あのヴィダル・サスーンが今年の5月9日に84歳で亡くなりました。

 

イギリス生まれのイスラエル人で、世界的に有名なヘアドレッサーであり実業家の彼についての映画が公開されています。

その名も“ヴィダル・サスーン”

 

(映画「ヴィダル・サスーン」公式サイトより)

 

ヴィダル・サスーンと聞くと多くの方が、シャンプーやドライヤーなどのヘアケアプロダクトを思い浮かべるとおもいますが

彼は、ハサミ一つで世界のファッション/ヘアスタイルを変えた美容界の革命児です。

 

今なお、60年代のファッションを語る時に欠かせないのがマリー・クワントと、ヴィダル・サスーンの生み出したヘアスタイルです。

 

“スウィンギング‘60/マリー・クヮントとサスーン”

動画はこちら↓

1950年代、女性達は週に2、3回ヘアサロンに通い

ヘアースプレーで丹念に膨らませた高さとカールのヘアスタイルが重要でした。

 

1954年にロンドンでヘアサロンをオープンさせた彼は、そんな当時の常識に変革をおこしました。

それが“ウォッシュ&ゴー”=洗ったまま何もしなくても出かけられるスタイルです。

 

 

ヘアスタイルとは、幾何・角度・骨の構造・カット・不均衡な形の複合体

と考えた彼は、それを骨格に合うようデザインするため、本質的に従来の美容は捨て去りました。

「髪を逆立てるのを拒み、お客の要望を聞かずに自分の考えを提案する。私は従来の美容用のあり方を拒否した。従いたくなかった。美容界を変えたかった。当時は芸術の域に達していなかった美容を新しいアートにしたかった。」

 

1963年、サスーンは古典的なボブカットを元とする、新たなヘアスタイルを発表しました。

『サスーンカット』です。

このVOGUEの表紙はあまりにも有名ですね。

 

“サスーンカットがVOGUEの表紙になる”

動画はこちら↓

1993年、ロサンゼルス・タイムズ紙のインタビューで、サスーンはこう説明しています。
 

「女性たちが働くようになり、自分自身の力を持つようになった。もう髪を乾かし整えるのに時間をかけられなくなったのだ」

 連日、彼のサロンには男性社会で先頭を走っている女性達が押し掛けたそうです。

 

 

ツイッギーやジェーン・フォンダ、ミア・ファローなどのセレブリティを顧客に持ち、彼女達を夢中にさせました。

 

「えり足をカットした時に感触で分かったわ。“終わったよ頭を振って”…忘れられないわ」

VOGUEのクリエイティブ・ディレクター、グレイス・コディントン

 

「女性の髪を変えたのはあなただわ」

マリー・クワント

 

(映画「ヴィダル・サスーン」公式サイトより)

 

彼のヘアスタイルは、女性に自由と自信を与え、未来を描き出しました。

彼を知れば知る程、是非一度彼にヘアカットしてもらいたかったと思ってしまいます。

 

女性の生き方と世界のファッションを変えた彼の映画、東京の公開は終わってしまいましたがまだまだ各地で公開されています。

是非チャンスがあれば観てみてください!

 

MAKO

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