琳派を表現した京都の和菓子たち。琳派展の入選作品を紹介 (1/2)

執筆者: 小倉 夢桜-Yume- 職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター
琳派の作品から発想を得た、新しい京菓子たち

こんにちは。京都で活動しております、和菓子ライフデザイナーの小倉 夢桜です。

 

琳派のイベントがたくさん

本年2015年は、本阿弥光悦が、徳川家康から京都鷹峰の領地を拝領してから400年という記念の年。
京都では、様々な琳派に関わるイベントが行われ、盛り上がりを見せています。


京都国立博物館では『琳派 京(みやこ)を彩る』が開催され、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一が描いた「風神雷神図屏風」をひと目見ようと、連日大勢の方が列を成しています。


また、『手のひらの自然・京菓子と琳派展2015』と題した展覧会が、11月7日(土)まで、上京区・有斐斎 弘道館で行われています。

今回は、その展覧会に関わる、琳派を表現したお菓子を中心にご紹介します。

 

手のひらの自然・京菓子と琳派展2015

京都御所の西側に位置する、数奇屋建築の建物を利用した文化施設「有斐斎 弘道館」では、毎年この時期にお菓子の展覧会が開催されています。

 

 

今年は琳派400年にちなみ、琳派をテーマにした京菓子のデザインを幅広く公募し、その中から入選作品を展示するといった内容の展覧会となっています。


館内には、入選作品がズラリとスタイリッシュに展示されています。
どのお菓子の意匠も美意識の高いものばかり。


この美しさを和菓子で表現しているところが、こちらの展覧会の面白いところでもあり、素晴らしいところです。
一般に販売されている和菓子とは違い、随所に和菓子職人さんの洗練されたセンスと技を垣間見ることができます。


それでは入選作品の中から、いくつかをご紹介させていただきます。

 

雪笹

尾形乾山『銹絵雪笹図鉢(さびえゆきささずばち)』を参考にした作品です。


 

作品コンセプトは、以下の通り。

 

多くの色からなる自然を白、黒で表現している作品を見て面白いと思い、尾形乾山の作品と同じ白と黒で雪と笹を表現。

 

 

とても落ち着いた二色の色合いと手の込んだ笹の細工、雪を表現した凍り餅がとても印象的な、伝統的な雰囲気を感じる練り切り製のお菓子です。

 

紅白梅図

尾形光琳『紅白梅図屏風』を参考にした作品です。

 

 

作品コンセプトは、以下の通り。

 

幽々と流れる水のきらめきを金箔で表し、対比する紅白梅とともに一つの菓子にしました。

 

 

川を羊羹で表現して、紅白梅を軽羹で表現した、京菓子の神髄を感じることができる抽象的なお菓子です。
紅白梅図屏風が手のひらサイズに見事に収まったような作品です。

 
 コラムニスト情報
小倉 夢桜-Yume-
性別:男性  |   職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター

京都五感処・京都Loversフォーラム代表。
『今だけ』『ここだけ』『あなただけ』をコンセプトにオフィシャルホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』で京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届け。
この2年間に自身が食べた和菓子の数は1000個を優に超える。

数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、現在は和菓子関連のテレビ制作に協力。

みなさんに和菓子の素晴らしさを伝えて、より身近に感じていただけるような活動を目指しています。

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