薬剤師が解説!「ビタミンK」の効果効能と、多く含まれる食べ物
ビタミンK(ビタミンK1、ビタミンK2)の効果・効能、多く含まれる食材と含有量を紹介。血液凝固や骨の健康維持のためにも不可欠な栄養素です。
こんにちは、薬剤師の宮本知明です。
皆さん、「ビタミンK」ってどんなビタミンかご存知でしょうか?
あまりピンとこない方もいるかもしれませんね。
今回は、ビタミンKについて見ていきましょう。
ビタミンKは、天然には「ビタミンK1(フィロキノン)」と「ビタミンK2(メナキノン)」の2種類が存在します。
- ビタミンK1 … 主に植物で作られるので、緑黄野菜に含まれています。
- ビタミンK2 … 微生物により作られるので、納豆や乳製品、肉、野菜、果物などに含まれます。
怪我したときの大量出血や内臓での出血が起きた時に、血液が固まるためには「凝固因子」と呼ばれる物質が必要になります。
その凝固因子の中には、作る過程でビタミンKが必要なものがあります。
ビタミンKが不足すると凝固因子の生成が少なくなり、血液の凝固作用が低下してしまいます。
その結果、血が固まりにくくなります。
腸内でもビタミンKは生産されるため不足することはありませんが、薬などの影響で腸内環境が変化して腸内細菌が減ってしまうと、ビタミンKの生産が減少してしまいます。
骨は、骨吸収(古くなった骨の破壊)と骨形成を絶えず行っています。
加齢による骨量減少作用は、骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、骨吸収が骨形成に勝るために起こります。
ビタミンKは、新しい骨を作ったり、骨にカルシウムをためたりする際に必要なタンパク質「オステオカルシン」を介して骨形成の促進に働きます。
また、ビタミンKは骨吸収の抑制にも作用します。
そうすることで、より骨の形成を促進することができるのです。
ビタミンKの含有量100g当たり600μgと、納豆にはビタミンKが多いです。
納豆菌により生成されるビタミンK以外にも、腸内でビタミンKが作られるのを納豆菌が助けるため、それ以上のビタミンKを摂ることができます。
納豆消費量が多い県では、骨折頻度がとても低い傾向があるといわれるほどです。
1日1パック食べることで、十分に必要量を満たすことができます。
パセリは、付けあわせとして出てくることが多い野菜ですが、ビタミンKを多く含んでいる食品の1つです。
小さなパセリの葉を4本食べるだけで、必要量を十分に満たすことができます。
何かの料理に混ぜていただくとよいでしょう。
薬味として食べられることが多いしその葉。
一度にたくさん食べるものでもありませんので、てんぷらや紫蘇ジュースとしていただくのもよいでしょう。
春菊・モロヘイヤ・ほうれん草・にら・小松菜だけでなく、かぶの葉・大根の葉の部分にも多く含まれています。
春菊ビタミンKの含有量100g当たり460μg、モロヘイヤビタミンKの含有量100g当たり450μg、かぶの葉ビタミンKの含有量100g当たり340μgのように、ほとんどの葉物野菜が100g当たり300μg以上ビタミンK含みます。
グリーンスムージーにしていただいたり、野菜炒め、みそ汁に葉物野菜を使ってみてもよいでしょう。
ビタミンKは、他の脂溶性ビタミンと同じように油に溶けやすい性質があります。
そのため、油との相性がいいのです。
炒め物にしたり、他の脂溶性成分と一緒に食べたりすることで体への吸収率も上がります。
腸内細菌がビタミンKを作ってくれていたなんて驚きですよね。
そのため余程のことがない限りは、ビタミンKが足りなくなることはありません。
ですが、抗生物質の投与により腸内細菌叢に大きな変化が起こり、腸内細菌によるビタミンKの合成が低下し、ビタミンK欠乏状態に陥ることがあります。
食事からも摂取するようにしましょう。
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薬剤師/ジェモセラピスト/漢方ソムリエ。病院薬剤師を経て“薬と共存しない生活”の念いからホリスティックな健康観と出逢う。現在は、新婚女性、新米ママさんを西洋医学・東洋医学・自然療法の良さを合わせた統合医療の知識をもった“ホリスティックな健康観を持つ女性”に育成する活動をしている。
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