ボーイングやエアバスの機体名、つけ方に法則はある?旅客機のネーミングQ&A (1/2)

執筆者: 奥之園 誠 職業:航空アナリスト
ボーイングやエアバスの旅客機のネーミングについて

「ボーイング787」、「エアバスA380」などと、飛行機が呼ばれているのを耳にしたことがあると思います。
ですが、あまり気に留めてない方も多いのではないでしょうか。

今回は、ボーイングとエアバスの機体の命名の法則についてお話します。

 

ボーイング787-8 

 

Q.「787」や「A380」って何ですか?
A.モデルナンバーです

この「787」や「A380」というのは、モデルナンバーです。

航空機メーカーは色々な機材を製造しており、それぞれにネーミング(モデルナンバー:機種名)がされています。

 

まず、ボーイング機ですが、「7」で始まる、3桁の数字になっています。

一方のエアバス機は、「A3」で始まる、Aと300番台の数字の組み合わせとなっています。

 

両社の開発順のモデルナンバーは、以下のラインナップになります。

 

  • ボーイング:707*、720*、727*、737、747、757*、767、717*、777、787
  • エアバス :A300*、A310*、A320、A330、A340*、A321、A319、A318、A380、A350

 

*は、製造販売中止のものです。


エアバス A350-900XWB

 

Q.ボーイングの機体のモデルナンバーは連番?
A.連番です

ボーイングの先頭の「7」は、ボーイング社でのジェット機のモデルナンバーを示します。

 

開発順は違えど、3桁の数字の最初の数字の7の後数字は、0から8の連番となっていますね。

最初にボーイングで登場したジェット機が「707」で、以降最新の「787」まで、連番が使われています。

 

最初の「707」を「700」としなかったのは、インパクトが無いとの理由からだそうです。

 

「707」に続き、「727、737、747、767、717、777」、そして最新の「787」とリリースされています。

但し、ボーイング「717」については、買収したマクドネル・ダグラスで開発中の「MD95」シリーズの機体を、ボーイングが「717」と名づけて販売を行った機体です。

 

マクドネル・ダグラスの旧製品である「MD-11」や「MD-90」もボーイングが吸収した後は、「ボーイングMD-11」、「ボーイングMD-90」と言った機種名に変更されていますが、既に製造を終えています。

Q.ボーイングの機体の略し方は
A.「B+モデルナンバー」で呼びます

一例として「ボーイング787型機」を略して「B787」と呼びますが、「ボーイングB787」とは呼びません。

Bは「BOEING(ボーイング)」の略称で、B+モデルナンバーで呼びます。

 

すなわち、「B747、B777、B787」などですね。

専門誌などはBを除いて、「747、777、787」や「747型、777型、787型」などと表現する事もあります。

 

では、エアバスのAは何の略称?

エアバス機ですが、こちらは、AがエアバスのAを示すと思われがちですが、冒頭の話を思い出してください。

エアバスの場合、「A」ではなくて「A3」がモデルナンバーですので、正式には「エアバスA380、エアバスA340」という表現となります。

 

よって、略す場合は、「A380、A340」と、必ずA3の文字が先頭に付く事になります。

 

Q.エアバスの機体のモデルナンバーは、300番台が基本?
A.「A3」を継承している

エアバスは、最初に開発された機体(A300)が300人乗りであったことから、「300」の数字を引き継いでいます。

 

中型機の「A300」がエアバス最初の機体で、その後は小型の「A320」や、中型機の「A330」、超大型機の「A380」など開発され、モデルナンバーは全て「A3」を継承する体系となっています。

 

 
 コラムニスト情報
奥之園 誠
性別:男性  |   職業:航空アナリスト

航空ブロガー、航空検定1級。

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