ジュエリーのメンテナンス・お手入れの方法をご紹介。家庭でできるアクセサリーのお手入れから、正しい保管方法、プロによる修理や「新品仕上げ」まで。

ジュエリーのメンテナンス方法

こんにちは、リングプランナーの飯田馨です。


一生に一度の大切な婚約指輪や結婚指輪。

購入時はメンテナンスも考えて選んでいるはずなのに、1年経ち、2年、3年と経つうちに、婚約指輪をしなくなったという方や、日々身につけている結婚指輪さえも、メンテナンスの機会をなかなか作れないという方もいるかもしれません。

 

ただ、基本的にメンテナンスを依頼すれば、お金もかかります。

そこで、今回はご家庭でできる取扱い方、注意事項のおさらい、そして、プロによる新品仕上げのご紹介をします。

 

ジュエリーのお手入れの基本
「つける前に拭く」「外したら拭く」を習慣に!

お手入れの基本は、「つける前に拭く」「外したら拭く」を習慣にすることです。

 

 

 

体から出る皮脂や汗、化粧品による汚れを、柔らかい布で乾拭きしたり、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸して、汚れを浮かせたりしてください。

最後に、水で綺麗に洗い流し、乾いた布で拭きます。

 

細かいデザイン、つや消しの場合には、柔らかいブラシなどで軽くこすると良いでしょう。

 

ジュエリーの保管のポイント

保管のポイントは、できるだけ「個別にする」ことです。

 

まとめて保管すると、ジュエリーに傷がつく恐れが…

例えば、同じ宝石箱に、モース硬度10のK18ダイヤモンドリングと、モース硬度3の真珠ネックレスを一緒の場所に保管しているとします。

その際に、何かの拍子に擦れ合い、真珠に傷が付く場合があります。

 

ちなみに、K18やプラチナは、硬度4.5です。

 

 

専用の宝石箱や袋に、個別に入れて保管すること

できるだけジュエリーは、専用の宝石箱や袋に、個別に入れて保管してください。


また、旅行などでトラベル用のポーチを使用する場合にも、できるだけ1点1点個別に包んだりして、お互いがぶつかり合うことのないように、気をつけましょう。

 

宝石のついたジュエリーのお手入れ方法
硬度の高い宝石
  • ダイヤモンド、ルビー、サファイヤ、ガーネット(デマントイドガーネットは注意)、アクアマリン、トパーズ、トルマリンなど

 

毛先のやわらかい歯ブラシに、中性洗剤をつけて磨きます。

漂白剤や強い化学薬品をつけるのは、NGです。

 

毛先を使い、爪の間や裏側についた汚れをよく落としたら、ぬるま湯で丁寧にゆすいで、柔らかな布で水分をふき取ります。

 

 

デリケートな宝石
  • エメラルド、真珠、オパール、珊瑚など

 

シリコンクロス等で、汚れや指紋を取る程度にします。

 

ちなみに、上記のお手入れに、超音波洗浄器による洗浄などを加えた宝飾店が行うサービスを、「クリーニング」と呼びます。

 

経年変化による退色・変色など

変化が生じた場合には、専門店に修理を依頼すれば、元どおり綺麗になります。

 

つや消し加工処理

経年変化で金属の加工表面の凹凸が滑らかになり、つや(光沢)が出る場合があります。

 

ゴールド(WG)

経年変化で、だんだん黄色っぽく変色する場合があります。

 

これは、ホワイトゴールドは金の本地色を白色系にしますが、製造元の加工上や価格的な問題で、多少黄色味がかかった金にロジウムメッキ(厚み1ミクロン以下)を施し、白く見せていたメッキが剥離した結果です

 

元の輝きが戻る!プロによる「新品仕上げ」
「新品仕上げ」の工程

指輪であれば、地金の種類、石の状態、指輪のデザイン、キズの状態により、綺麗にする段取りを考えます。

 

通常は、研磨道具は主に「リューター(ペン型の先端変換可能な高速回転機器)」を使用します。

これは、歯医者で歯を治療する際に使われる、高音高速で削る機器のようなものです。


先端変換が可能なので、指輪のデザインや形状に合わせた形状の研磨パーツ、もしくは、職人が適切な形状に加工したもので、デザイン細部の下仕上げを行います。


下仕上げ後、今度は大型の回転研磨機材「バフ」で最終研磨を行います。

 

この記事を書いたコラムニスト

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