、細胞間脂質(主にセラミド)に効果的にアプローチする量の保湿成分を配合することは困難です。

つまり、化粧水というのは、一時的に肌を濡らしている程度と考えたほうが良いのです。
逆に、化粧水を多量に付け過ぎたり、ミストローションを頻繁に使用すると、余計に乾燥を促進する原因になります。

 

なお、ご参考までに申し上げると、美容液は約80%~85%が水で構成されています。

お顔の乾燥は、唇荒れや手荒れと同じ

わかりやすく、冬場に起こりやすい「唇荒れ」と「手荒れ」に例えてみます。

皆さんもご経験があると思いますが、唇が乾燥するからといって唾液で濡らすと、さらに荒れがひどくなり、さらに何回も繰り返すと、ヒリヒリしてきます。


手荒れにつきましては、水仕事をする方はお分かりだと思いますが、水に濡らしたり乾かしたりを、短時間に何回もリピートすると、手がかさつき、さらにひどくなるとひび割れになります。


濡れた唇や手は、乾く際に皮膚の水分も一緒に奪って蒸発するため、頻繁に繰り返すことで、荒れを急速に進行させます。
つまり、濡らすことは、肌を乾燥させるのです。

 

化粧水やローションの付け過ぎによる慢性的な乾燥肌も、これと同じような原理で起こります。

 

冬場だけ肌が乾燥する人は

1年中顔が乾燥するという人は、元々の肌質が影響していることも考えられますが、冬場だけ乾燥が気になるという人は、化粧水を浴びるように付けている、あるいは昼間にミストローションを使用しているなどが原因になっていることもあります。

また、化粧水やローションを付けてから15分経過後、つける前より突っ張り感やかさつき感を覚える人は「乾燥肌予備軍」ですので注意が必要です。

よく観察してみると、唇ケア製品やハンドケア製品には水っぽいものはなく、テクスチャーが硬いスティック状やクリーム状のものがほとんどです。

 

それは、水っぽいものは荒れを抑える効果性が悪いことに加えて、有効成分を多く配合できないからです。

 

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