2017年、飛行機の死亡事故は全世界で●件!飛行機は車より超安全!?

飛行機に乗って死亡事故にあう確率はどのくらい?車より安全?ニュースで大きく取り上げられる飛行機の事故。2017年、死者が出た航空事故は、全世界で10件!想像より少なく感じた人もいるのでは?世界と国内の統計データをもとに解説。

執筆者: 奥之園 誠 職業:航空アナリスト
2017年の空は安全だったのか?航空事故の傾向と事例

みなさん、飛行機を含めた航空事故の数は減っていると思いますか?

それとも、増えていると思いますか?


今回は、航空機事故に関する情報を集めた「Aviation Safety Network(アビエーション・セーフティー・ネットワーク)」の報告資料と、日本の運輸安全委員会から報告されている航空事故関連のデータをもとに、世界と日本国内の2017年の航空事故の傾向と事例をご紹介したいと思います。

 

 

2017年、空の旅は、かつてないほど安全だった!

2017年は、全世界での空の旅が、かってないほど安全だったのをご存知でしょうか?

 

死者を伴う墜落事故は、全世界で10件

2017年に発生した、定員14人以上の商用機を対象とした統計で、死者を伴った商用旅客機・貨物機の墜落事故は10件でした。

この事故で、乗客・乗員44人と、地上で巻き添えとなった35人の死者が発生しています。


前年の2016年は、16件の死亡事故で、303名の死者が出ています。

また、近年の5年平均では、17件の死亡事故と死者495人の統計実績がありますので、2017年は極めて低い数値といえます。

 

飛行機は車より安全!? 飛行機に乗って死亡事故にあう確率は、736万分の1

Aviation Safety Network によると、2017年全世界での便数は、約36,800,000便。

この数字から、死亡事故にあう確立を算出すると、1/7,360,000になるとの報告です。


ご参考までに、自動車事故のデータと比較してみましょう。

一生の間で自動車事故で死亡する確率は1%に対し、飛行機事故は0.005%とされています。

統計上は、車より飛行機の方が安全と言えますね。

 

2017年の航空事故の特徴

2017年の航空事故は、「商用のジェット旅客機による死亡事故が発生しなかったこと」が大きな特徴です。

 

2017年に起きた死亡事故の全10件を見てみると、半分の5件は貨物機で、もう半分の5件は旅客機で発生しています。

この旅客機は、ジェット旅客機ではなく、5件ともより小型のプロペラ機でした。

 

死亡事故10件の詳細

以下の、2017年に全世界で起きた死亡事故一覧(調査対象:定員14人以上の商用機)をご覧ください。

旅客型のジェット機の死亡事故がなかったことがおわかりいただけるかと思います。

 

 

 

            2017年死亡事故が発生した同型機一覧 写真出典:wikipedia

 

2017年、「日本国内」の航空死亡事故は?

2017年の日本国内のすべての航空機(飛行機、ヘリ、滑空機など)を対象に含む死亡事故は、3件です。

いずれも、非定期運航会社、行政または個人所有機による事故で、定期運航の民間商用機での事故ではありません。

 

そのため、定員14人以上の商用機を対象としているAviation Safety Network の報告には、これら日本の事故は、含まれていないというわけです。

死亡事故1

山岳救助訓練中の長野県防災ヘリコプターが、長野県松本市の松本空港を離陸した後、鉢伏山付近に墜落。

 

  • 発生日・死者数:2017年3月5日(9名)
  • 場所:長野県
  • 航空会社:長野県防災ヘリコプター
  • 機材:ベル412EP

 

死亡事故2

富山空港から松本空港に向かっていた軽飛行機が、富山県立山町の獅子岳南東斜面に墜落。

 

  • 発生日・死者数:2017年6月3日(4名)
  • 場所:富山県
  • 航空会社:新中央航空
  • 機材:セスナ172P

 

死亡事故3

山梨県南巨摩郡早川町内場外離着陸場を離陸後、飛行中に墜落。

 

  • 発生日・死者数:2017年11月8日(4名)
  • 場所:群馬県
  • 航空会社:東邦航空株式会社
  • 機材:アエロスパシアル式AS332L型

 

日本では、定期運航民間商用機での死亡事故は32年間ゼロ!

日本国内の定期運航航空会社での死亡事故は、2018年4月現在、32年間発生していません。

 

最後に死者が出たのは、1985年8月12日、日本航空123便による、群馬県の御巣鷹(おすたか)の尾根に墜落した事故です。

520名もの人が犠牲となった非常に痛ましい事故でした。

 

軽微な事故・トラブルは増えている?

航空事故は、死者が出ないまでも、発生するとトップニュースになることが多いですね。

事故発生件数を見ると、自動車による交通事故よりはるかに少ないのですが…。

やはり軽微な事故であっても、航空事故というのはインパクトは大きいのでしょうね。


死亡事故に至らないまでも、けが人や機体の大きな破損などが生じた場合に、その程度に応じて、次のように扱われます。

 

  • 航空事故
  • 航空重大インシデント
  • イレギュラー運航(軽微なもの)

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

航空事故

まず、航空事故については、航空法第76条で以下の4つが該当します。

 

  1. 航空機の墜落、衝突または火災
  2. 航空機による人の死傷または物件の損壊
  3. 航空機内にある者の死亡(自然死などを除く)または行方不明
  4. 航行中の航空機の損傷


2017年の日本での航空事故は、20件発生しています。

 

 

 

航空重大インシデント

 次に、2017年の航空重大インシデントです。

こちらは、航空法第76条の2で「航空機の事故が発生するおそれがあると認められる事態」を指します。


2017年は17件の発生となっており、前年の2016年は9件と、約2倍の増加となっています。

 

 

 

イレギュラー運航

 最後に、イレギュラー運航です。

一般的には、直ちに運航の安全に影響を及ぼすような異常事態ではなく、計器の故障などにより、乗員がマニュアルに従い、出発空港へ引き返したといったような事象が該当します。

 

2017年の国土交通省に報告があったイレギュラー運航の件数は、外資系航空会社も含め200件発生しています。

 

 

おわりに

2017年の全世界の航空機事故と日本国内での事故をご紹介しました。

 

幸い、我々が普段使う定期便での死亡事故の発生は日本国内では発生していませんが、飛行機からパネルが落下した事故が多発したのを記憶されている方も多いと思います。

死亡事故が出ないのは幸いですが、細かな事故が多発した1年と言えますね。

 

今後は、さらに空の旅が安全になることを祈ります。

 
 コラムニスト情報
奥之園 誠
性別:男性  |   職業:航空アナリスト

航空ブロガー、航空検定1級。

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