「アライアンス」を知ると、旅行がもっと楽しくなる!マイルを賢く利用するためにも、知っておきたい飛行機の基礎知識
飛行機に乗るとよく耳にする「アライアンス」とは?アライアンス(航空連合)間では、マイレージが共通化できるメリットも!日本の航空会社ANA・JAL・バニラエアは、どれに加盟しているか確認しておきましょう。
飛行機に搭乗した際、こんなアナウンスを聞いたことはありませんか?
「本日は、スターアライアンスメンバーANA○○行、○○便をご利用いただきありがとうございます」
英語アナウンスでは、「Welcome on board ANA a member of StarAlliance flight○○ for○○…」とのフレーズ。
”ANA”はわかると思いますが、”スターアライアンス”って何のことだかご存知ですか?
「スターアライアンス」は、航空連合の一つ
スターアライアンスは、アライアンス(航空連合)の一つの組織です。
航空連合とは、航空会社間の連合組織を意味します。
今回は、特にマイラーなら知っておいて損はない「アライアンス」についてお話しします。
世界的な航空連合は、大きく3つにわかれます。
大手航空会社のほとんどが、3つのうちどれかに加盟しています。
日本の大手航空会社が属する航空連合は、次の2つ。
- スターアライアンス(ANAが加盟)
- ワンワールド(JALが加盟)
そして、日本の航空会社は加盟していない、あとの1つがスカイチームです。
次に、各アライアンスの概要について、規模の大きい順に簡単にご紹介します。
No.1 「スターアライアンス」
世界最大の航空連合。日本ではANAが加入。
- 発足:1997年5月14日
- スローガン:The Way The Earth Connects
- 就航空港:1,330カ所
- 就航国:192カ国
- 年間旅客数:6.41億人
- 保有機材数:4,657機
- 加入航空会社:28社(ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、エア・カナダ、スカンジナビア航空、タイ国際航空、ニュージーランド航空、ANA、シンガポール航空、オーストリア航空、アシアナ航空、LOTポーランド航空、アドリア航空、クロアチア航空、TAP ポルトガル航空、南アフリカ航空、スイス インターナショナル エアラインズ、中国国際航空、ターキッシュエアラインズ、エジプト航空、ブリュッセル航空、エーゲ航空、エチオピア航空、アビアンカ航空、アビアンカ・エルサルバドル航空、コパ航空、深セン航空、エバー航空、エア・インディア)
世界第2位の航空連合。日本の航空会社の加入はなし。
- 発足:2000年6月22日
- スローガン:Caring more about you
- 就航空港:1,064カ所
- 就航国:187カ国
- 年間旅客数:約5.52億人、
- 保有機材数:2,819機
- 加入航空会社:20社(デルタ航空、アエロメヒコ航空、エールフランス、大韓航空、チェコ航空、KLMオランダ航空、アエロフロート・ロシア航空、エア・ヨーロッパ、ケニア航空、中国南方航空、アリタリア-イタリア航空、タロム航空、ベトナム航空、チャイナエアライン、中国東方航空、厦門航空、アルゼンチン航空、サウディア、ミドル・イースト航空、ガルーダ・インドネシア航空)
世界第3位の航空連合。日本ではJALが加入。
- 発足:1999年2月1日
- スローガン:An alliance of the world's leading airlines working as one
- 就航空港:992カ所
- 就航国:152カ国
- 年間旅客数:約5.69億人
- 保有機材数:3,324機
- 加入航空会社:15社(アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空、フィンランド航空、イベリア航空、LATAM チリ、JAL、ロイヤル・ヨルダン航空、S7航空、エア・ベルリン、マレーシア航空、カタール航空、LATAM ブラジル、スリランカ航空)
上でご紹介した3つのアライアンスに、LCC(格安航空会社)の名前がないのをお気づきでしょうか?
