人間の身体は36度台で正常に働くようにできています。ですが、最近女性、男性を問わず平熱が35度台という低体温の人が増えています。
35度台も36度台もそれほど変わらないと思っていたり、低体温でも特に問題ないと考えている人もいるかもしれませんが、低体温が原因で身体には様々な問題が起こってくるのです。そこで今回は「低体温」について、前編・後編に分けて詳しくご紹介したいと思います。
■冷えと低体温の違い
冷え性と低体温は似ているようで、違います。
・冷え性とは体温の高い低いに関係なく冷えを感じてしまう状態
・低体温は身体を冷やした状態・体温自体が下がっていく状態
内蔵の温度が下がって、身体の芯から冷やしてしまうので健康状態に悪影響を与えてしまうのが低体温です。
■低体温の原因
低体温の人が増えている原因は、食習慣や生活習慣の乱れと言われています。何気なく送っている日常生活の中に低体温を招く要因が数多く潜んでいます。
無理なダイエット、偏食、ジャンクフードの食べ過ぎによる栄養素の欠如や、運動不足による筋力低下。また、過度のストレスによる自律神経の乱れが挙げられます。思い当たるコトがあれば、少し意識することで低体温を改善できるかもしれません。
■低体温の弊害
・基礎代謝量が落ち太りやすくなる
人間の体温を維持するためにはエネルギーが必要です。そのため、平熱が高い人は体温を維持するために、より多くのエネルギーが必要になります。エネルギーとは基礎代謝のこと。平熱が高ければ基礎代謝が高く、平熱が低ければ基礎代謝は低いということになります。平熱が1度違うと、基礎代謝は12%違うと言われているので、かなりの差が出てくることになりますね。
・免疫機能が低下し病気にかかりやすくなる
人間の免疫機能は36度台で活発に働きますが、35度台だとその働きが低下します。
35度台:ガン細胞が活発に動く体温
34度台:体の機能が狂い始め、なんとか生きてはいけますが神経の失調症やアレルギー症などを引き起こす体温
33度台:いつ凍死してもおかしくない、突然死も起こりかねない体温
新陳代謝が悪くなり老化が早く進む低体温は内蔵の温度が下がってしまうため、必然的に内蔵の動きが鈍くなります。すると顔や身体が浮腫んでしまうのはもちろん、肌細胞のターンオーバー(生まれ変わり)も上手くいかず、肌が乾燥し老化肌へつながります。
たかが低体温、とは言えない現代病の1つ。低体温であることにもっと問題意識を持ち、健康のためにも美肌のためにも、36.5度を目指しましょう。
(服部恵)