透け感のある和紙で贈り物を。桜を楽しむ「たとう包み」の魅力
包み結び作家・研究家の須田直美でございます。
今回は「桜を楽しむ包み」をご紹介いたします。
それぞれのキーワードの言葉の意味もお楽しみくださいね。
普通の和紙の上に、さざ波模様の透け感のある和紙を重ねて包んであります。
そして和紙の間には「紋切り遊び」で切り出した桜の花をそっと忍ばせて、流水に浮かぶ桜の花、花筏(はないかだ)に見立ててみました。
下の和紙は色味の濃いものの方が、桜が綺麗に見えますね。
花筏とは、花が散って、水面に浮かび流れる様子を筏に見立てたものです。
1枚の畳紙(たとう)を畳むようにして折って、中にものを入れて包むことを「たとう包み」と呼んでいます。
着物を包むたとう紙や、お祝いやお悔やみのお金を包む祝儀袋、不祝儀袋と同じような包み方です。
また、花のように折りたたんで、開いて中に物を入れることができる「たとう」は、花たとうと呼ばれています。
紙を折り畳んで型紙通りに切って開くと、美しい形が誕生します。
この型紙が「紋切り型」と呼ばれるもので、もともとは家紋を書くためのものだったようです。
このような形を切り抜いて遊ぶことを紋切り遊びといいます。
江戸時代、寺子屋の教科書であった往来物という書物にも多くの紋切り型が載っていました。
また、戦前までは女性のたしなみのひとつとして、お作法の時間に取り入れられていたそうです。
いろいろな桜の紋切りです。
このたとう包みは、カードやハンカチ、写真など厚みのないものを包むのに適しています。
今回は絵葉書を包んでみましたが、桜のレターセットや桜模様の半襟など、桜に関するものを包んでさしあげても、洒落ているかもしれませんね。
この「桜を楽しむ包み」で皆様は何を包んで贈りますか?
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「包み結び 櫻撫子」主催。海外在住時代に日本の「包む文化」の素晴らしさに魅せられ、帰国後に包み結び作家・研究家となる。包み結びを切り口に、日本の素晴らしい伝統文化を現代の生活に活かしつつ、未来に伝えていきたいと思い活動中。
オフィシャルブログ 「包み結び 櫻撫子」
http://ameblo.jp/tsutsumi-musubi/
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