琳派を表現した京都の和菓子たち。琳派展の入選作品を紹介 (2/2)

執筆者: 小倉 夢桜-Yume- 職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター
裏表

尾形乾山「色絵桔梗文盃台」を参考にした作品です。

 

 

作品コンセプトは、以下の通り。

 

表の重なり合う特徴的な桔梗のデザインの素晴らしさ以上に、裏側のドット模様や格子のデザインに感銘を受けた。この裏側にある楽しみとか面白さを表現したいと思い、乾山とは逆に裏を表にして菓子で表現。形は桔梗の五角形、表面には3色の寒天でドット模様と格子の焼き目を入れ、裏側にある模様を表現。謎を解きながら見ていただきたい。

 

 

思わず「可愛い」と声を上げたくなるようなお菓子ですが、尾形乾山の作品をよく観察した結果から生まれた素晴らしいお菓子です。


五角形の薯蕷製、爽やかな水色、ドット模様と格子の焼き目、すべてが印象に残る作品です。

 

食べるアートの世界をまとめた本

日頃、琳派や京菓子に触れる機会がない方にも有意義な時間を過ごすことができる展覧会ではありますが、遠方の方には、気軽に足を運んでいただけないのが残念です。

そこで、少しでも、展覧会の気分を味わいたいという方へ、書籍のご紹介です。

「京菓子と琳派」(淡交社)

こちらの書籍には、今回の展覧会で展示されていない琳派にちなんだお菓子が、琳派作品と共に紹介されています。
琳派に、和菓子に、ご興味のある方はぜひご覧ください。

 

現在、書店やインターネットで販売中です。

 

 

おわりに

琳派の作品から発想を得た、新しい京菓子をご紹介しました。

 

京菓子職人の発想と手法が存分に楽しめる、非常に興味深い企画展です。

可能な方は、弘道館という和の空間で鑑賞すると、より楽しんでいただけるかと思います。

 

京菓子の世界、琳派の世界に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

「手のひらの自然・京菓子と琳派展2015」の詳細情報
  • 会 期: 2015年10月25日(日)〜11月7日(土)
  • 時 間: 午前10時〜午後5時 ※期間中は休まず開館
  • 入館料: 500円
  • 場 所: 有斐斎弘道館(京都市中京区上長者町通新町東入る元土御門町524−1)
  • Webサイト: http://kodo-kan.com/kyogashi/

 

 

画像協力

手のひらの自然・京菓子と琳派展2015

「京菓子と琳派. 食べるアートの世界」,濱崎加奈子/監修,勝冶真美/編集

 
 コラムニスト情報
小倉 夢桜-Yume-
性別:男性  |   職業:和菓子ライフデザイナー・和菓子ライター

京都五感処・京都Loversフォーラム代表。
『今だけ』『ここだけ』『あなただけ』をコンセプトにオフィシャルホームページ『きょうの「和菓子の玉手箱」』で京都の素敵な和菓子たちの世界を毎日お届け。
この2年間に自身が食べた和菓子の数は1000個を優に超える。

数々の和菓子を見て、食べて感じた経験を活かして、現在は和菓子関連のテレビ制作に協力。

みなさんに和菓子の素晴らしさを伝えて、より身近に感じていただけるような活動を目指しています。

【京都Loversフォーラム】オフィシャルHP
http://kyoto-lovers-forum.com/
【きょうの『和菓子の玉手箱』】オフィシャルHP
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