実は、LCCだけで構成されるアライアンスも存在します。
それが「バリューアライアンス」。
2016年に発足した一番新しいアライアンスです。
日本では、バニラ・エア(ANA系のLCC)が属しています。
- 発足:2016年5月16日
- 就航空港:約160カ所
- 年間旅客数:4,600万人
- 保有機数:174機
- 加入航空会社:8社(バニラエア、セブパシフィック航空、チェジュ航空、ノックエア、ノックスクート、スクート、タイガーエア・シンガポール、タイガーエア・オーストラリア)
各アライアンスの航空会社を見ると、知名度の高い航空会社が揃っていますね。
ですが、アライアンスに属さない大手航空会社も存在します。
たとえば、中東を拠点とした「エミレーツ航空」、ハワイを拠点とした「ハワイアン航空」は、アライアンスには属していません。
航空会社が、アライアンスを組むメリットとデメリットは以下のとおりです。
- 加盟する他のエアラインに自社便名をコードシェアすることで、自社では路線開拓が難しい地域・都市へのネットワーク展開が可能となる。
- 地上サービスにおけるチェックイン業務やラウンジの相互利用により、コストが低減できる。
- 空港施設や整備面で協力したり、燃料などの共同調達をしたりできるので、経費削減になる。
- マイレージの共通化により、相互加算や特典の相互利用ができ、利用者の利便性が向上する。
- 自社で新規路線を開拓する際に、アライアンス内の航空会社とのさまざまな調整が必要。
- 航空会社の独自のサービスやキャンペーン展開などがやり難い。
- 異なるアライアンス間では、マイレージの共通化・相互利用・移管ができない。
- 空港によっては、乗り継ぎ便へのアクセスが悪くなる。
航空会社間で提携する場合、基本、自社が属するアライアンス内で連携をしますが、まれにアライアンス間を越えた提携もあります。
たとえば、ANAはスターアライアンスメンバーですが、スカイチームメンバーである「ベトナム航空」と提携しています。
また、JALについてはワンワールドメンバーですが、スカイチームメンバーの「大韓航空」と提携を行っています。
アライアンス内だけに限らず、国や地域によっては、アライアンスの垣根を越えた提携を行っているんですね。
航空機の国籍の異なる2社の航空会社間で運航を行う、共同運航(コードシェア)。
共同運航するなら、その航空会社が所属するアライアンスの航空会社と組むイメージがあるかもしれません。
ですが、実は、共同運航はアライアンスメンバーの航空会社だけでとは限らず、アライアンスに属さない航空会社との共同運航便も設定されています。
その一例は、ハワイアン航空です。
ハワイアン航空は、上でお話ししたとおりアライアンスには属していませんが、現在、ANAとの共同運航便を日本国内線でも飛ばしています。
現在、羽田発着の新千歳・関空・伊丹・広島・福岡・大分・鹿児島・那覇のANA便の一部の便についてハワイアン航空の便名が割当されています。
なお、ハワイアン航空は、新たにJALとの共同運航を2018年3月から開始するとのこと。
そのタイミングで、ANAとの共同運航は解消されるそうです。
空港で、機体に大きく「STAR ALLIANCE」や「One World」の文字が書かれた飛行機を目にしたことはありませんか?
これらは、各アライアンスの特別塗装機です。
スターアライアンスの場合は、2004年に加盟各社それぞれが保有機数全体の3%に特別塗装を施すことが決まっています。
ANAについていえば、現在就航している特別塗装機は4機種5機。
現在ANAが有する機材は257機なので、その割合は1.9%(2017年9月1日時点)。
ちょっと少ないですね。
もしかすると、そのうち新たな特別塗装機が出現するかもしれません。
ANAのSTARALLIANCE特別塗装機(ボーイング737-800)
アライアンスの利用者としてのメリットは、やはり、マイルが共有できる点ですね。
アライアンス加盟の航空会社間でマイレージプログラムを共有することができるので、たとえば、ANA以外のスターアライアンス加盟の航空会社の便に搭乗しても、ANAのマイルを貯めることが可能です。
また、ANA便を利用しなくても、アライアンス加盟会社のラウンジやカウンターを利用できるといったメリットもあります。
具体的な内容は、航空各社のWebサイトでご確認ください。
アライアンスは、利用者にとっても航空会社にとってもメリットが大きいことがわかると思います。
アライアンス内の航空会社のマイレージを上手く使いこなして、活用するのもいいかもしれませんね。
皆さまの旅行の参考になれば幸いです。
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